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私の愛する使い魔さん  作者: 龍冶


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第17話

 

 ニールの館にセーン共々戻って来て、ヘキジョウさんっ子の部屋で、寛ぐ二人。しかし、何だか思う所がありそうなキャイちゃんに構われる。ヤコはニーセン、ユーセンの部屋に行ってしまい、ここには居ない。

 さらわれてしまった後にしては、元気だしご機嫌なベルメリちゃんとヤッヤモを、注意深く見ているキャイちゃん。

「何だか二人とも、いっそうの絆が出来ちゃったみたい」

「そう見える、キャイちゃん。ヤッヤモちゃんはあたしを守るために、古のドラゴンに変化したの。そしてヤコ君も助けに来てくれて、2人で魔法使いの家を壊そうと頑張ってくれたの。カッコ良くて可愛くて、ベルメリ、しびれちゃった。ヤコ君を褒めてくれる人、あの場面見てくれる人いなくて残念だったわね。代わりにあたしが褒めても、今一だったみたい」

「ヤコ、チー、ラーとは対外的に離れたんだし、ニー、ユーはまだ親がかりだしで、使い魔的にフリーね」

 キャイちゃんは呟く。

「どしたの」

 ベルメリは不思議な話の持って行き方に疑問がわく。すると、

「ヤーモさんはカーピンの使い魔は辞めたのですわ。レン様の使い魔の約束を忘れていたそうですわ。先ほどレン様に連れられて、獣人国に行きましてよ」

「ひゃー、ニュースじゃない。でも、その事、キャイちゃんはどうして知っているの。それにさっきのヤコ君の話と繋がるかな?」

「わたくし、何だって知っていますの。自然と頭に浮かぶんですの」

 また不思議に思っているベルメリに、ヤッヤモがこっそり言う。『ヤコがカーピンの使い魔候補に挙がったって言いたいんじゃないか。キャイちゃん的予想だけど』

『またカーピンやって来るって?』

 ヤッヤモ頷く。

『イーとこの生まれのやつは、面の皮厚いし、思い込んだら誰の言う事も聞かないしね』

 キャイちゃん、

「ふたりして、こっそり話しても無駄でしてよ。あたくしには、こっそりは効き目ないのでしてよ。おっほっほ、次はあたくしがカーピン様の使い魔候補ではと思っていましたけど、そうとも言えなくなりましたわ。ヤコってヤモ様の二番目の子だし、ああ見えて、ヤーモさんに少し面影も似ていますもの。きっと、カーピン様はヤコを見初める事でしょうよ」

「キャイちゃん、何だかすでに決めかかって、しょげだしてない?まだなーんにも決まっていないでしょ。カーピンがいつ来るかも知れてないし、ヤコ君が行く気になるとも思えないし」

 ベルメリちゃんは、キャイちゃんを励まそうとするが、ヤッヤモには『気にすんな、悲劇の少女の芝居だ』と言い『キャイは、カーピンの使い魔になる気があるかどうかも怪しいな。あいつはああ見えて、自立しているんだ。セピアの大学に行くって言っていたろ』

 そのコンタクトを聞き、

「あたくし、セピアの大学に行くとして、カーピン公爵家のお宅から、学校に通う事も出来ましてよ」と言ってのけたキャイ。


 そんなヘキジョウさんっ子の思惑が、多分他の子もいろいろありそうな中、カーピン16世、爺もとい近侍の忠告は聞く耳を持たず、翌日招待されていないことも気にせず、ニールの館へやって来た。前回と同じルートで午前10時前の到着だった。

「カーピン公爵のおなりー」

 執事さん、玄関先で叫び、後は公爵の好きにさせる。気にせず公爵ずんずん家の中を目的地まで急ぐ。目的地はもちろん、ヘキジョウさんっ子達の部屋だ。

 何故かこの館の配置を知っているような公爵。誰かに指図して、平面図でも手に入れて居そうだ。

 ヘキジョウさんっ子は朝食の真最中。公爵がいきなりドアを開けても気にしない、キャイちゃん内心、『ノックも教えられてなさそうじゃなくって』皆にコンタクトすれば、くすくす笑うヘキジョウさんっ子も居たりする。

 公爵、このクスクスは、先ほどの誰ぞのコンタクトを聞いていて、原因は分かっていた。開けた後で、ドアをコツコツした後、

「私が開けると分かって居ように、ノックの意味は無いと思ったが、まー、教えられてはいるからの。教育係の恥になる事は避けよう。ところで、今のコンタクトは誰かな。あ、そうだな、当ててみようか。そこの、リアン似の子だろう。ヤーモの卵から生まれたんだったな、奴と全く同じ顔じゃないか。これは珍しいな。それにしても、カーピンの館から学校通いは面倒だぞ。護衛が必要になるから自由が利かないな。私は一般学生が羨ましかったが、お前は不自由な方が良いのか」

 キャイちゃん、思わず首を横に振る。その辺の所は思い至らなかったようだ。

「だろうな」

 公爵はヘキジョウさんっ子を見回し、

「確かにまだ、幼いな」

 と言って、帰る事にしたらしいが、廊下でニーセンユーセン及びガーレンと散歩から戻って来たヤコに会って、

「お前はオーカーのパーティーに居たようだったが、逃げたな。素早い動きだった。私は素早く動く使い魔が必要だが、お前を見ても、ベルメリちゃんの言うような気分になりそうも無いな。どうしたものか」

 ベルメリちゃん、ヤッヤモから手を引っ張られて止められるが、どうしても言いたい。

「公爵様、いらっしゃいませ。あたしが先日言った事、あれはー、テキトーに言っただけで、根拠は有りませんの。気にしないでいてくださいねー」

 やっと言い終えて、ヤッヤモに部屋に引き戻された。

 ヤッヤモ、人型になったままだったし、一言いっておく、

「ベルメリちゃん、今のはどうかと思うな。まるで、ヤコお勧めみたいに聞こえたぞ。カーピンに構うなってば。半分イカレってとこじゃないか。この状況じゃな。うかうかしていてなんかの罪状思いつかれて捕まらないようにしないと。気を付けてね、ベルメリちゃんはっ」

「ヤッヤモったら、心配性ね。ニキお爺様に似て来たんじゃないの。同じ屋根の下に住んでいるからかしら。タイプが偶然似ているのかしら」


 呑気に言い合っている二人に比べて、緊迫感有のヤコとカーピン、

 ヤコ、じろりとカーピンを見つめるが、カーピン気にせず、

「目つきも鋭い。何やら出来る使い魔風であるな。どうだ、公爵家に来れば使い魔と言えども手当てを払う事になるだろう。働きが良ければその手当も多くなる。公爵家の習慣だな。褒美はきっちりだ。あのヤーモの剣は元は公爵家が所有していた妖剣で、以前ここの年配使い魔に手柄で授けたそうだからな。公爵家に災いをもたらす妖剣だったから、ヤーモは公爵家の使い魔にはなれなかった。私とヤーモとは縁が無かったらしい。お前とはどうだろうか。最近、また公爵の命を狙う者がいるようじゃ。私の用心棒になる気は無いかの」

「セーンはベルメリちゃんを狙う魔法使いが、セーンの注意をそらすためにカーピン公爵を囮に使ったと思っているようだぞ。本当に狙われているんだろうか」

「近侍は妖剣が表れたのは、公爵家に仇なすものに使われたくて戻って来たと言っている。災いと妖剣はセットになっていると言っておった。長年の因縁だと言うが。年寄りのたわ言かどうかは、私が誰かに討たれるかどうかで決まろうな」

「自分が狙われているかもしれないと言っておいて、随分呑気じゃないか。使い魔欲しさの方便のようにも思えるな」

「方便かどうかは、使い魔になって見れば分かるだろう。見ればお前は最近暇そうじゃないか。退屈してはいないのかな」

「じゃあ、お前を狙っているって言う奴が居たら、始末すると言う事で雇われてやろうかな。褒美をくれるって言ったな?」

「セピア公国では当たり前の事だ。使い魔といえども、報酬は当然の権利と言うのがセピアの流儀なんだ」


 自室からベルメリとヤッヤモ。カーピンとヤコのやり取りを窺いながら、

「あらら。ヤコ君、何だか報酬につられてカーピンの使い魔になる気?」

「だな、奴もその気になるヘキジョウさんっ子だったらしい」


 そんなニキ爺さんの館に本人とヤーモがユーリン婆さんを連れて瞬間移動で戻って来た。レンの使い魔としての初仕事のつもりだ。

 セーン達は昼食時間と言う事で、ダイニングルームに集まりだしたところで、爺さん婆さんとヤーモの登場で、セーン少しあきれる。

「あれ、爺さん。婆さんを連れて瞬間移動は寄る年波でやめたのか」

「何を言う、婆さん一人ぐらい連れて何処へでも行けるが、今日はヤーモの初仕事だそうで、任せて見た」

「俺、セーンに挨拶無しでセピアに行っちまってたし。今回はレンの使い魔になる事にしたって言っておこうと思ったんだ。前に大人になったらレンが使い魔にしてやろうかって言っていたのを忘れちまってたけど。約束した気がするんだ。この妖剣は元カーピン家の呪いの剣だったって、レンの奥さんのママの実家にある、ノスさんちの古本に書いてあったんだ」

「古本にねぇ。それなら間違いないだろうな。ノスさんの家は学者だったそうだし」

 セーンは、ヤーモロスから立ち直っていたので軽く受け流した。

「まあ、お昼に間に合ったわね。あたしらは肉の丸焼きは重くってね、うちの粗食が食べなれていてね、野菜ばかりも嫌だけど歳取ったら、お肉ばかりじゃたまらないの」

 ユーリーン婆さん、粗食と言った件、思わず言ったのだろうがおそらくコックさんは気分を害しているはず。

 くすくす笑いながらチーラは、

「お婆様が居ないと火が消えたように静かだって、昨晩皆で話していたんですよ。これで何時ものようになりましたね。セーン」

「ふふん。ベルメリちゃんが居るから、似たような騒ぎがあるって話で、落ち着かなかったかな」

 噂をすればベルメリちゃんの登場だ。

「お帰りなさい-。ニキお爺様にユーリーンお婆様。あっヤーモが居る。上にカーピン居るのよっ」

「ゲッ」

 ヤーモ及び、カーピンの存在を思い出した面々、チーラさんはしまったと思い。

「執事さん、カーピン公爵の分は用意しなくて良かったかしら」

「次の使い魔がお決まりの様で、帰り支度をなさっておいでで」

 ベルメリ、皆知らないようなので発表しておく。

「ヤコ君よ、報酬にひかれたみたい」

「おいおい、ヤモ。さっきから黙っていたが、良いのか」

「去る子を追うのはやめた」


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