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私の愛する使い魔さん  作者: 龍冶


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第6話

 

 ベルメリとヤッヤモは、セーンに家に前まで送ってもらい家に帰ってみると、ニキお爺さんが言っていた通り。パパは居なかった。

 『やっぱりね-』と思いながら、ママに一応聞いてみるべきと思い、

「ママ、パパは何処に行っちゃったの」

「あーら、ベルメリちゃん、随分早いお帰りねー。パパはねぇ、獣人国のなじみの人の家に行ったの。昔からのお友達で、何かトラブルがあったのかしら。・・・そうそう、ママ、ベルメリちゃん似には直ぐ、戻るって言ったんだった。で、どうなのセーンとの瞬間移動でのお戻りは。楽しかったようね」

「え?何。あたし似って何の事」

「だって、ベルメリちゃんがニールに行ってしまったら、セーンの目をかいくぐって連れ戻す事なんてあたしには無理。あいつらに約束した事、反故になるって言うのを、言いにくくて。そうしたら、あのニールの館の魔物と同族で、はぐれてしまった奴って言うのが、魔の国で、そっくりな子を卵で産んで商売していたの。ママ、ちょっとアイデアが浮かんで、ベルメリちゃん似の子を手に入れてね。そのベルメリちゃん似の子にはお家に連れて来て暮らすって言っておいたの、本物は魔法使いが連れて行くだろうからってね。でも、本当はパパだって自分の子と偽物の区別はつくし、ベルメリちゃんの能力だって捨てたもんじゃないでしょ。逃げて戻るようだったし、偽物を渡そうと思ったの。あたしの隠れ家に今置いて来ているけど。そろそろ戻らないとね」

「ママ、何言ってんのよ。わけわかんない」

「あーら、ここまではっきり教えたのに、分かんないですって?お馬鹿さん」

「ベルメリちゃん、こいつはママじゃない様だよ。逃げよう」

「お黙り、ヘロヘロヤッヤモ。あんたみたいなヘロついた奴、こうしてやるわ」

「ママ何するのっ。あ、ママじゃないかも。じゃこうしてやる」

 皆が噂するベルメリの力技が爆裂だ、素早いベルメリのグウ攻撃でママの偽物らしきのは気絶した。

 人型になったヤッヤモ、

「ベルメリちゃん、お見事。でもこいつ、何者かな。僕がこっちにお世話になってから、この人に変化は無かったから。何時、偽物になったか分からないや」

「本物かも。あたしもいつものママだと思う」

「何だか、また魔法使いが絡む手の奴だな。きっと本物がセーン無しで戻ったから、また魔法使いに渡す気になったみたいだな」

「酷ーい、パパに言い付けたいけど、パパは居ないし」

「ベルメリ~~、パパ戻りました~。ぜいぜい、とんぼ返りはきついな」

 困っていたベルメリの元に、パパが駆けつけた。さすが親子、パパはピンチを察したのかと、ヤッヤモは感心したが、誤解だった。

「パパ。何処に行っていたの。あたしピンチだったのよう」

 行先は分かっていたが、甘えて言うベルメリ。パパに芝居するしたたかなベルメリにヤッヤモが感心し、この親子を観察する。

「ごめん、ごめん、獣人国の知り辺のとこに行ったら、丁度レンさんって言うセーンさんの父親も居てね、そこは奥さんのママの実家だったから。そのレンさんが、ベルメリちゃんが危ない事になっているって言うから、慌てて戻って来たよ。ママは良い人じゃあなかったようだな。ベルメリちゃんを魔法使いに売る気だった」

「どーしてよ」

「ベルメリちゃんはね、魔人と魔女とヴァンパイアのミックスで、かなりめずらしい子だったようだな、そして直にプラスして魔物とのミックスも出来そうな気がしていたようだ。DNAとかいうのが欲しかったんだろう」

「僕、そんな一線を越えるような事、しませんから」

 ヤッヤモ、慌てて訂正するが、

「言ったなヤッヤモ、その一言、忘れないからな。とは言え、奴らは相手はヤコと思っていたようだが。ベルメリちゃんは気が変わったんだね。良かった、良かった」

 勝手に心配して、次は安心のパパだが、

「パパったら、分かってないわね」

 ベルメリちゃんの一言に、何の事やらと首を傾げるパパ、及びヤッヤモ。だが、ヤッヤモの方は嫌な予感がしてくる。こういう言い様の後の一言は、何時も爆弾宣言が続く。

「ニールの魔物は、自分のコピーを卵で産むの。オス、メスとかは無いの。でも将来結婚するんだったら、あたしはヤッヤモが良いわね。だってあたしと一緒にお勉強してハイスクールまでの教養はあるし、それに今までだって、ずっとあたしを愛してくれているんだと思うの」

「ええーっ」

 パパは驚いて叫ぶ。

 ヤッヤモは気絶しそうになるが、気を取り直してベルメリのポケットに滑り込んだ。用心である。ベルメリちゃんのパパの反応の行方が読めない。

 パパもヤッヤモと同様に気絶しそうになるが、そこは魔人のパパ、はっと気が付き、

「ヤッヤモ、ヤッヤモ。何処に行きおったか。このお調子者め。何が一線を超えるような事しないだ」

「ま、パパ、何言っているの。ヤッヤモは悪くないわ。あたしの思っている事を言ったまでよ」

「え、何?ヤッヤモは何もしていないんだな」

「どうしてそういう話の向きになるの。今言ったでしょ。ヤッヤモは魔物で人じゃないし、男女とかは無いの」

「そーなのかあ、じゃあ、結婚すると言う話は?」

「やだ、本気にしないでね。だから先に魔物の実態の説明をしたのに」

 ヤッヤモ、それを聞いて一安心だ。

「ベルメリちゃんはパパをからかうね。やれやれ、とにかくパパは獣人国へ行くから、ベルメリちゃんの面倒を見てくれるお宅を探さないと」

「べネルさんちで良いんじゃないの?」

 パパは困ったように、

「べネルさんちは男の子ばかりだよ」

「じゃあ、他に信用できる人、いる?ルーナおばさんが居るから良いんじゃないの」

「おばさんねぇ、あの人はおいしいものを作ってはくれるが、男の子の生活指導なんてことなどしやしない」

 そこでヤッヤモ、ベルメリちゃんの意向が通るようにと、

「その辺の事はこの使い魔ヤッヤモが、責任をもって対処するつもりです」

 ときっぱり言うが。

「お前が一番気がかりなんだ」

「そんなぁ、僕はベルメリちゃんの使い魔として一生使えるつもりです。信じてください」

「仕方ないなぁ、だが、べネルさんが引き受けるかどうかはわからない。面倒事が起きるのを嫌ったら、パパにはどうしようもないからな」

「はーい、その時はあたし、パパについて行こうかしら」

「ど、どうして」

「だってパパったら、何時もならこういう成り行きの時は、『じゃあ、パパが戻るよ』と言い出すはず。獣人国行きを辞める気のない理由、有る筈」

 パパ、『ベルメリ、鋭い』とか思いながら、べネルさんちに、ベルメリを預けに行くことにする。

「まだ在宅なら良いが」

 べネルさんは近所の信頼も厚く、地区の組織委員長で、店は奥さんに任せて外出が多いと聞いていた。

「おはようございます。べネルさんは」

「おはようございます。それが今日は早朝から、地区の会議に行ってるの。何事かしら、何時も会議は夜なのに」

「何事か有っていると?それは困った。今日はベルメリを預かってほしいとお願いにうかがったのですが」

「そうですか、そうでしょうね。でも、今日の招集は何だか、ノスさんの件の様な気がしますよ。身分詐称の人を探せとか言う感じの」

 それを聞いた三人と言うか、魔人二人と魔物一人、一斉に絶望の叫び、

「ええーっ」

「そうがっかりしないで、指名手配はノスさ一人だもの。ベルメリちゃんに追っ手は来ないのよ。だから預かれますよ。昨日から、ベルメリちゃんを預かってくれって頼まれるんじゃないかと二人で話していたんですよ。べネルは承知していますからね、ノスさんは安心して逃亡してくださいね。いくらお友達でも、かち合ったら捕まえなければならなくなるんじゃないですかねぇ。もう何方かに当てはあるんでしょう。そろそろ、お逃げになった方が良いんじゃないですか」

「パパぁ、もう行くの。何だかみんな酷いわ、こういうの掌返しって言うんでしょ」

 ベルメリは泣きたくなったが、パパはベルメリに泣かれるのは弱いので、慌てて、

「じゃあ、ルーナさんよろしくお願いします」

 と、急いで挨拶すると、さっさと瞬間移動するヴァンク・ノスである。

「行っちゃった」

 ぽつんと呟くベルメリだが、

 ポケットから首を出すヤッヤモ、最近はヘキジョウさん達、この技が流行っていると言えるかもしれない。

「ベルメリちゃん、僕が居るからね。誰にもどうこう言わすつもりは無いから」

 ルーナおばさん、

「あらあら、可愛い使い魔さんね」


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