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私の愛する使い魔さん  作者: 龍冶


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第10話

 

 ココモ君、ベルメリちゃんを連れてべネルさんちに帰って来ると、続けてニールの館に瞬間移動して行った。

 ベルメリちゃんは少し、瞬間移動酔いで、自室に引っ込むが、べネルさんの感想が聞こえる。

「ほう、最近はココモ君の能力磨きがかかったな。続けて瞬間移動して行きおった。しかし、どういう顛末かな。ベルメリちゃーん、教えてよ」

 自室でゴロゴロするつもりのベルメリだが、べネルさんに報告は、御厄介になっている身としては、説明すべきだと思っていた。やって来たべネルさんに、

「ココモ君、セピアの新公爵に世話になったからって、パーティーを開くの。そしてグルード家の人達も招待することになったの」

「なるほどねー」

 ルーナおばさんも興味しんしんでべネルさんの後ろから来ていて、納得しているようだが、2人にはもう少し説明しておく。

「本当の所は、あたしとヤッヤモを見て、自分も使い魔が欲しくなって、それでニキ・グルードさんと親しくなって、ニールの館に招待してもらって、ヘキジョウさんっ子の誰かを手に入れる気なの」

「バカだねぇ、カーピンも。もう周りの輩は、好きにさせるしかないんだろうな。皆、嫌がったらどうする気だろうな」

「んー、ヘキジョウさんっ子は意外とドライな子も居るから、美味しいスィーツやかわいい服につられて、ついて行く気になる子も居そうだと思うの」

「そうなら良いけどね」

 ルーナおばさんが心配げに言うので、ベルメリ、少し反省する。『あたし、大ぼら吹いて悪かったかしら』

 ヤッヤモ、『やっぱりね』と少し悲しくなるのだった。


 一方、ココモからの報告に、セーンは、

「そうか、だけど世話になった事だから、要求を呑むのは仕方ないかな。良いよ、ココモ。気にするな。俺らは行くよ。ココモ君主催だろ。あれ、オーカーさんなの。ふうん」

 ユーリーン婆も横で一部始終を聞いて、

「ベルメリちゃん、利口ね。うまい言い回しね。そういう事ありっこないもの。ヘキジョウさんっ子、ああ見えてまだまだ幼いもの、相思相愛なんかに成りようがないわね」

 ニキ爺さんの意見は違った。

「ユーリーンは気が大きいな。まだ小さい子達の誰かがセピアの新公爵に連れて行かれそうになったら、断固拒否しないとね。何かひどい目にあっちゃ可哀そうだ」

「まっ、新公爵って癖が悪いの」

「知らないよ、だが要人にはそういう輩が多いよ。あ、この話題はもう止めー、ニーユーだな、昼寝からお目覚めだ」

 家庭教師ガーレン・バルンに連れられて、寝覚めも良くご機嫌に登場した。実の所、2人は最近ご機嫌が続く、不機嫌な様子は無くなっている。

「あー、オーカーのお兄ちゃんドラゴンさんだっ」

「わーい、今日は泊ってく?」

「いや、悪いけどもう帰るよ。セーンパパに話があっただけー、じゃな」

「えー、もう帰ったよ」

「仕方ないよ、あいつはガキのモリは苦手だ。きっと自分がガキ風なのが長引いたせいだな。こりごりしているんだろう」

 セーンの身も蓋もない見解に、けらけら笑う二人。意味が分かっているのかいないのか。最近はセーンの言う事にいちいち笑う。どうやら話しかけられるのが嬉しいらしく、セーンとしては少し切なくなる今日この頃と言った感じだ。

 ココモ君、今帰ったばかりのはずだが、土ドラゴンの子分さん風の人が、パーティーの招待状を持って来た。オーカーさんとはコンタクトで報告したのかもしれないが、随分手回しが良い。

 ニキ爺さんは招待状を開けて、

「次のココモ達の休暇にパーティーだそうだ。随分気が早いな。そうだった、いつぞや、オーカーは借りは早く返さないと、以前、返す前にくたばる奴が居て、寝覚めが悪かったと話していたな。実の所、あのカーピン15世の事だがな。息子もそうならないように用心だな」

 ユーリーンは呆れて、

「オーカーさんって、気を付けないと病みそうな性格じゃないの、見かけによらず」

「うん、あの年寄りは気苦労の多い人生だったな。あ、まだ生きているが、葬儀の挨拶はそう言ってやれ、セーンが挨拶する時もだな、覚えておけよ」

「何だよ、縁起でもない事言うじゃないか」

「そうかな、気が付いた時に話しておかないと、気ぜわしくなったら言いそびれちゃまずいし」

「気ぜわしい事が有りそうってか?」

「今時分に、ヤコに因縁をつける奴が居るのが気に食わんな」

「セピアのサツが思い立って動いただけだろ」

「そのサツってのが食わせ物だな。魔の国の手先がセピアにはびこっているそうだ。べネルに聞いた。実際、ノスさんなら今住んでいる地元でも信頼されているから、本当の所は握りつぶせるはずだったんだが、何だかそうはいかない風潮があるそうだ。サツにね」

「新公爵は法務大臣を動かしたそうだが、直に、言う事を聞かなくなるとべネルは言っている。魔人の力のある奴が、ヴァンちゃんを避けてセピアに来る気だ。カーピンは使い魔よか、結婚が先と違うかな。周囲はきっとお手上げだな」

「でも、使い魔を手に入れて、可愛がれば婚約者と会話が弾むんじゃないか。ほら、ペットの話題で盛り上がったりすることもあるそうだし」

 セーンの見解を聞いて、

「セーン達はココモちゃんの話題で盛り上がったのかしら」

 ユーリーンの質問にセーン、ふと思い出す。

「そう言えば一家というより、一族総出で盛り上がったな、あの亡くなったドラゴンさんはカリスマドラゴンだったみたいだな。あの辺りのな」

「そしてね」

 今まで黙っていたチーラさん、

「あたし、思うんだけどカリスマ性と言えば、あのヤーモちゃんね。何故かリアン坊ちゃんがべた惚れだったけど、先にヴァンちゃんが会って居たら、きっと連れて行かれていると思う。あの時、助けられた時も何だかヴァンちゃんはとても気に入っているようだったの。ヤモちゃんが気をもんでいたけど、ユーリーンさんとも何だか付き合いたそうだったらしいから、あたしは気が多いんだと思っていたけど。あたしの印象では、最近ヤーモちゃん、子供の時と違って、雰囲気があると思わない、セーン」

「ええっ、ヤーモにカリスマ性が出て来たってー」

「おいおい、ポケットに本人いるんだろ」

 ニキ爺さんが呆れるが、セーンは、

「いや、ヤモと一緒にヘキジョウっ子のにわか躾に取り掛かっている。何を期待しているのかー、多分玉の輿だろーけど」

 ニキ爺さんまた一言、

「公爵の使い魔って言うのは玉の輿なのか?」

 セーン、ヘキジョウっ子の部屋の様子を見ながら、

「ヤコまで混じっている。ご挨拶の練習を始めているな。セピアで最高の位の奴だからな。きっとあいつらにとっては玉の輿なんだろな。俺、何だかむなしくなってきた」

 チーラは、

「あたしはヤーモが一番の候補と思うけど。あまり側に居ると気づかないのね。あのカリスマに」



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