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優しさとありがた迷惑なお荷物とお前もう少し頭使えよ! と心の中で思った日。

作者: 神保康弘

 私は上京してから二、三回ほど、母親から色々な物の仕送りを貰ったことがある。


 最初は段ボール箱に田舎の果物と三千円が入っていたと思う。果物は社員のみんなに分け与えたので二個しか食べられなかったが、新聞奨学生でド貧乏だったので涙がちょちょ切れそうなほどありがたかった。




 二回目と三回目あたりはあまり覚えていない。二回目に綿がスッカスカのジャンパーが入っていて一応着たんだがめっちゃ寒くて防寒効果がなかった。ファスナーが噛んでモゲてしまったので一年持たずに捨ててしまった。


 三回目は靴下や下着やマグカップなどが入っていたと思う。正直あまりいらない既に持っているような物ばかりだったがマグカップだけはまだ使っている。このマグカップが一番役に立ってしまってなんだか複雑な気分だ。



 母親は同じような物を私の妹にも送り付けた。そして返ってきた反応は「ガラクタ送って寄越すな!」


 らめぇぇぇ! お母さんにそんな酷いこと言っちゃらめぇぇぇぇ! 

 お前たしかにぶっちゃけ同じようなこと思ったけどよ、ちょっと言い過ぎだろ! と思ったが逆切れされるのもアレだし私からは何も言わなかった。


 しかし随分正直だな。正直過ぎるというか本音ダダ漏れというか。妹には娘と息子がいるが、遠い未来に同じような仕送りをして自分の子供達から同じような台詞が出なきゃいいけど。


「ガラクタ送って寄越すな!」

 私もそんなこと言って一喝してみたい気持ちがあるが、私は性格が悪いのでそんなこと言うよりは普通に感謝したりいらなかったら黙って処分し気持ちだけありがたく受けとる方がよっぽどマシだろうと思った。


 それにしても本当なら娘の方が有り難く受けとって息子の方が悪罵しそうなものだが? 妹は性格が父親似で私は性格が母親似だったようである。



 私の父親違いの兄は家庭の事情で母方の祖母と一緒に隣町の母方の実家に何年か住んでいたことがある。


 その時電気屋に普通の14型ブラウン管テレビを買って、自転車しか持ってないから配達を頼んだ。その時に何を思ったのか死んだ祖父の名前を配達先の氏名に書いてしまった。


 電気屋さんが来た時ちゃんと兄が応対できれば何も問題がなかったんだが、こういう時のお約束なのかデスティニーなのか電気屋さんが来た時に祖母が応対してしまった。



「ごめんくださーい! ご注文のテレビ届けに来たんですが、◯◯◯◯さんはおられますかー?」


「死にました」



 電気屋さんビックリしたろうな。数日前にテレビ買いに来た青年死んでしまってたと間違いなく思ったろう。もう少し頭使えよ!




 私の話も少ししようか。子供の頃兄友人に釣りに誘われたことがあって兄と三人で数時間だけやったことがあるんだが5分で飽きて釣り堀でうろうろキョロキョロと落ち着かない様子だった。


 その内に兄がトイレで席を立ったので、私はその隙に兄の飲み物に釣り堀の水をちょっとばかし足してあげた。

 兄友人も内心では笑いながらもそのままずっと黙っててくれていた。

 幸い私の行いはバレなかったし腹を壊したり病院送りになったりはしなかったようである。もう少し多かったら大変なことになってしまっていたかもしれない。私の日頃の行いがよかったんだろう。




皆さん、兄弟がいましたらもう少し優しくしてあげてください。私も残業で給料がかなり多かった時に妹に小遣いを多めにあげたりすればよかったかと今更ながら思います。







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