<第7話 はじめてのくえすと>
PCがフリーズしてしまい、投稿が遅れてしまいました。
次話も21時頃に投稿予定です。
「早速ではあるが、クエストを受けよう」
ギルドの片隅にある酒場のようなスペースの一角を陣取った俺と真帆は、注文もせずに席に着く。
店主と思わしき初老の男性がこちらを睨んでいるが、とりあえずスルーしておく。
「え、まだこの街に着いたばかりなのに?今日くらいは情報収集がてら街を散策して、ゆっくり休んでもいいんじゃない?」
「まぁ、それも一つの手段ではある。ただし、その場合は今日の宿は無いと思え」
「え、なんで?普通に泊まればいいんじゃない?予約が必要とか、そういうアレ?」
「いや、俺達のどこから宿代が出るんだよ……」
「えっ、私、普通に財布持ってるわよ。1万円くらいしかないけど……」
「……日本円が使えると思うか?」
「あ、そっか!両替……は出来るわけ無いしね……」
「まぁ、そう言うことだな。つまり、俺達は実質一文無しって訳だ」
あくまでも、馬車を降りてからギルドまでの道のりで見た限りでは、市場で流通しているのは紙幣ではなく硬貨のようであった。
恐らくは銅貨か何かだと思うので、財布の中に入っている十円玉なんかと交換して貰える可能性も無きにしも非ずではあるが、流石に望み薄だろう。
となれば、今日の宿代くらいはどうにか稼がなければならない。
俺一人であれば最悪は野宿も考えたが、流石にJKが一緒なので気が引ける。
「相部屋……は流石に我慢するとしても、一晩いくらくらいかかるのかしら……?」
「まぁ、その辺の相場はギルドの受付にでも聞けば分かるだろうよ。ともかく、どんな依頼なら受けられるか探してみよう」
「そうね。確か、二階にクエストボードってのがあって、そこに依頼が貼り出されてるんだっけ?」
「ああ。場所は、さっき魔法の鑑定をする時に確認してある」
クエスト。
それは、オーソドックスな魔物の討伐から、薬草の採取、護衛任務に、失せ物探し、迷い猫の捜索まで、その内容は多岐に渡る。
ようは、冒険者は金さえ払えば大抵の事はこなす、体のいい便利屋と言う訳だ。
依頼人は、ギルドに対して仲介手数料を支払うことで依頼を申請し、ギルドは冒険者との仲介の役割を担う。
依頼人としても、ギルドが仲介することで、直接冒険者に交渉することで生じるようなトラブルを回避出来るので、Win-Winの関係なのである。
「……無難なところで言うと、薬草採取、落し物の捜索、迷い猫探しとかか?」
「なんか、売れない探偵って感じね……」
「まぁ、冒険者って実質戦える便利屋みたいなもんだしな……」
「ていうか、私達ってこの世界の文字が読めないのに、どうやって依頼を探せばいいのかしら?」
「……その辺もまぁ、とりあえず受付に行けばどうにかなるだろ」
恐らく、この世界の識字率はそれ程高くない。
もしくは、種族によって言語が異なるのだろう。
そうでなければ、わざわざギルドが代読や代筆なんていうシステムを採用している理由が無い。
であれば、ギルドは俺達のような冒険者向けに、依頼の紹介をするような役割も担っている筈だ。
「すいません、俺達、文字が読めないんですが……」
「はい、かしこまりました。それでは、こちらでいくつか依頼をピックアップして紹介しますね」
「話が早い。とりあえず、今日の宿代を稼げるような依頼があればいいんですが……」
「見たところ、お二人でしょうか?そうであれば、最低ランクの宿に泊まるとして、大銅貨20枚といったところ……。失礼ですが、どの程度戦えますか?場合によっては、かなり無理をしないと今晩の宿は厳しいかもしれません……」
「ええと、鑑定したステータスはこんな感じですね……」
俺は二人分の冒険者カードを手渡す。
冒険者カードには、二つの特殊な魔法が組み込まれている。
一つはギルドに集約したデータを基にして冒険者等級を自動で更新する魔法、そしてもう一つが、持ち主が魔力を篭めることで、そのステータスを詳細に表示する機能。
つまりは、このカードがゲームで言うようなステータス画面の役割を果たしているのである。
「……なるほど。このステータスであれば、一つ上のEランクであっても問題ないレベルですね」
「とりあえず、日が暮れるまでには宿代を稼いでおきたいです。Fランクでも、そんな依頼はあるんでしょうか?」
恐らく、最下級のFランクで受けられる依頼は限られてくる。
予想ではあるが、採取系のクエストや、街での捜し物など、お使いの延長線にあるようなものが多いだろう。
そうなれば、自ずと報酬額も少なくなってしまう。
最悪の場合、真帆だけ宿に泊まらせて、俺は野宿をすることも頭に入れて置いた方が良いかもしれない。
「そもそもとして、Fランクには手っ取り早く稼げるような討伐依頼が少ないんです」
ギルド職員はそう前置きをする。
やはりそうか、と俺は思った。
これは、お使いクエストを2人で手分けして片付けていく作戦でも結構するべきだろうか。
「……なるほど。つまりは、今日だけで宿代を稼ぐのは難しいと?」
「いえ、通常であれば、という話です。お二人は魔法をお持ちのようですし、特にお連れ様のステータスが非常に優秀です。ですので、Fランクでも紹介できる討伐依頼が一つだけあります」
「……最下級でも受けられる依頼があるんですか?」
「ゴブリンの討伐とかかしら……?」
「いえ、ご紹介するのは、スライムの討伐依頼です」
受付嬢はそう言うと、一枚の紙を俺達の前に差し出した。
◆◆◆
今回俺達が紹介されたのは、ラビュアドネ下水道に生息するスライムの討伐依頼だ。
なんでも、スライム自体に害は無いのだが、増えすぎると水路を詰まらせる原因になるので、水道局から定期的に冒険者へ討伐依頼が入るのだと言う。
ちなみに、報酬金は青銅貨25枚。
最低ランクの宿屋であれば、2人で泊まってもお釣りが来る。
「それでは、こちらからお入りください」
そう言って、ギルド職員は金属製の蓋を持ち上げる。
蓋の先はラビュアドネの地下を巡る広大な上下水道に繋がっており、ここはその入口と言う訳だ。
今いる場所はギルドの裏手にある入口で、こうしたマンホールのような入口が、街の各所に遍在している。
「……ねぇ、スライムってどんな魔物なの?」
コツコツと足音が響く地下水道の中、真帆が俺にそう尋ねる。
「……まぁ、端的に言えばザコだな」
「ふぅん、ゴブリンよりも?」
「ああ、この世界のスライム自体に、戦闘能力は無いみたいだからな」
スライム。
それは、RPGであればどんな作品にでも出てくるような魔物だ。
基本的には殆ど戦闘能力が無いが、その分バリエーションに富んでいるイメージ。
そうした現世でのイメージはこちらでも共通のようで、この世界でのスライムは、最弱の魔物と呼ばれている。
流体状の体に核を持ち、その核を破壊することが出来れば、子どもや老人ですら討伐ができる。
もっとも、通常、スライムは下水道等の暗く湿気のある場所を好んで生息しており、冒険者や水道局員以外が出会うことは殆ど無いそうだが。
だが、その流体状の体というのが、非常に厄介な性質を持っている。
いくら切っても瞬時に再生するのだ。
更に、弾性に富んだ体はあらゆる武器を弾き返し、核を破壊することは物理的に不可能なのである。
だからこそ、水道局は、危険も戦闘力も無いスライムの討伐を、わざわざ冒険者に金を払ってまで依頼するのだ。
冒険者であれば、魔法を使うことができる者がいる。
前述したように、物理攻撃には無敵を誇るスライムではあるが、何故か魔法耐性が極端に低い。
そのため、一般的には、魔法によって露出させた核を破壊するのが定石なのだと言う。
「そう言えば、特殊な個体もいるんだっけ?」
「ああ。弱い代わりに、適応力が高いみたいだからな……」
スライムの多くが好むのは、前述したように下水道や洞窟などの、暗く湿った場所だ。
だが、様々な環境への高い適応能力を持つスライムは、森や海の中、毒の沼地に灼熱の火山地帯、果ては極寒の氷雪地帯まで、どこにでも生息している。
そうした過酷な環境に耐え抜いたスライムは、言わば特殊個体であり、時に高い戦闘能力や毒性を持つという。
「まぁ、下水道にいるようなスライムには、さっきも言ったように何も危険がない。水路を詰まらせて水道局員を困らせるくらいみたいだな……」
「へぇ……」
そんな相槌を打ちながら、真帆は石畳の通路を進んでいく。
地下水道の通路は、何らかの特殊な灯りで照らされており、進路に困ることは無かった。
恐らくは、何かしらの魔道具なのだろう。
「依頼の場所って、この辺じゃない?」
「ええと、そうだな。この先の通路で間違いない」
俺は依頼を受けた際に借り受けた、水道管理用の経路図を指で辿る。
真帆の言うように、この先が水路を詰まらせているスライムが目撃された場所のようだ。
俺としては、初のモンスター討伐になる。
ゴブリンの際は、真帆が全て1人で片付けてしまったからだ。
とは言え、今回も俺に出番は無いだろう。
何故なら、俺ではスライムの核を露出させられるような魔法を使えない。
流石に、ナメクジじゃあるまいし、俺が塩を掛けたところでどうにもならないだろうからな。
「……うん?」
俺は、何かに進路を阻まれた。
なんとも形容しがたい感触のそれは、確かに存在している。
だが、視界に映るのはこれまでと変わらない地下水道の景色だ。
そう、目の前に、見えない何かがある。
「どうしたの、急に止まって」
「……いや、目の前に見えない壁があるんだよ」
「はぁ?何言って……ほんとだ」
怪訝な顔をして俺の前に進み出た真帆も、同様に見えない何かに阻まれる。
そして、パントマイムのように目の前の何かを手で探り始めた。
「……なんか、ぶにぶにしてる?」
「ぶにぶに……まさか……」
俺の頭に、1つの可能性が浮かぶ。
「……真帆、【光源】を使ってくれ」
「……【光源】?良いけど、なんで?」
「とりあえず、目の前を照らしてくれ。俺の想像通りなら、それでこの見えない何かの正体が分かる筈だ」
「分かったわ。汝、我が行く道を指し示せ……【光源】!」
真帆によって召喚された光の精霊が宙に舞う。
ふわふわと宙を漂っていたそれは、天井付近まで浮き上がると、眩い光を放ち始めた。
「ああ、やっぱりそうか……」
精霊の光に照らされたそれは、不気味に蠢いていた。
通路を完全に塞ぐほどの巨体が、てらてらと妖しく光を反射している。
巨体の中心に埋め込まれたハンドボール程の球体は、肉厚な体によって守られているようだ。
「これ、もしかして……」
「ああ、恐らく、これが依頼のスライムだな……」
「こんなに大きいの……?」
「いや、普通のスライムは腕で抱えられるくらいの大きさしかない筈だ。多分、異常成長した個体だと思う……」
明らかな異常であることは、人目見て分かった。
ギルドや水道局側が想定していたのは、通常個体のスライムの討伐だろう。
恐らく、これ程の巨体が討伐対象だと分かっていれば、恐らくは最下級のFランク冒険者へ依頼はされなかった筈だ。
「これ、どうするの?こんなサイズ、倒せるの……?」
「……普通に考えれば無理だな。明らかにFランクの冒険者が相手にする個体じゃない。多分、もっと上の等級の冒険者が討伐するようなそれだ」
「……じゃあ、諦めて帰るしかないってこと?」
真帆が、不安そうな様子で俺を見た。
どう思っているのかは分からない。
だが、異世界という右も左も分からない状況で、殆ど知らない俺しか頼る相手もいない。
その上、この依頼が失敗すれば宿すら無いのだ。
不安になるのも仕方ないことだろう。
「……いや、俺に一つ作戦がある」
ややあって、俺はそう告げる。
真帆の顔が少し晴れたような気がした。
「作戦って?」
「まぁ、作戦も何も、ゴリ押しなんだが……」
俺が考えたのはこうだ。
武器が通るはずも無い巨体のスライム。
では、どうやって核を破壊すれば良いか。
答えは単純で、その巨体であってもカバーできないだけの火力をぶつければ良いのだ。
「スライムの体の主成分は、恐らく水に近いものだと思う」
「……それで?」
「つまりは、その巨体を構成する水を何らかの手段で減らせば良いんだ」
「でも、どうやって?」
「そこは真帆、お前の出番だ」
「私の……?」
水の体積を減らすにはどうすれば良いか。
答えは単純明快だ。
「お前の【火球】で、スライムを構成する水分を蒸発させれば良い」
「でも、【火球】は初級魔法よ?その火力で、あの大きな体を蒸発させられるかしら……」
「普通に【火球】を放つだけでは、土台無理な話だな。なら、魔法の威力を上げる為にどうすればいいと思う?」
「一つはステータスの知力を上げること。そしてもう一つは……そっか!」
「そう言うことだ。【魔力減衰】にはならないだけの魔力を篭めた、全力の【火球】を撃てば良い。普通のFランク冒険者なら無理かもしれないが、真帆のステータスがあれば、多分あのスライムにも太刀打ちできるだけの魔法になる筈だ」
「分かったわ。ちょっと、調整してみる……」
そう言って、真帆は目を閉じた。
真帆の身体を巡る魔力が、前方に向けられた手の平へと集約されていく。
「……炎熱の化身たる炎の精よ、我が魔力を糧に力を!」
詠唱によって集約された魔力は炎を形作り、次第にその温度を上げる。
赤から青へと変化した火球は、大きさも増していった。
そして、青い炎の塊は、俺達の目の前で、1メートル程にまで膨れ上がっていく。
「……【火球】!」
ぼう、と音を立てて、巨大な火球がスライム目掛けて放たれる。
勢いよく放たれた火球は、そのままの勢いでスライムの巨体へと着弾した。
じゅっ、と水が蒸発するような音が聞こえる。
スライムが大きくその身体をよじらせた。
どうやら、効果はあるようだ。
だが……。
(計算違いか?火力が足りてない……?)
放たれた【火球】は、確かに、少しずつではあるが、スライムの体を蒸発させていってはいる。
だが、その量は微々たるもので、スライムを構成する水分量の膨大さに、やや押し負けているように見えた。
「……もう1発、撃ち込んだ方がいいのかしら」
真帆がそんな声を上げた時だった。
じゅうじゅうと音を立て、スライムの体をと拮抗していた火球が、その体内へと飲み込まれた。
やはり無理だったのだろうかと、諦めたその時だった。
ふつふつと水が沸騰するような音が聞こえる。
ふと、音のした方を見ると、体内に飲まれた火球は消えておらず、未だ体内でその炎を揺らしていた。
ぐつぐつと煮えたぎっていくスライムの体液が、行き場を失ったかのように膨れ上がっていく。
沸騰した体液は、今にもスライムの外皮を突き破らんとばかりの勢いだ。
ふと、考える。
かなりの高音である火球が、スライムの体液と言う名の水の温度を急激に上げる。
だが、通常であれば蒸気となって逃げていく筈のエネルギーは、外皮によって押し止められ、溜め込まれていく。
では、超高温の物体と多量の水がぶつかった際に、何が起きるのか。
溜め込まれているエネルギーはどうなるのか。
答えは明白だった。
「……まずい、真帆!伏せろッ!」
―――ドン
轟音と共に、高温の蒸気と爆風が俺達を襲う。
爆発の寸前に気づいた俺は、真帆を庇うように、押し倒して覆い被さるのが精一杯だった。
「……ってて。大丈夫か、真帆?」
「え、えぇ……?何が起こったの……?」
「水蒸気爆発ってやつだな……」
超高温の物体に、大量の水をぶつけるとどうなるのか。
瞬間的に熱された水は水蒸気となり、体積が大幅に増大する。
そして、増大した水蒸気はエネルギーとなって発散され、それが先程のように爆発を引き起こすのだ。
熱したフライパンの上に、水滴を垂らした時のあの現象の規模を大きくしたものだと言えば分かりやすいだろうか。
ともかく、真帆の【火球】によって熱されたスライムの体液が蒸発し、水蒸気爆発を引き起こしたのだ。
すぐに爆発を引き起こさなかったのは、スライムが外皮で覆われていたからだろう。
だが、スライムの内部でエネルギーだけが蓄積されていき、最終的には外皮が耐えられずに爆散した。
「まぁ、ともかく……」
「うん、依頼達成ね!」
そう、形はどうあれ、俺達は巨大スライムの討伐に成功したのだ。
爆発に関しては想定外だったが、幸いにも目に見えた怪我は、俺にも真帆にも無いようだ。
軽い火傷くらいはしたかもしれないが、その程度のものである。
「……うん?あれ、なんだろ?」
真帆が指差す方に目を向けると、何か丸い物が転がっているのが見えた。
「これ、あのスライムの核じゃないか?」
青いハンドボール大のそれは、確かにスライムの中心にあった核のようだ。
あの爆発で核も吹き飛んだものかと思ったが、どうやら残っていたらしい。
というか、核を潰さなくてもスライムの討伐はできるんだな。
まぁ、スライムの体液だけ蒸発させるなんてこと、他の冒険者は面倒で試さないというのが本当のところなのかもしれないが。
「とりあえず、これは持って帰ろう」
「え、なんかコレクションとかするの?戦利品みたいな?」
「……いや、そうじゃなくて。これを見せれば、ギルドに俺達が倒したスライムの大きさが分かるだろ?等級に合わない仕事をしたんだから、報酬金の加算くらい貰えるだろうし」
「なんか、がめつい気もするけど、私達一文無しだもんね……」
「そういうことだな。とりあえず、これ持ってさっさと帰ろうぜ。おっさんは疲れたよ……」
「ええ……塩谷さんは何もしてないでしょ……」
「うるせえな。三十路が近づいてくると、生きてるだけで疲れるんだよ……」
「なんか、あんまり聞きたくない話ね……」
「お前もいつかそうなるさ……」
何となく哀愁に駆られながら、俺は真帆を先導して石畳の通路を引き返していく。
初のクエストだったが、ここでもまた俺は約立たずで終わってしまった。
恐らく、先程の魔法を見ても、今の時点でのステータス差を考えても、この先、真帆に戦闘面で追いつけることは無いと言っても良いだろう。
人には向き不向きがある。
なんて言われたのは、高校時代の部活でレギュラー落ちした時だっただろうか。
何にしても、俺は恐らく真正面から戦っていくようなスタイルは向いていないタイプだと思う。
何の変哲もないステータスに、使い道が皆無とも言えるような地味な魔法。
手札はそれだけ。
だが、やりようはある筈だ。
俺も、せっかく異世界に来たのだから、冒険者として活躍したいという想いはある。
だからこそ、足掻いて、足掻いて、使えるものは全て使って、勇者となる真帆の隣に立てるだけの力を付けてやろうじゃないか。
(どんな手を使ってでも……なんてな……)
先を行く真帆の背中を眺めながら、俺はふとそんな事を考えていたのだった。
本日の収入、青銅貨25枚。
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よろしくお願いします。