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お酒は適量が一番だぞ☆

オフ会パートです。アルコールも入り、盛り上がってまいりました。

「ほほ~、そんな過去がね~」

「その別れ方、ゆめの元カレと同じじゃない?」

「あっ、たしかに! だい鋭いっ」

「いや、絶対ゆめの比じゃなかったからな? ゆめくらいの頻度なら、俺だってゲームするんだし何も言わなかっただろうさ」

「いや~、やっぱ廃神って言われるプレイヤーってすげーんだなー」


 ビールを飲み干した俺は2杯目からはハイボールを頼み、半ば酒の勢いでセシルとの過去をもう一度話しきった。

 そして、案の定昨日も俺が感じていたことをツッコまれてしまった。

 だからゆめには言いたくなかったんだ……!


「え、もうほんとずっと、LAやってる感じだったん?」

「ああ、そうだね。大学の課題とか、俺が代わりにやることもあったし、基本飯は俺が作ってた」

「うわ、ゼロやん一家に一台欲しいタイプか」

「尽くす系なんだね~」

「昔の話な?」

「え、でもさ」


 にやにやした顔でぴょんが何かを言おうとする。ぴょんはかなりピッチが早く、既にビールは4杯目だ。


「そんなずっとゲームされてたら、男として寂しかったんじゃないのー?」

「え、それどういうこと~?」

「夜の方とか、かまってもらえたのかー?」


「おいっ」

 下ネタじゃねぇか!!!!!


「ぴょん……破廉恥」

「うわ~、おっさんノリじゃん」


 さすがにだいもゆめも若干引いている。

 まだ時刻としてはまだ17時を少し回ったくらい。この時間から、ドストレートに下ネタを振ってくるとは、これはぴょんが一番厄介だな……!


「セシルったらレイヤーとしても有名じゃん? え、そういうプレイもしてたんかー?」

「深掘りすんな!」

「ぴょん、それは最低」

「うん、さすがに引くね……」

「えー、なんだよお前らノリわりいなー」

 

 ちぇっ、とぴょんが唇を尖らせる。だが流石に今の話題はアウトだろ!

 みんながセシルを知らないならまだしも、完全にみんな見た目知ってんだから、完全アウトだ。


「まー、でもLAやってっから思うけど、相手のスタイルを押し付けられたりすんのはしんどいよなー」

「そうね、期待されたり頼られたりするのは嬉しいけど、限界もあるものね」

「あたしらはいい条件でやれてるよね~」

「だなー。やっぱ学生の頃はできても、働き出してからだと、特にこの仕事だと厳しいもんはあったなー」

「もこさんとこのギルドでも、やっぱしんどかったのか?」

「もこさんとこって、【Mocomococlub】~?」

「そそ、ゼロやんとだい、昔所属してたんだって」

「え、すご~い」


 さすがに誰もついてこない状況で下ネタは厳しいと察したのか、ぴょんが話題を変えたことで今度は別な昔話になりそうだ。

 うん、この話ならいくらでもしてやるぜ!


「俺は教師1年目は頑張って続けたけど、やっぱ無理があったね。週に1スキル上げろって言われんだよ? それに加え、週3で難関コンテンツで装備取りとか金策だぜ? 一日2,3時間のログインじゃ無理だって」

「そうね、今の自分にあの頃と同じことやれって言われても、無理だわ……」

 

 俺の思い出に、だいが相槌を打ってくれる。


「だいも教師なってから抜けたの~?」

「ううん、私は大学4年なるちょっと前、採用試験の勉強に本腰入れるために抜けさせてもらったの。合格したら、どのみち続けられなさそうだと思ってたし」

「抜けたの、俺が相談した直後だったし、ほぼ同じタイミングだったよな」

「そうね」

「おやおや、ゼロやんがいなくなるから追っかけて抜けたのかなー?」

「は!? そ、そんなわけないでしょ!?」

「あー、だい照れてる~。図星だな~?」

「うるさいっ! だ、だって私……フレンドいなかったんだもん……」

「だい照れてる~可愛い~」

「恥じらう美人ってのは、絵になるねー」


 言葉にこそしなかったが、正直俺もゆめとぴょんと同感だった。

 さっきからずっとツンツンしていただいが、今は恥ずかしそうに顔を赤くしてそっぽを向いている。

 あいつ全然お酒に手をつけてないから、ガチ照れなんだろうな。

 うーん、美人が照れてる姿とか、いいな……!


「まーあたしギルドに入ったとき、お前らそういう関係なんだと思ったしな」

「あ、それわたしも思った~。いつも一緒だし、そういう関係なんだと思った~」

「LA内カップルもけっこういるっていうしなー」

「だいは人見知りなだけだよ」

「は!? 馬鹿なこと言わないでよ!」


 今回ばかりはだいの怒りも全員に振りまかれる。

 正直俺はビビッてしまっているが、ぴょんもゆめも何のその、という感じ。

 女ってすげぇな……。


「なんで二人はフレンドなったん?」

「あ、それ聞きたいね~」

「あー、亜衣菜と別れてなんか全部面倒になった後、俺ギルドも抜けて野良プレイヤーやってたんだけど、その時に3回だか連続でスキル上げだったり、傭兵募集とかでパーティかぶってさ、すごい確率ですねー、って少し話して、フレンドなったんだよ」

「あいな?」

「あ」


 しまったああああ!!!

 だいの聞き返しで、俺は自分のミスを痛感する。

 完全に油断した。うわ、時間戻せるなら戻したい。

 勝手にセシルの本名とか言っちゃダメだろ俺!!


「へー、セシルはあいなって言うんだー。メモメモ」

「メモんな!」

「もういまさらでーす」

「個人情報流出とか、教師失格ね」

「ほんとほんと、訴えられろ~」

「すみませんでした」


 心の中で亜衣菜に謝罪しつつ、俺は今ばかりは自分の責を受け入れる。

 個人情報は、今のご時世かなりデリケートだからな。忘れちゃダメだぞ!


「しかもそういう経緯だったと聞かされると、別れた女の代わりにされた気分だわ」


 そしてさらっと言われただいの言葉に、俺は思わず飲んでいたハイボールを吹き出しかけた。

 ちなみに既に俺はこれが4杯目。だいとぴょんは2杯目はそれぞれ甘めのカクテルを頼んでいた。

 ぴょんにいたってはもう何杯目か覚えていない。

 食べ物はあまり頼んでないのに、飲んでばっかで悪酔いしそうな飲み会だ。


「うわ、ゼロやん女泣かせじゃーん」

「俺はだいを男だと思ってたから!」

「それも信じらんないね~」

「私も、フレンドとか初めてだったからありがたかったけど……」

「え、だいツンデレ~?」

「デ、デレてなんかないわよ!」

「こんな絵に描いたような奴、ほんとにいたんだなー……」


 若干呆れ顔になるぴょん。薄暗い中でも、たぶんもうけっこう出来上がってるんだろう。

 ゆめもさっきから終始笑ってばかりだし、こいつもきっとアルコールは強くないんだろう。


「だいはそんな美人さんなのに、彼氏とかいないの~?」


 え!? またそういう話に!?


「あたしはいませーん!」

「ぴょんには聞いてませ~ん」

「い、いないわよ!」

「え~、なんで?」

「なんでって……べ、別に欲しいと思ってないし!」

「うっそ、あたしとかいつでもウェルカムなんだけど?」

「ぴょんと一緒にしないで!」

「うわ、ひでぇ」

「ゼロやんも今は独り身なんだよね~」

「そうな、じゃあみんな独り身だな」

 

 時刻はまだ19時過ぎ。だが既に3時間近く飲んでいるせいか、みんなもう、けっこう出来上がってきている気はする。

 この後どうなるんだろうなー、と思いつつも、俺も酒が入っているせいか、どうにでもなれと思い始めていた自分を、翌日きっと後悔するんだろうなと思う。

補足

してたのかどうか?

>してました。


何のことか分からない人は読み返してください(ぇ

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