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第2話



「今日も今日とて暇だなあ」

「そりゃあ文芸部って言っても2人しか居ないからね」



そう言って目の前の男はニコッと笑う。

いけ好かない奴だが唯一の友であり、数少ない部員である。



名前は薬院涼太。

親同士が昔から仲良かったこともあって、物心ついた時にはもう隣にこいつがいた。



「それにしてもよくこんな部に入ってくれたよなぁ」



「そりゃあ僕と樹はいつでもセットだからね。そっちこそ、どうして文芸部に入部したんだい?」



「したっつーか…させられたんだよ。」



高校に入学したばかりの頃―

運悪く涼太と違うクラスになってしまった俺は次の授業が移動教室であることをすっかり忘れていて、全力で廊下を走っていた。

そしてこれまた運悪く教室から出てきた先生とぶつかってしまったのだ。



「いった~いっ!」



「す、すみません!」



やばいな、入学早々問題児扱いはごめんだぞ。

謝り倒せばなんとかいけるか?そう思ってた俺が馬鹿だった。



「私を押し倒して乱暴するつもりでしょ!エロ同人みたいに!」



と。まぁ、あらぬ疑いをかけられたわけだ。



「なんでもしますから勘弁してくださいっ!」

「…なんでも…?」



こうして俺は廃部寸前だった文芸部に入ることになったというわけだ。



「なるほどね、君の事情はわかったよ。でも…」



涼太が何か言いかけると同時にノック音が鳴る。



「入るぞ。」



入ってきたのは女子生徒3人。

「あ、奈多君と薬院君だ~」

「やあ。どうしたんだい?」



「この荷物を”使ってない空き教室”に運べってさ」



「めちゃくちゃ使ってるわ!!」

「そんなこと私らに言われても…」



じろりと青葉を見る。

青葉も文芸部の部員なのである。故に知らないはずがないのだ。



「い、いやー私もさっき気づいてさ!あっはは」



まぁ、部員数の割に広い部屋だから構わないのだが

こいつは何でこんなにアホなのだろうか。



「あ、今絶対失礼なこと思ったでしょ!」



「なっちゃんと奈多君仲良いんだねぇ」

「部活中でもいつも2人はこんな感じさ」



なんでいつの間に涼太は西戸崎と仲良く談笑してるんだよ。羨ましい。



「用事は済んだから。私らは帰るな」

「気をつけてなー」



「ねえねえ、涼太くん喉乾いたー」

「お前も帰れ」

「酷いっ」



私も部員なのにと頬を膨らませる。プンスカと言った擬音がとても良く似合うな。



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