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レディ・カーボンブラック

【文芸バトルイベント「かきあげ!」第一回大会・参加作品】第一回大会・テーマ:「いろ」

 けたたましいサンバのリズムと共に、マーメイドドレスがはちきれんばかりにステップを踏み始めたレディ・カーボンブラック。にこやかに笑いながらも激しいボディタッチでダークを激しく揺さぶっていた。

「ずい分と積極的なんだ」

 ダークの言葉にレディ・カーボンブラックは応える。

「えぇ、そうよ。あたしはやり手なの!」

 ニヤッと笑ってダークにタンゴ風のステップを絡めていた。

 大海の向うにある新大陸の国で育まれたカーボン一族、昔から存在していたものの、その隆盛はここ最近が富に顕著だ。非結晶と結晶、結晶もグラファイトとダイヤモンドで、宝石として重んじられていた。だが、ナノカーボンと呼ばれる分家が、フラーレン、ナノチューブ、グラフェンを輩出して、その注目度は計り知れなくなった。

 また、非結晶では、昔からのカーボンブラックを始め、活性炭やカーボンファイバーがあり、それなりの需要を呈している。

 カーボンブラック自体も「ケッチェン」「チャネル」「アセチレン」「サーマル」の四人姉妹で覇権を競っているという噂だ。ここにいる『レディ・カーボンブラック』は四姉妹のうちの誰かなのだろうか。いや、彼女は『ヴェンタブラック』かもしれない。なんでも光の吸収率は九十九・九十六パーセントだいうのだから。

 オーケストラのブラスセクションの音が大きくなり、サンバの曲がクライマックスを迎え、タン!と突然に音楽が終わった。

「ステキなダンスだったわ!」

 レディ・カーボンブラックは荒い息をしながら、ダークにニッコリと微笑んだ。

お読みいただき、誠にありがとうございます。


企画サイトにはもっと素敵な作品が目白押しですので、そちらもお読みいただけたらと思います。

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