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異世界医療~転生した医師は異世界を救う~  作者: 天宮龍星
第1章 エルフの森
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Karte2-6 病気判明と治療

リーフィアを検査室に連れて行き、まずは聴診器で心音を聴くことにした。

聴診器を耳にかけた時、リーファが


「先生、それは?」

と聞いてきた時は流石に驚いた。

聞くより体験した方が早いと感じた俺は聴診器をリーファにかけ、リーフィアの心音を聴かせた。

終始驚きを隠せなかったリーファだがそれに、リーフィアも聴診器に興味津々だった。


「んじゃまずは心音聴くよ。」

改めて俺はリーフィアの心音を聴いた。

やはりと言うべきか、心音の脈動音が一定では無く、弱々しい印象を受けた。


「やっぱり、心音に異変あるな。アスクレピオス、エコーやろう」


「分かりました。リーフィア、こちらのベッドに横になって貰えますか?」


アスクレピオスはリーフィアを手招きしてベッドに寝かせた。

そして、エコー検査機を取り出し手早く準備を始めた。

俺はアスクレピオスに

「この診療所ってMRIあるか?」

と聞くと、アスクレピオスは

「勿論有りますよ。」

と答えた。

心臓の病気を検査するには

胸部X線検査、心電図検査、心エコー検査と最近では心臓のMRI検査も必要性が増してきた。

その為俺は、アスクレピオスにMRIの有無を確認したのだ。


「ナイス、じゃあ検査頼む。」


「分かりました。リーフィア、冷たいですけど我慢してくださいねー。」

アスクレピオスはそう言うと手早くリーフィアの胸に検査用ジェルを塗り、検査機をリーフィアの胸に当てた。その冷たさに驚いたリーフィアだが、検査機の液晶に映し出された映像を見るとそれに目を奪われた。


「アスクレピオス様、これは?」


「貴女の身体の内部をこの機械を通して見てるんです。異常があれば直ぐに分かりますよ。じゃあ、修哉さん、リーフィアには一通り検査で良いですか?」


「だな。心臓のMRIと心電図も撮っといて。」


「分かりました。終わり次第データをパソコンに送っておきますね。」


「了解。リーファ達も検査同行してきたら?色々と見れるよ。それに、リーファには最初はアスクレピオスの手助けをしてもらう必要あるから色々と技盗んどきな。」


「分かりました。」

そう言って俺以外のメンバーはアスクレピオスに同行することにした。


1時間半後


「修哉さん、検査終わりましたよ……ってどうしたんですか?」

アスクレピオスが診察室で子を持つ親御さんからの相談を受けていた俺に声を掛けてきた。


「ん?ああ、子供が熱出したりした時の対処法教えて欲しい言われたから教えてた。」


風邪などを引いた時に起きる身体の防衛行動で発熱がある。

高過ぎる(40度超)は緊急事態だがかと言って熱出たからすぐに解熱剤を使う等は医師として薦めない。

その発熱によって身体がウイルスと戦い、守るからだ。

その為俺は必ず熱が出た子供を診療する時は親御さんに

「安静・栄養・保温」の三原則を教えてる。

その事を親御さん達に教えてたのだ。

そんな感じの講義を終えて親御さん達を帰した俺は、アスクレピオスからリーフィアの検査結果がパソコンにあると言われたので、カルテを開いて結果の観察を始めた。


「ふむ……」


「修哉さん。やはりこの結果は……」


「間違いなさそうだ。リーフィア呼んでくれ。説明する」


そう言って俺は、病室で休んでいるリーフィアをアスクレピオスに呼びに行ってもらった。


5分後、リーフィアが診察室に入って来た。


「先生。どうなんでしょうか?治るんですか?私の病は」

リーフィアがやたら不安な顔で話しかけて来たので俺は


「単刀直入に言おう。リーフィア、貴女の病は俺が危惧してた病で間違いない。病名は(拡張型心筋症)だ。」


そう告げて俺は病気の説明をした。

しかし、今回は心臓だけの話では無かった。

血液循環機能の低下に伴い、肝機能がやられていたのだ。俺はリーフィアに対し


「相当な大手術になるのは間違いないな。だけど、心臓も肝臓も俺が治すよ。心配いらんって。」

不安な顔をしていたリーフィアに笑顔で話し、ポムっと頭を撫でた。

そして


「早速だが、今日から投薬治療を行う。その後タイミングを見計らって手術だな。リーファ、彼女を病室に連れてってくれ。」


「分かりました。リーフィア様、こちらへ」


「先生、よろしくお願いします。」


リーフィアはそう言って俺にお辞儀をし、リーファに連れられて行った。

リーフィア達が出た後ら俺とアスクレピオスはリーフィアの病状を詳しく見た。


「拡張型心筋症は覚悟してたが、肝硬変まで起こしてたとはな……心臓はバチスタかオーバーラッピングで行けるだろうけど、肝臓は間違いなく生体肝移植だぞ。」


「ですね。思ったより深刻です。でも、心移植まで行かないのはせめてもの救いですかね。肝臓は他のエルフに声掛けて検査受けて適合できるか調べてみますよ。」


「だな。心移植までになったら下手するとリーフィアの体力も臓器ももたないだろう。とりあえず、肝臓の件は頼んだ。」

俺達はそんな会話をし、これからの診療スケジュールを立てていくのであった。

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