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仮の面はどう足掻いても。  作者: 月乃宮 夜見
第一章 仮の面
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気付く量産品。


「このオレが『穢れ』かどうか何ざ、信じなくてもどうでもいいが」


 目の前に立つ派手な敵が、黄金色のその目で、まっすぐ睨みつける。


「大分、めちゃくちゃな事言っているのが分からないのか?」


 まっすぐに見つめるその目にどうしようもなく恐怖を感じ、『こいつを今すぐに消さなければ』という気持ちに駆られた。


「そんなの関係ない! アイツらを倒して、魔法少女!」



×



「クソ、『強制撤退』だ!」


 そう毒づいて、デカい奴は派手な奴を抱えて消えてしまった。悪い奴らにとどめを刺す前に逃げられてしまった。途中で、デカいやつが何かを拾って行った気がしたが、まあ問題はないだろう。


 リミッターを解除した魔法少女達達は間違いなく強くなった。動きが早いし、力も上がっているし。だから、最上位幹部相手にパワーアップアイテム無しで互角以上に戦えたんだ。


「…………ねぇ。……私達、強くなってるんだよ、ね?」


「……なんだか、気分が良い……かも」


「この調子で、もっと、たくさん倒さなきゃ……」


魔法少女達の声が聞こえる。……魔法少女達が激しく消耗している?


 さっきの派手な悪い奴が言っていた事を思い出す。



「やっぱり、何かが……おかしい」



薄々気がついていた。


もしかすると、間違っているのかもしれない、と。



なんで、こうなったのだろう。


どうしたら、こうならなかったのだろう。



 魔法少女たちと別れて、最近来るようになった廃墟に戻った。


「あれ、」


 ……なんで、ここに来るようになったんだっけ?



×



『リミッター解除は、魔法少女の夢を削る方法なんだろう?』


アイツらに言われたことばが、くり返される。



「そんなこと、」



……でも、どうして『仮の面(アイツら)』が、そんなことを知っていたのだろうか。



「きっと、仲間を脅して聞き出したんだ」



きっと、そうだ。



「でも、なんで、『リミッター外し』なんて、おもいついたんだっけ」



こえがいったんだ。



『リミッターを外せば、強くなる』って。



だけどそれなら《》のいしじゃないよね?


「じゃあだれの意思なの」



そんなのどうだっていいじゃない。


《》は、リミッターを解除をすると、あのこたち(魔法少女達)がどうなるってならったの?



「――『まほうしょうじょは、つよくなります』」



ほんとにそれだけ?



――本当は、知っていたんでしょう?



魔法少女が、すごく傷ついて、疲れちゃって、



「壊れてしまうって」



×



「――だれ?」


 《》が、此方の存在に気が付いたように、声を上げた。


「あ、気付かれちゃった」


 ()()()()()()()()()()()()が驚いて目を見開く。


「干渉しすぎたんだよバカ」


 ()()()()()()()()()()()が若い女に悪態をつく。


「精神揺さぶって壊そうしたの! やりやすいように!」


「気付かれたのなら仕方ないでしょ?」


女の甲高い金切り声を受け流して子供は無邪気に笑う。


「……お前たちの、所為で」


 魔法少女たちが。


 絞りだした声は、酷く掠れていた。


「でも、」


と、無邪気に笑う子供が目を細めて、圧力をかける。


「魔法少女達をあんなにしたのは、《》だよね?」



どうしよう。


今更、後には戻れない。魔法少女達のリミッターを再びかけるなんて、もうできない。



「目が覚めなければ、楽だったかもしれないのに」



「仕方ない。もう少し、多めに飲ませよう」


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