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仮の面はどう足掻いても。  作者: 月乃宮 夜見
本編じゃないやつ。
1/86

余裕綽綽な奴って大抵こっ酷くやられるよね。

とりあえず、『試し』みたいな感じで上げました。反応良ければ続くと思いますけど、そうじゃなければ続きません多分。


本編や下級戦闘員の話と文章の書き方が違うので、ご注意ください。

「これはこれは皆様お揃いで」

上空から忌々しい声が降ってきた。

「何かオレに用事でもあるのかい?」

鳥を模した仮面の長身の男だ。鳥男はクロークの裾をはためかせ、軽薄な笑みを浮かべた。


「っ、アイツ!」

あいの荒げた声に顔を上げると、

「りんどう?!」

鳥男の腕には、りんどうがグッタリと力無く抱えられていた。

「もしかして、この子を返して欲しかったりするのかなぁ?」

何が楽しいのか、笑いを含んだ声で腕に抱えたりんどうを見せるように掲げた。

「そうに決まってる!」

みかんは悔しげに顔を顰め、

「りんどうちゃんを返してよ!」

鳥男に叫ぶ。


「いいよ」


鳥男は実にあっさりと承諾をした。

「「「えっ?!」」」

それに戸惑う魔法少女達だったが、

「ほら、返すよ」

ぽい、と鳥男はりんどうを放り投げた。


宙に投げ出され、りんどうの紫髪が風を受けてふわりと広がる。

「りんどう!」

なでしこは着地地点に駆け寄り、りんどうを受け止め


「なでしこっ!それは罠よ!」

「りんどうちゃん?!」


その声が聞こえた時、鳥男がにやりと意地悪く笑うのが見えた。




なでしこがりんどうを受け止めようとした瞬間、それは爆発した。

「あっはっは、たーまやー」

鳥男は両の手を拡げ、盛大に笑った。

「敵が差し出すものなんて、本物かどうか怪しいのに確かめもせずに『仲間だから』それだけの理由で自身を顧みず助けに行くなんて」

鳥男はわざとらしく目元にハンカチを充て

「健気だよねぇ、泣けてきちゃった」

そう宣った。

「殺す、絶対殺す!」

怒り心頭のあいは、緑の槍を関節が白くなるほど強く握りしめ、今にも刺し殺さんばかりの様子だった。

「いいねいいね、その表情」

にや、と尖った歯を見せた鳥男は

「ほんっと魔法少女には見えないよ」

更に笑みを深くした。


と、

「ん?」

ちら、と鳥男が横を気にする素振りをした瞬間、鳥男は斜め下に吹っ飛ばされた。


「あんた達何ボーっとしちゃってんの!早くなでしこを治しなさい!」


それは蒼く煌めく髪、空を思わせる爽やかな衣装の魔法少女だった。

「つゆ!来てくれたのか!」

あいの声にはっと顔を上げたりんどうとみかんは、なでしこに駆け寄る。

「なでしこ、大丈夫?」

「今治したげるね」

りんどうが紫のドーム状のガードを張り、その中でみかんの手から発せられるオレンジ色の光が、なでしこの怪我を治していく。

「みんな……ありがとう」

治癒を受けたなでしこは立ち上がる。と、


「いやぁ、流石に顔面殴られると堪えるよ」


まいったまいった、と言いながら余裕そうな様子で、立ち上る砂煙の中から鳥男が出てきた。


「くっそ、しつこいぞアイツ!」

あいは悪態を吐く。

「どうするの、なでしこ」

「なでしこちゃん!」

「みんな揃ってるんだから、あの技も使えるわ!」


りんどうとみかん、つゆの声に、なでしこは応える。


「みんな、いくよ!」

「「「「うん!」」」」


その声を合図に、魔法少女達は輝き出す。




撫子、山藍、蜜柑、竜胆、露草の花が大きく背後に現れ、魔法少女達はステッキをなでしこに向ける。


みんなからの力を受け取ったなでしこは、ピンクのステッキを掲げた。



「「「「「『プリズム・フラワーバースト』!」」」」」



そこから放たれた、純白の光線が鳥男の全身を貫く。


「まさか、お前ら如き、に」


憎々しげに呻いた鳥男は、跡形も無く消滅した。









×



「――どう? 面白かっただろう?」


満身創痍の鳥面の男は、自身を担ぎ上げる猿面の男に言葉を投げた。


「お前、本当にそういうの好きだよな」


演出を徹底する所、そんけーするぜーと、猿面の男は呆れつつ答えた。


個人的には余裕ぶっこいてる奴がそのまま実力伴ってるのが好き。


今回の魔法少女達のお名前は『和名の色』『植物であること』がキーワードです。



▼以下考えたけど出せなかった子達(と理由


ぼたん→色濃ゆいかなぁと思った

ちぐさ→花の演出が出来なかった

るり →そもそも花じゃない

はな →花色が一発で青だと判るのは難しい

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