~導入~紛争地域と異世界転生
硝煙の臭い立ち込める、とある紛争地域。
俺、桐崎修哉は紛争地域で怪我をした子供達を治療する為、医療チーム「ナイチンゲール」に所属している。
今日の担当エリアは、まさに紛争の最前線に近い所。街中の至る所で銃撃、爆撃の音が響き渡る。
俺は、そんな凄惨な現場を掻い潜り子供達が避難してるシェルターに駆け込んだ。
シェルターの中は子供や大人がひしめき合い、至る所で流れ弾や飛んできた破片で怪我をした子供の泣き声が聞こえていた。
さながら地獄の様相を呈したその場で俺は、師匠からの教え「お前が不安な顔すれば、患者はもっと不安になる。笑え」を忠実に守り、現地語で
「大丈夫だよー!助けに来たから!」と笑顔で皆に言った。
少し落ち着いたところを見計らって特にケガの状態が酷い人から順番に治療していった。
その後、仲間達も応援に駆けつけてくれてそのシェルターでの怪我人の治療は一先ず完了することが出来た。
思わず「ふぅ」と一息ついた俺だったが、治療を受けた女性が何やら慌ててる様子だ。
事情を聞くと、娘がシェルターに居ないらしい。
「探してくる!」と俺はシェルターを飛び出し、その母親の娘さんを探しに走った。
幸いにも、娘さんは別のシェルターに避難してたので無事だった。
娘さんを連れ、母親の待つシェルターに向かっている途中、すぐ隣の路地でけたたましい銃声が聞こえた。
マズいと思った俺は全力で娘さんを抱えて走った。
その刹那、脇腹に激痛が走る。
流れ弾が当たったのだ。
突然の激痛に思わず足を止める俺、しかし、何とか気力でその場を切り抜け母親に無事、娘さんを渡す事が出来た。
安心した瞬間、俺の視界は突如暗転しその場に倒れた。
予想以上に出血していたようだった。
薄れ行く意識の中で、仲間達が必死に呼びかける。ある仲間は傷口を抑え止血を試み、ある仲間は気力を奮い立たせようと、俺の手を握り励ましてくれていた様だ。
そんな中、俺の瞼は力なく閉じ短い生涯を終えたのであった。
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