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ふたりきり  作者: 欠乏症
1/3

みつけた

べちゃっ…


べちゃっ…


べちゃっ…


昼間は青々と繁っていた草木たちは丑の刻を越えると同時に赤黒く染まった。


べちゃっ…


べちゃっ…


べちゃっ…


その道を真っ直ぐに進む1つの影。


べちゃっ…


べちゃっ…


べちゃっ…


『あ…ぁあ……た…けて…ぇ』


べちゃっ…


……


小さな声が聞こえると影が止まった。


『…あぁ…たす……てく……、こど…がまっ……るん……がはっ!ごほっ!…ぁ…』


……


……


影が立ち止まり見た先には腰から下を失ったひとりの男。


紅く光る片目は男を見ているようで見ていない。


いや、正確に言えば男の事など眼中にない。


影が目を止めたのは男の後ろにいる心の臓を失くした童。


『た…けて。……おれ……だ死に……ない…。』


男の声は段々と細くなっていく。


童に近づくために影は動く。


『がっ…!?あ…ぁぁ…いや……だ!や…めて…く…あ…がぁああああぁぁ…あああ…ぁぁぁぁぁ……………。』


男は潰され、影に取り込まれた。


残ったものは男が着ていた衣服と赤黒い液体。


べちゃっ…


べちゃっ…


べちゃっ…


規則正しい音を鳴らしながら童に近づく影は何故か嬉々としていた。


べちゃっ…


べちゃっ…


べちゃっ…


……


……


じぃー…と影が見つめる中心の臓を失くした童は動かない。


それは正しい。


人間というものは心の臓を失くせばこの世にとどまる事はできずにあの世へ逝くものだ。


だから、影の前にいる童が動かない事は正しいのだ。


しかし、影は童が動き出すのを今か今かと待ちわびているようで。


御天道様が顔をだし、新しい1日を告げ始めると影は唄を唄い始めた。


“はなは さいて ちってゆき”


“みどりは かれて おちてゆく”


“あかと き いつしか しろに なり”


“しろは ふまれて くろに なる”



“おさなご そだてば こ になって”


“こは そとへと かけまわる”


“ひるは あかるく よる くらく”


“さぁさ ねんね と ねかされる”



“としを とれば めがさめて”


“おてんとさま と おきてくる”


“とりの なくこえ きこえたら”


“あれよ これよ と おなじひび”



“うごけぬ あさが きた ひには”


“このよが あのよ で かわりなく”


“あのよは このよ と かわらずに”


“さぁさ みてると そら わらう”



唄い終ったのか影はそれ以上なにもしゃべらなかった。


空では御天道様が朝がきたと告げていた。


こういう感じのは始めてなので、頑張ります。


矛盾点等ありましたら指摘ヨロシクお願いします。

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