とりあえず生き延びれました。
なんとなくのメモ
ゴブリンとは。
小鬼とも呼ばれ昨今のゲーム、ファンタジーにおける雑魚としての位置を確立した存在である。
少なくとも僕の知識としてはその程度だ。
そして転生後に初めて得た知識は「母乳は生臭い」だった。
転生後の体としてゴブリンとなった事は嘆くべきことではあるが、生を謳歌出来るのであれば後悔はあまり無い。
だが、逆に考えて欲しい。
せっかくファンタジー(想定)の世界に生まれたならエルフとか獣人とか…有体に人の形をしていればそこには高確率で男の夢があるだろう。
そう、おっぱいだ!
男の夢、希望が詰まった2つの夢袋!
後悔はあまりないと言った部分を秒で手の平クルクルする。
エルフはちっぱい派と巨乳派、獣人は2つ派と複乳派と多様に宗派が分かれるが、あえて言おう。
おっぱいに貴賤無し!
自分の話に戻すと…あれ?
目の前にぶら下がるのはしなびたキュウリかな?
口に加えるとくっせぇ…そして出てくるものは生臭い。
でも飲まないと赤子は生きられ…無理、吐いた。
ごめん、おっぱいに貴賤あるわ。
張りがあって揉み応えのあるおっぱいが好きです。
あ、ちっぱいもそれはそれで好きよ?
母親も飲めない僕が不憫なのか、巣の中にいた別の母ゴブリンの母乳を飲ませてくれる。
しかし、結果は芳しくない。
生臭い、凄く生臭い、生臭くて不味いの3パターンしかなかった。
徐々に弱る僕、洞窟の中なのか時間経過は分からない。
3日か1週間か僕はどこかに連れていかれた。
もう赤子のまま栄養失調で死ぬと脳裏には常にあった。
口に触れる哺乳瓶のような先端、残された力はそれほど無いが、吸うくらいの残されていた。
2度、3度と吸うと口に広がる仄かな甘み。
生臭いものしか吸ってこなかった口内へ祝福とも言える旨味。
死の間際にして僕の意識は最高潮に覚醒した。
残る力を全て使って吸う!吸う!吸う!
「あぁ!坊やが、乳を飲んでいる!」
「良かったなぁ…!これで持ち直すぞ」
「あ゛っ…あ゛っ…あ゛っ…あ゛っ………」
口を離すのが名残惜しいが、もうぽんぽんいっぱいだ。
幼いながらも早熟なゴブリンでは生後2~3日で目が見えるが栄養不足な僕は未だに視界はぼんやりと滲むようにしか見えない。
茶色…洞窟の壁面
赤…松明?
緑…母ゴブリンとか父ゴブリンかな。
肌色…何だろう?
初めての満腹感と充足感で僕はそのまま夢のそこへ落ちていく。
そして2度目、3度目の食事のを経て僕は3日遅れぐらいで他のゴブリン並みの成長を遂げた。
凄い、薄暗いのに結構はっきり見えるし、既にハイハイも出来る。
その後の4度目で僕はその母親(仮)の正体を知った。
どうやら僕は転生した世界は、とても残酷らしい。