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第14話 土作り

「おお! もうできたんですか!」


「ああ、簡単なものならすぐ作れるぞ」


俺は村の少しはずれで作業を頼んでいたグループに合流する。

ここにはまず、板で枠を作ってもらいスペースを確保した。

蓋や床も雨をしのげるように作ってもらう。


落ち葉と米ぬかを用意してもらい、この中に入れる。


「兄ちゃんこれは何なんだ?」


「これは腐葉土といいます」


水もかけよくかき混ぜる。


「腐葉土?」


「この村の畑をみましたが、土地の広さのわりにあまり育ちがよくないですよね?」


「ああ、ここは土精霊の恵みが少ない場所だからな」


この世界には精霊がおり、それぞれ自然の恩恵を与えてくれるということらしい。


「土精霊がいない原因はわかりますか?」


「原因? あいつらは気まぐれだ、自分の気に入った土地にしかすまねぇよ」


「なるほど。では土精霊が気に入る土地とは何でしょうか?」


「ん? そんなことわかるわけないだろ? 土精霊がいれば畑が潤うそれだけだろ?」


「俺は違うと思っています」


「どういうことだ?」


「これは異世界での知識なのですが、俺の世界でも畑で食物を育てます」


「お前らの世界も一緒なのか?」


「いえ、俺たちの世界に精霊はいません。いたとしても認知されていないです」


「精霊がいない? それだと育たないんじゃないか?」


「この村の畑を見てください。精霊がいなくても育っているでしょう?」


「そういわれればそうだが、育ちは悪いぞ?」


「これは俺の予想ですが、土精霊がいる土地が潤うんじゃなくて、潤っている土地に土精霊が集まっているんじゃないですか?」


「何? それだとこの土地に土精霊は一生こねぇじゃねぇか!」


「そうですね。しかし! 俺の世界では土精霊がいなくても食物は豊かに育ちます」


「異世界の技術ってやつか?」


「まぁそんなところですが、考えの違いもあります」


「違い?」


「ええ、俺たちの世界で大切なのは土です!」


「土? それこそどうしようもねぇじゃねぇか!」


話を聞けば聞くほど、無理だと感じているようだ。

この世界ので科学が発達していないのもあるだろうが、一番は精霊のせいにしてきたからだろう。


「それができるんです! 作物がよく育つようにするのがこれです!」


「お前が集めさせた落ち葉か?」


「はい! 土にとっての回復ポーションとでも思って下さい」


この世界には回復ポーションがあって、簡単なケガを治してしまうしぐれものだ。


「弱っている土を回復させます」


「う~ん」


「デイルさん! この村では初めての試みなので、成功するかまずは試してみましょう!」


「そうだな。まずは試してみるか」



デイブさんの弟であるデイルさんが頑固じゃなくて助かった。


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