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異世界医療~転生した医師は異世界を救う~  作者: 天宮龍星
第1章 エルフの森
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Karte2-9 ドナーの打診

「身体の内臓の一部を切り取ってリーフィア様に与える!?」


その日、俺達は村に住むエルフ達を集め、リーフィアの治療には肝臓を移植するのが必要だと話した。

日本でさえ臓器提供の率は低いのに外科治療の概念が無いアースラで通用するのか不安要素しかないが、リーフィアを治すには生体肝移植しか道が無かったので正直に話した。そして


「お願いします!皆さんの力を貸してください!」

と勢い良く頭を下げた。

これも実は師匠からの教えだ。

「医者は何事にも謙虚、誠実であれ。医師である誇りは捨ててはならないが自分中心のプライドなど捨て去れ」

医者の中には傲慢な医者も悲しい事だが存在する。看護師を下に見たり挙句の果てには患者を蔑視する輩も居る。

そんな輩の顛末は部下から見限られたり足をすくわれるのが殆どだ。

師匠はそんな医者を何人も見てきただけに、後進の育成の際にはその事を口酸っぱく言っており、俺や楓さんも例に漏れずその事を信念に医師として働いている。

俺達は改めて村に住む人達に頭を下げ協力を促した。

すると、村人の1人が口を開いた。


「内臓の一部を切り取って、私達が死ぬ事は無いんですか?」


その問いに俺は


「処置を確実に行うため、死ぬ事はありません。いや、死なせません!」

俺はそう強く断言した。質問した村人は続けて



「リーフィア様は、本当に助かるのですか?」



「絶対に助けます!」

俺は更に声を上げて断言しリーフィアを必ず助ける事を宣言した。




暫しの沈黙が辺りを包んだ。内心ダメかもしれないと思っていた矢先



村人達が俺たちに向かい



「よろしくお願いします!リーフィア様を、助けて下さい!」


と頭を下げてきたのだ。驚いたのも束の間



「リーフィア様が日に日に弱っていく姿は、もう見たくありません。私達が協力して治るのであれば、聞いた事のない手段なので恐怖はありますが、協力させて下さい!」



「リーフィア様には、また一緒に狩りに出て共に生きていきたいんです!お願いします!」



と、村の皆が協力を申し出てくれたのだ。



「皆さん、ありがとうございます!では、大人の方のみ検査を受けてもらいます。まだ幼い子達はリーフィアの治癒をお祈りしててね。」


俺はそう言うと、アスクレピオスに目配せして協力してくれたエルフたちを検査室に案内して行った。


その後、適応者が見つかり無事手術の日程が決まったのであった。

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