表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界医療~転生した医師は異世界を救う~  作者: 天宮龍星
第1章 エルフの森
11/25

Karte2-2 女神の本領

カルテを作り終え、睡眠をとった翌日。

俺の目には有り得ない光景が映っていた。今日は、昨日オペをしたリーファの傷などの診察をしようと部屋に向かっていた。

病室の扉をノックし「リーファ、診察に来たよ」と問いかけた。しかし、応答がない。


「寝てるのか?開けるよー」

俺は失礼じゃないか心配しつつも、病室のドアを開けた。

すると、昨日までベッドに寝てたはずのリーファの姿がない。

昨日オペしたばかりで歩くのなんて不可能のはず。


「リーファ!?どこいった!?」

俺は焦りからか声を荒らげた。すると


「修哉先生?どうしたんです?」

と後ろから声を掛けられた。

リーファだ。


俺は脱力し


「リーファー。心配したよ。何か事件とかにでも巻き込まれてないか心配だったよー。」


と話すと、リーファは申し訳なさそうに


「すみません……お手洗いの場所をアスクレピオス様に聞いてまして……」

と言った。

安心した俺だがここで、圧倒的な違和感を覚えた。


「ん?リーファ。昨日、オペしたばかりで動けるはずなんて無いんだけど……歩き方も普通だし……」

俺はそう聞いた。昨日は鎖骨下静脈の縫合と大腿骨復元術をやったばかりだ。大腿骨はボルトで復元したが、くっつくまでは絶対安静でその間歩くと痛みが走り普通の歩き方はまず出来ないはずだった。

なのに、リーファは至って普通の歩き方をしていた。どう見たって不自然すぎる。

その問いにリーファは

「それが、私にも分からないんですが……見てもらっていいですか?」

そう言うと、リーファは入院着を少し緩め昨日手術した、鎖骨下静脈の縫合した所を見せてくれた。


「ん?え!?はあ!?傷が……ない……」

俺は目を疑った。あれだけバックリ裂けてた皮膚が一晩で、しかも抜糸して無いのに縫合糸も無いのだ。

「てことは、まさか……リーファ。ちょっと来てもらって良い?」

俺はそう言ってリーファをレントゲン室に連れてった。

途中でアスクレピオスに会ったので一緒に行き、アスクレピオスに撮影をして貰った。

勿論、知らない機械の前にリーファは驚きっぱなしだ。


「修哉さん、はいこれ。」

アスクレピオスは撮影した足のレントゲン写真を見せてくれた。


「な……なん、だと……大腿骨が完全に治ってる……それだけじゃない!埋め込んだボルトの影がない!!」

昨日オペしたばかり、ましてや大腿骨だ。翌日治るはずは万に一つもありえない。

しかし、目の前の写真は完璧に治った大腿骨そのものだ。


「ああ、それならこの診療所の効果だと思いますよ」

アスクレピオスはサラッと言った。

続けて


「私の神器である、診療所。これは正しい治療を受けた者を即日完治させる能力を持っています。修哉さんが手術した内容が完璧であればある程、その効果は絶大になります。」

アスクレピオスはさも当たり前のようにとんでもない事を言い放った。


「人体に影響無いの?そんな回復速度負担になるだろ?」

俺がそう聞くと


「特に悪影響も代償も必要無いですよ。修哉さんがちゃんと治せば診療所は応えてくれますし」

とアスクレピオスは教えてくれた。

そんな会話を俺達がしている中、1人リーファは

「す、凄い……アスクレピオス様に会えただけでも凄いのに更に神器のお力まで貸していただけるなんて……」

と感涙しているのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ