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証人

作者: 天理妙我

 その五百円玉は全てを目撃していた。現場となった応接室の長椅子の下で、誰にも知られることなく転がっていた為である。彼こそは事件の唯一の目撃者であり、世の中が世の中だから、金が物を言ったところで誰も驚かない。こうして長いこと日の目を見なかった一介の硬貨は裁判の証言台に立つ。


 目にした全てを余すことなく淡々と語った旧五百円硬貨は、直後に戦慄し、憤慨し、そして悟った。弁護側の証人として呼ばれたのは一万円札だったのである。


 このとき法廷にいた全員が真実を知ったのである。

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― 新着の感想 ―
[一言] そりゃあ、やっぱり一万円札の言うことに耳を傾けちゃうよね、人間なら。 真実=世の中金さ ってことなのでしょうか。 でも、五百円玉が好きな人だってきっといるよ!がんばれ!
[一言] 旧五百円、どんまい…… 肩を叩きたくなりました。 なんの慰めにもなりませんが、せめて隣に立ちたいと……
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