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仮の面はどう足掻いても。  作者: 月乃宮 夜見
第二章 その日の難逃れ
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細かい描写も無く2年目に突入。


月日が過ぎ去るのは早い、っていうけれど、わたしはあまりその早さを感じることはなかった(あたしは結構早く感じたっす)。


何が言いたいのかというと、わたしたちが魔法少女になる少女たちと同じ中学校に潜入してから2年目に入った。だから、わたしたちはこれから中学2年生になる。去年は知ってることをただずっと聞いてるだけのつまらない毎日だったけど、多分今年もそんな毎日なんだろうな。


座学の授業はすでに知ってることが大半で、実技の授業はこの世界の人たちが()()()()()()()()()から、わたしたちは合わせなくちゃいけなくて、それがちょっと大変だった。(歴史とか科学とか、ちょっと違うところとかはアタシは面白いって思ったっす)そうなの?


ちなみに、未さん(ママ)は色々と見に来てくれたけど、申さん(パパ)は、一回も来てくれなかった。それについて聞いてみたら、


「卒業式くらいには行ってやるよ」


って言ってた。……ほんとかな?



×



わたしは、『やっとお話が始まるんだな』とぼんやり思って2年生のクラス予定表のプリントを眺める。


何があったかは知らないけれど、今年もわたしたちは『主人公』ちゃんとおんなじクラス。去年は各学期での中間テストや期末テスト、運動会、文化祭、授業参観とか、色々な『学校イベント』があって、きらきらした子たちはそれぞれでいい意味で目立って、とても輝いてた。


……ほんとのことをいうと、『主人公』ちゃんは『いい意味で目立った』ってのじゃなくて、全部で『変な風に目立った』っていうやつなんだけど……。まあ、それでギスギスした雰囲気や落ち込んでいた子とかの気持ちを明るく変えていってたから、さすが『主人公』という感じかな、って思った。(そこに居るだけで雰囲気変えるって凄いっすね)……そうだね。


「なにかあったんすか?」


わたしがぼんやりしてたからか、心配そうに覗き込んでた。なんでもないから、大丈夫。


「そうなんすか?」


きゅっと首を傾げて疑わしそうにわたしを見てたけど、


「まあ、良いっすよ。話したくなったら教えて欲しいっす」


っていってくれて、離れた。


『なにかあったのか』って聞かれると実際、わたしには何も変なことも、悪いことも起こってない。ちょっと気になったことがあっただけ。


「(『何が気になるの』っていうと…)」


それはわたしたちとおんなじクラスの、とある地味な女の子のこと。



×



その女の子は父子家庭の、一人っ子。雰囲気、というか()()()()がべつの色をしてるからたぶん、血縁もないんじゃないかなって思ってる。


『意識の色』っていうのは、わたしの生まれた世界の人たちが普遍的に見ることができる……強いていえば『魂みたいなもの』っていうやつ。


全てが自動化、人工化した世界で、『()()()生きているもの』を見分ける為に発達したんだ、って習った。


他の世界に行って、色々な人を見てから気が付いたけど、魔法少女とかになれる女の子たちの意識の色は、すっごくきらきらしてる。妖精は白く輝いてて、『悪い事をした人』は、濁ってる。


組織の人たちは、濁ってる人が多かった。酉さんは濁ってるっていうよりは……暗闇、みたいな真っ黒い空洞、みたいな感じで、申さん(パパ)も青くて黒い。戌さんも、黒い。


卯さんは透明に光ってる、のが黒いもやに覆われてる感じで、未さん(ママ)は、妖精さんみたいに白く輝いてる。


でも、組織の最高幹部の人たち、だけでなくって、組織の本部にいた人たちはみんな、意識を何かで縛られている感じがした。それは、位が上がる程に強固に、強く縛り付けてる、ように見える。


『二等戦闘員』だった時には何もなかったけれど、今のわたしたちにも、うっすらと意識を縛る何かを感じる。多分、『本契約』の時に、()()()()


で。


その女の子……ではなくって、そのお父さんの意識の色が、変な感じがしてた。


意識の色が歳を重ねていくにつれて濁っていくのは仕方のない話なんだけど、そのお父さんの意識は普通以上に黒くって、他の()()()()()()()()()()()()()()()()()縛られている感じがする。


……教えた方がいいの、かな?



探し物、みーっけ(?)


……未ちゃんの意識は濁っていないようですね。

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