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仮の面はどう足掻いても。  作者: 月乃宮 夜見
第二章 その日の難逃れ
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ゆめであえる。

今回の視点は未。


「んふふーふんふふー」


 今日は、申くんの役に立てた。だからとっても嬉しい日。嬉しくって、つい鼻歌歌っちゃう。


 どんなことをしたかっていうと、魔法少女になる女の子の夢にちょっとだけ干渉したんだ。ほんとはあんまりやりたくなかったけど。


 夢に干渉すること自体はぼくにとってそんなに難しい事じゃないからいいのだけど、『妖精の方に協力する』ってのがあんまり乗り気になれなかったの。

だって、ぼくの事いらないって言ったところなんだもん。


 でも、申くんに頼まれたからやったんだ。嫌だったけど。ちょっとだけ、前の子が干渉しようとした跡が残ってたから、そこをちょっと触っただけ。


申くんは


「まあ、いいんじゃねーの」


って褒めてくれた。素直じゃないからちゃんとは言ってくれないけど。


「…あれ?」


楽しい夢を見てたのに。

まわりを見て、小さな違和感に気付く。


「…………だあれ?僕の夢に勝手に入ってくる悪い子は」


強い悪い子だったら心配だから、ちょっとだけ起きる。


「こんばんは」


目の前に現れたのは、小さな妖精さん。なんだか、普通の、子どもの妖精よりもちょっと小さいかも。


「どうしても、おあいしたかったのです。……あねうえ」


『あねうえ』ってなんだろ。


 舌ったらずで高い声は、ぼく達(あんまり『達』って言いたくないのだけど)妖精の特徴だから、別に不愉快じゃないけど。なんだかその見た目がぼくみたいでなんだか不思議な感じ。お揃いなら、申くんとがいい。


組織のみんなとのお揃いも、いいかも。


「ねぇ、他人の夢に勝手に入るのって、ほんとは良くないことだって知ってる?」


「もうしわけありません。しかし、きゅうようなのです」


ぺこり、と小さな妖精は頭を下げた。


「丁寧なことばじゃなくてもいいよ?」


「このようなことばでしかしゃべれないのです」


「ふぅん?」


まあ、いっか。


「用事ってなぁに?簡潔にお願いしたいんだけど」


「わがくにが、あねうえをほんかくてきにくににつれもどそうとしています」


「……」


「あねうえは、ようせいのくにに、かえりたいですか?」

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