世界に見放された俺、実は俺が世界の理を破壊した~【能無し】と追放されて俺が、【復讐】するために別大陸で王になる~
デモ作品です。
この国、エーテルランド王国には年に一度の国中で同時に始まる祭りがある。
その祭りは、エーテルランド王国創立記念日に開催される。
そして、この国では国教の女神教がある。
この女神教はアレヌ神という女神が俺たち人間を造り、
俺たち人間を脅威から守ってくれているといわれている。
この祭りの昼頃に、10歳の子供はみな教会に集まり、
女神から職業をもらう。
女神教の聖書にはある一つの世界の理がある。
それは、【一個人に対して、職業は一つである】
俺ことレイン・アーロックも今年10歳なった。
だから今日俺は女神から職業をもらうために、教会に行く。
「ねぇ、兄様。今日の夜、私に本を読んでくれませんか。」
こいつは俺の妹のエリナ・アーロックだ。
今はまだ5歳。愛称はエリだ。
「わかった。今日の夜、エリの部屋に行くね。」
「ありがとうございます。兄様、約束ですからね。」
「あぁ、約束だ」
歳は5歳のはずなのに、小さいころから女性の言葉遣いの練習をしていたからか
もう、こんな喋り方なんだよな。『お兄ちゃん』って言ってほしい...
「レイン様。当主様が待っておられます。」
「わかった。いつもありがとな。フィオナ。」
「とんでもございません。私はただのメイドの身分です。
仮にもアーロック家に仕えていない者たちに言わないでください。」
「わかったよ」
アーロック家は、この国の伯爵の一つ。
当主は俺の父セフィロス・アーロックだ。
このアーロック家は代々武に秀でた者を輩出している。
俺も6歳から剣術を教えられた。大した才能はなかったけれど、
俺の家族は他に母が一人と兄が2人と、妹のエリの6人家族だ。
兄たちの職業は、2人とも武のものになっている。
一人は剣士で、もう一人は騎士だ。
だから、俺も武の職業だろうと、期待されている。
しかも、今日俺の職業がわかるから俺はめっちゃ緊張している。
「よく来たな。レイン。」
「お父様。今日は付き添っていただきありがとうございます。」
「よいよい。お前が武の職業を持つことを期待しているぞ。」
「期待に沿えるよう頑張ります」
俺は教会に入る。
今日は平民も貴族も関係ない日だから、
平民も貴族も親子でたくさん教会に入っている。
あっ、神官の人が出てきた。
「これより、女神様から職業が与えられます。名前を呼ばれたものは前へ。」
______どんどん名前が呼ばれていく。
「レイン・アーロック」
来た。
「はい」
「ではこの水晶に手を」
僕は水晶に手をかざす。
「...........」
無音の時間が出来る。
「こっ、これは.....」
「どうした。レインが珍しい職業でも引いたのか。」
父は興味深そうに聞いた。
「職業が、書かれていない...スキルも...全て空白だ。」
「なんだと!それは、どういうことだ!」
父の大声に注目がいく。
えっ、俺の職業がない...だと?この世界の理は?
俺も自分のステータスを確認してみる。
________________________
【名前】レイン・アーロック
【年齢】10歳 【性別】男
【レベル】1
【職業】
【スキル】
________________________
....本当に、本当に空白だ....
「もしかしたら、何か聖書に書かれているかもしれないので、
あちらの部屋でお待ちください。」
「分かりました...」
____少し時間がたつ。
「それで、神官殿。何か分かりましたでしょうが。」
「そ、それが....どんなに探しともどの聖書にも書かれていなくて、
上に相談したら、それは、神...いや世界に見放された存在【能無し】だと。」
「「神に見放された存在...」だと!」
父と俺の言葉が被る。
「えっとそういうことですので、レイン君はまだ可哀そうなんですけど、
国というか上から『国から追放しろと。』言われていて、
今日じゃなくていいのでできれば明日までには...」
この人は優しいんだな。
父もそうだけど、もう周りの人はゴミを見たような目で見てきたいるのに...
この人は、僕自身を見てくれている。
「レイン。家に帰ったら、私の部屋に来い。」
「分かりました...」
____俺は家に帰る。
俺は父の部屋に入った。
「来たか」
「お父様...」
「お前を、この伯爵家、アーロック家から追放する。
今後、お前は、アーロックの性を名乗ることを許さない。
今日のうちに出ていけ。」
えっ、確かに追放されることは分かってたけれど、今日!?
何も準備できていないし、エリとの約束がある。
「異論はないな」
「分かりました。お父様...」
「お前はもうお父様とは言うな!お前はもう、アーロック家ではない!
さっさと出ていけ!」
「わかりました。セフィロス伯爵様。」
......どうしよう。何も準備できていない。
早く部屋に戻って出ていく準備をしないと。
僕は部屋に戻り長年使っていた短剣と、お金を少々。厨房から食材を盗り、
マジックバックに詰めた。それと、服も。
「はぁ。神様。俺は何かしましたか。何をしたというのですか。」
もちろん、返答は帰ってこない。
俺、神の存在信じなくなるかも。
俺はベットに寝転がった。
なんでお父様はあんなこと言ったのだろう。
確かにお父様は女神教の信者だけど、実の息子にあそこまで...
「おい、能無し。そろそろ出ていけ。」
ドアの向こうから声がする。多分、若い執事だ。
地位が逆になって、僕が命令されている。
「はい...」
俺は正門に向かう。
「ちょっとまて。お前みたいな奴は、裏門から出ていけ。」
彼が笑っている。うわぁ。この人いじめるのが好きな人...Sだ...
反抗したいけど、今の身分の俺にはできない。
「分かりました」
俺は裏門に行く。
もうこの家からお別れか...まさか、こんなことになるなんて思いもしなかった。
さぁ、僕は邪魔者なんだ。早くこの家からでよう。
「兄さま!!」
「んッ!」
見つかってしまった...今一番見つかってほしくなかった存在に。
そして今一番会いたかった存在に...
「エリ...」
エリの後ろにはフィオナがいる。
「兄さま!どこにいくのですか?遠足ですか?私も連れて行ってください。」
あぁ、エリは事情を知らないんだな。
「ごめんな。エリ。約束を破っしまって..」
「...兄さま?」
「レイン様。これは私からの餞別です。何があっても死なないでください。
私たちが悲しむことを忘れないでください。
レイン様のことを私達は一生忘れませんから。」
「ありがとう。フィオナ。」
本当にありがとう。フィオナ。こんな俺にこんな言葉をかけてくれるなんて...
「いままでありがとう。フィオナ。エリ、俺がいなくても頑張ってね。」
「兄さまっ!約束は、約束しましたよね!約束破らないですよね!」
エリが悲しい表情を見せる。くっ、俺は何もできない。
エリに言葉をかけることさえもできない。
「レイン様。いってらっしゃいませ。お帰りを待っております。
充実した日々を過ごせることを心より願っています。」
「うん。それじゃあ、さようなら。
フィオナ、エリを頼むよ。」
「承知しました」
「エリ、またいつか」
僕は裏門から出る。
「兄さまっ!いかないで!兄さまっ!」
エリが泣きながら訴えている。だめだよ。エリの可愛い顔が台無しだよ。
あぁ、エリ。ごめん。本当にごめん。
許してくれるとは思わないけど、またいつか会いにいくから...
後ろで「だめです。エリナ様!行っては行きません!」と聞こえた。
最後の最後まで本当にありがとうフィオナ。
『いってらっしゃしませ。』と言ってくれて...
俺には帰る場所があると示してくれて。
俺は期待に応えたい。絶対に死ぬわけにはいかない。
でも、なんだろう。俺の心にあるこの黒く渦巻いているもの。
.......わかった。これは罪悪感でもなんでもない。【復讐心】だ。
頭では理解しているつもりなのに、心の奥底では憎んでいるんだ。
この世界を。女神アレヌ神を。俺を追放したあいつらを。
妹にあんな思いをさせた俺と父を。
自分自身さえも恨んでいる。
でも、さすがの俺でも大切な人たちには被害を出したくない。
エリやフィオナには被害をださない。あの神官さんにも。
でも、
強くなってあいつらに【復讐】してやる。
俺は俺に、あいつらを【復讐】すると誓った。
そして自分自身を変えると誓った。
絶対に【復讐】してやる.....
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家から、出てきたもののどこにいこうか。
まずは、アーロック家が管理している
アーロック領を抜け、隣の国へ行く必要がある。
たしかアーロック領の南に位置する森を超えれば、
別の領に最短距離でいけるはず。
だけど、最低でも1年はあの森に隠れていないとな。
神に見放された存在を女神教が黙っているはずがない。
1年間隠れ切ればさすがに死んだと思われるだろう。
よし、行き先が決まった。乗合馬車に乗って森に一番近い村に行くか。
俺は乗合馬車に乗った。ふぅ。なんとか乗ることができた。
さすがに、この年なら一人でいったも怪しまれなかった。
一応10歳は一つの区切りだし。
けど、探すのが疲れた。だいたいが、南ではなく
東や北などの大きな町に向かっていたからだ。
それに、最後の一人だったので、急いで馬車に向かったし。
ともかく、なんとか乗合馬車に乗ることに成功した。
馬車は10人乗りで、俺以外には4人家族と冒険者が3人。商人が1人。
あと、農民の男性が1人いた。
5人家族は、街に買い物に行った帰りで、
俺が向かっている村に住んでいるそうだ。
村の名前は、ザイン村だと教えてくれた。
冒険者の方は最近出来たゴブリンの巣を駆除するために村に向かってるらしい。
こっちの危険が少なるなるので、どんどん駆除していってほしい。
俺には職業やスキルがないから...何も出来ない。
ちなみに、貴族の家に生まれると、生まれつき同じ能力が全員ある。
それは、ステータスを見ること。
まぁ見ても、何も書いてないから、見る必要はないけど。
商人の人には、色々な話を聞いた。
特に大きな話はこの国の王位争いだった。
今、この国の王カイル・エーテルが退位するため
王太子と第2王子の王位争いが始まってきている。
ただ、争いは経済を回すので、商人たちはうはうはらしい。
さすがに、国民には被害を出さないようにしているようで、
生活には影響が出ていないと言っていた。
最後の農民の男性は、さっきの家族と同じで買い物帰りと言っていた。
あっ、そろそろザイン村に着きそうだ。
俺は、乗合馬車の御者にお金を払う。
よし、着いた。食料調達の時間だ。
領の辺境の村だったので身分証はいらなかった。
俺には身分証がないので、南を選んで正解だった。
村を回っていると唯一の肉屋があった。
俺は肉屋に入る。
「こんにちは。干し肉を買いに来ました。」
中には店主らしき人がいた。
「坊主、どれぐらいだ」
「えっと、一袋どれぐらいですか」
「小銅貨3枚だ」
この世界のお金は、
鉄貨→小銅貨→銅貨→小銀貨→銀貨→小金貨→金貨→白金貨
という感じで価値が上がる。
だいたい、10枚ごとに次の金貨1枚分だ。
「わかりました。3袋ください。」
「小銅貨8枚だ」
「えっ、一枚足りないですよ」
「いいんだよ。お前、訳ありだろ。何に巻き込まれたか知らんが。
まだ、小さいんだ。ちゃんと食べろ。」
ありがたい。お金を持ってきはしたけれど、
半年節約して生きるので精一杯なぐらいしか持ってきていない。
「ありがとうございます。それで、お願いします。」
「おうよ。頑張れよ。」
俺は肉屋からでる。
よし、食料も確保出来たし、あとはテントかな。
確か、村の端に鍛冶屋があったはずだし、そこで聞いてみよ。
「すみませーん。誰かいますか。」
「何のようだ」
「えっとテントがほしいんですけど」
「テント?そんなもの扱っているわけないじゃないか。
ここが扱っているのは武器だけだぞ。
テントは隣の店にあるはずだ。」
「ありがとうございます。あの、剣ってありますか。」
「あるぞ。ショートとロングどっちが好みだ?」
なんか髪の好みを聞かれている感じだけど、一応剣の話だ。
「短剣は持っているので、ロングでお願いします。」
「わかった。銅貨5枚だ。」
俺はお金を渡す。
「そこから一つなんでも選んでいいぞ」
店主が剣が置かれている場所をさす。
その中から俺は自分の体にあった剣を探す。
いい剣が見つかった。
「ありがとうございました」
「剣がかけてきたら修理にだせよ」
なんだかんだいい人だったな。
あと、店主さんが教えてくれた隣の店に行こうか。
こっちは生活用品を扱っている店らしい。
確かにこっちなら売ってそうだ。
というかなんで俺って、鍛冶屋にあると思っていたの。
まぁ、いい買い物出来たからいいけど。
俺は入口のドアを開ける。
「いらっしゃいませ。今日はどんな予定で。」
優しそうな顔のおじさんだ。
少し丁寧な言葉だな。こんな辺境の村でこんな丁寧に話す人っているのだろうか。
もしかして貴族にでも仕えてもいたのかな。
「差し出がましいと思うんですけど、
もしかして昔、貴族とかに仕えていましたか。」
「なぜ、そう思いで」
「なんか、丁寧語なので」
「えぇ、昔アーロック家に仕えておりました。
今はもう亡くなられてしまいましたが、私はアーロック家の先代に仕えておりました。」
こんなところで、俺の祖父と関係がある人がいるんだ。
「それで、今日はどんな予定で」
「えっと、テントを買いに来ました」
「テントなら、今この2つがありますよ」
一つのテントは一人で使うには大きい。
「えっと、小さい方でお願いします」
「承知しました。銀貨2枚です。」
俺はお金を払う。
「またいつでも、ご利用してくださいね。」
よし、森に行く準備が出来た。
食料も万全だし、武器も新しものを買った。
寝床もあるし、それじゃあ行きますか。
俺は森にむかって歩き始める。
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森が見えてきた。まずは一年この森で生き抜こう。
そうしないと、俺が死んだと思われない。最悪、行方不明でも。
この森は、比較的安全で魔物は主にゴブリンしかでない。
たまに、コボルトが出てくるけど。
あとはイノシシやネズミとかが住んでいる。
ただ、俺には職業もなくスキルもない。
どうにかしないと.....
考えても仕方ない。
多少は剣術も出来るし、ゴブリン程度の魔物なら逃げきれる。
とりあえず、今日の寝床探しだ。
この森を歩いていると、小型のイノシシ何頭かいた。
イノシシ程度なら倒せるので、食料として1匹ぐらい狩っておいた。
2匹も狩ると俺が食べれないし、まだ解体したこともないから
無駄にはしたくない。
歩いていると、ちょうどいい洞窟があった。
これなら、一人でいても狭すぎず広すぎない空間だ。
よし、ここに決めた。テントを張ろう。
俺はテントを張り終わり、イノシシを解体した。
このイノシシは今後の食料にするために、干し肉にする。
今日干し肉を買ったのは、今日の食料や狩りが出来なかった日のためだ。
まぁ、ご飯は毎食干し肉だか...
どうにかして、野菜などの食料を得れるようにしないとな。
とりあえず、1年間はこの森に隠れ続けることは確定として、
その後どうするかだな。
まぁ食料は幸いイノシシやネズミなどが入るからいいけど。
(というか今日は猪しか見ていない。)
お金も肉屋に売ればよさそうだ。
1年間ぐらい過ごし終えたら、隣の領に移動して冒険者登録をしよう。
今後もお金が必要だし、身分証も持っていて損はない。
問題はステータスだ。俺は全てが空白だ。
冒険者になるには、純粋な技術で補うしかない。
まぁ1年間もあるんだし、考えてもしょうがない。
俺は素振りをひたすらやった。
どれぐらいやったかというと、昼から夕方まで。
「はぁ、疲れた。もう夜か。そろそろ寝ないとな。」
俺は、今日かった肉の干物を食べ、寝る準備をする。
幸い洞窟周辺に生き物がいる気配がない。
だから、とりあえず今日は寝る!
色々、考えても仕方ない。
よし、寝るか。
俺は、今日初めで独りで寝た。いつもはエリがいたから。
それも、外の闇のなかで。
俺は絶対1年間生き延びる。そして、強くなってやる。
いつ連載版を投稿するかは未定です。
素人なりに小説を書いてみました。
アドバイスなどたくさんよろしくお願いします。
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