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作者: とーな

 冬が過ぎ、暖かくなり始めた4月。

 高校2年生になった高坂こうさか法子ほうこは、学校への道をゆっくりと歩いていた。


 黒い髪は肩まで伸ばし、前髪は眉毛の上で切りそろえてある。白のワイシャツ、その上には紺のカーディガン、スカートも紺色で縦に青、横に赤色の細い線が間隔を開けて入っている。

 法子は、普通の高校生だ。

 勉強もしっかりと出来て、運動も部活動をしている生徒には敵わないが、そうでない生徒よりは動けているだろう。容姿もモデルほどではないが、可愛らしい、と言える。童顔、大きな目、笑った時に出来るえくぼ。性格も明るく、真面目。

 これはこれで、一種の恩恵おんけいではないかと。普通とは幸せである。


 法子は今日、ある友人と約束をしていた。

 昨日の夜、親友の伊藤いとう詩織しおりから一通のメールが送られてきた。

 その内容は、明日の放課後に屋上に来て欲しい、話がある。というもの。


 詩織とは、小学校の頃からの仲である。

 同じアニメを見ている。

 当時、女子の間で流行った魔女っ子アニメ。それを見ていて話がはずみ、互いの家に遊びに行くようになると、親同士も仲良くなり、ますます一緒にいる時間も増えた。それは高校生になっても変わっていなかった。

 

 法子は、分かった、とメールを返しベッドに潜り込んだ。けれど、法子はしばらく眠りにつけなかった。それは、これまで詩織が改まって、話がしたい、なんて言ったことは無かったからだ。

 なんだろう、恋でもしたのだろうか。

 私たちは10代の思春期真っ盛り。青春を謳歌おうか出来る私たちは多くの出来事に興味や、関心を抱き、恋をする。そうした甘く酸っぱいもの前に、人は子供のように、楽しみ、悲しみ、笑い、泣くのだ。

 きっと、詩織もそうなのだろう。

 しかし、それを今聞くのもなんだか違う気がして。明日、聞けばわかると、結局はそのまま寝ることにした。

 

 そして学校が終わり、屋上へ向かうと、まだ誰もいなかった。

 どうやら法子のクラスの方が先に帰りの挨拶を終えたようだ。

 そのまま、柵から校庭を見下ろして待っていると、数分と経たずに屋上の扉が開かれ、待ち人がやってきた。

 詩織は待たせたことをびて、法子の隣に来る。

 法子は詩織に、何の話か?と聞くと、詩織は顔を赤くして空を見上げ、小さく呟いた。

 その呟きに、あまり驚きはしなかった。

 昨日の夜、考えていた通りの事。

 詩織は恋をしていた。

 少女は、その人のことをかっこいいと言った。自分を持っていて、夢のために進んで、周りを見ていて、その変化に気付けて、前に向かって進んで行っている、だろうと思える。

 そんなところがかっこいいと言った。好きだと言った。

 しかし、少女はどうしたらいいのか分からなかった。

 するとこう言った。

 思うとおりの事をすればいい、と。

 体が熱くなり、胸が高鳴る。

 

 その二人は、・・・した。


 今は、幸せだろうか。

 したいことを出来ているだろうか。

 何もしなくても、時は過ぎてく。

 言いたいことは言わなきゃ伝わらない。

 後では遅い事がたくさんある。

 

 でも結局どうなるかは、後にならなきゃ分からない。


 みんなは、どう、過ごしてる?

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