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第15話 異世界技術

「布をかけて終わりです」


腐葉土の温床を作り、布をかけ蓋をする。


「こうしていると温度が上がってきますので、たまに布をひっくり返しに来てください」


温度が上がりすぎないように指示をだす。


「これはどれくらいやればいいんだ?」


「大体三か月ぐらいぐらいだと思います。そこは様子を見てみましょう! 土みたいになるので、そうなったら出来上がりです」


「そうか。そんなに大変でもなさそうだしこれで畑がよくなるなら儲けもんだな!」


「はい! それぐらいの心構えでいいと思います」


ひとまず土の対策はこれぐらいにして次のところへ向かう。


「マーサさん餌を見せてもらえますか?」


マーサさんは、恰幅のいい女性だ。


「これがいつも使ってる餌だよ」


「牧草ですか」


「ああ。これで家畜を育てているよ」


「豚も鶏も?」


「そうだよ」


「トウモロコシはありますか?」


「あるよ」


「鶏にはそれを与えてください」


「わかった」


マーサさんは素直に頷く。


「オレガノ、ジンジャー、シナモン、ナツメグとかはありますか?」


俺はネットで調べた知識をフル活用して餌の改良に取り組む。


「それは商人に頼まないと集められないね」


「わかりました。では豚の餌もトウモロコシと牧草でお願いします」


「了解した」


とりあえず異世界と地球で食べ物が共通していることに安心した。


「翻訳勝手にされてるのかな?」


ここまで日本語を使ってきたが、ちゃんと全て通じている。

魔族が特別なのか、この世界が特別なのか、日本語が共通語なのか分からなかった。


「あとで聞いてみよう」


先ほどだした指示で食料事情などは解決すると思っている、次は。


「水か」


俺は事務作業をしている村長の家に向かった。



「これをフォーマットに管理簿を作るので各自作成に取り掛かってください」


俺が部屋に入ると、そこには日本ではよく見慣れたパソコンが稼働していた。


「リーシャさんこれは?」


「あ、野村さん! どうかしましたか?」


「少し聞きたい事があったんですが……」


「大丈夫ですよ。このパソコンですか? 実は魔王軍の幹部の方が作ったんですよ?」


「へ~。異世界にもパソコンがあるとは思いませんでした」


「地球から頑張って資料を集めたんですよ?」


「それを再現したんですか?」


「はい! ただほとんどのものは失敗で、唯一その幹部の方が成功させたのみですが」


「凄いですね、食の革命とか起きそうですね」


「それがとっても難しいんですよ」


「難しい?」


「地球からものは持ってこれないじゃないですか?」


「あ! なるほど!」


つまり、地球の技術は口伝えでしか行えないのだ。


「実はそれだけじゃないんですよ?」


他にも障壁となるものがあるようだった。


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