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残酷な世界に敬意を

息抜き投稿

 甘く、口当たりがよい母乳の正体は人間の女性でした。

 何となく分かってたけどね…。

 3、4日と目が見えてくると状況も理解できる。


 ゴブリンといえば?

 小さい!

 弱い!

 ずる賢い!(作品による

 女性をさらう!(作品による

 女性に性的なうんぬん(作品に――


 まぁ…そういう事だよね。

 僕が居る巣には父ゴブと母ゴブが居る事から雌雄はちゃんとある。

 そして母ゴブからはちゃんと子ゴブが生まれる。


 その上で人間の女性を捕まえて置く理由なんて一つしかないよね…。

 言葉は悪いが玩具だろう。

 そして母乳が出るという事から察せるのは、妊娠しているということ。


 何を?


 それは生まれるまでは分からないけども人の子供を宿したままで捕まるのは悲惨だし、よくある冒険者とか勇者とかそういう稼業であれば猶更そんな状態では動かないだろう。


 高確率でゴブリンの…という事だろう。

 恐らく人間とゴブリンは造りが似ている…近親種?なんだろうね。


 良くも悪くも…僕が生き延びれたからこの場合は良かったけど、彼女にとっては最悪だろう。

 元人間としては逃がして上げたいという気持ちもある。

 でもまだ生後1週間と立たず、ハイハイが限界の赤ん坊だ。


 どうするもこうするも成長しない事には何もできない。

 今日もいつか!と明日こそは!と思いながら彼女の母乳を頂く。


 おっぱいうめぇ…ずっとくっついていたい…。


 …野郎どものぶっかけたアレが無ければ猶更に。







― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 






 たっちができました。


「おお、もう立ったぞ」

「死にそうだった子がこんなにも立派に…うぅ…」


 父と母がすごい感動している。

 中身が年齢……生後相応のゴブリンならまだ捕まり立ちくらいだ。

 まだよたよた感はあるが歩くのに支障はない。


「うー」


 こうなればもはやおっぱいセルフサービス!

 大人の遊技場とも言うべき部屋に向かい、義母の哺乳瓶にむしゃぶりつく。


「はっはっは、坊主はその年から人間のおっぱいに夢中か」

「将来有望だな」


 …近所というか同じ巣のおっさんたちが野次を飛ばしてくる。

 数日の観察の結果、僕の義母となっている人間の女性は用済み認定されているらしい。

 そして巣の中には深緑のゴブリンと黄緑か黄色に近い色味のゴブリンが居る事にも気づいた。


「おい、俺らの後始末しとけよ」

「は、はい!」


 所見としては、

 深緑が純ゴブリン…よりゴブリンっぽい特徴が強く、数が多い。

 黄緑と黄色ゴブリン…推測だがゴブリンと人のハーフだろうか。耳も短く、体毛も薄い。扱いとしては下っ端や小間使いのような印象を受けた。

 おっぱいうめぇ。


 という事はゴブリンにも血筋?による階級があって、純粋にゴブリンに近いほうが偉い、と。

 合わせて、妊娠した女性は殺さずに生むまでは面倒を見ている。

 ハーフとはいえ妊娠中に致して、労働力を殺すほどバカではないと。

 だから僕はその恩恵に預かれる訳だけど…気持ちのいいもんではないよな。


 幸いな事に純ゴブリンとして生まれ、以前の人間としての知識と知恵、思考能力は変わらない。

 数日…1ヶ月程度では無理だろうが1年でも、2年でも過ごせばこんな自分でも族長みたいなトップに立つことだってできるのではないか?

 そうなれば人に危害を加えずに済む生き方も出来るかもしれない。


「うーうー」


「あ゛っ……あ゛っ……あ゛っ…」


 乳首に吸い付く僕は脳内でそんな事を考えながら栄養を嚥下していた。

 やわらけぇ…。

19.8.1 加筆

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