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――序――
グロかったりエロだったりするかもしれません。苦手な方は、回れ右して下さい。
濃灰色の夜空に雲は無く、昼間の太陽と同じ軌道を描いて月が昇る。
淡い青色の八日月。
囁く声は耳の奥。
時に女が。
時に男が。
今は子供が歌っている。
死が我等を別つまで、
死が我等を分かつまで、
死が我等を判つまで、
死が我等を解つまで。
我等。
我等とは――何か。
そこに『我』は在るのか。
回答など、無い。
吹き込む風は甘美な薫りを孕み、墨色に染めた我が頭髪を乱す。
大時計の針は二つ重なり、高らかに鐘が鳴った。
明るい月に背を向けて、Black Peace Nowの服を纏い、胸に琥珀のブローチを飾る。
膝まで隠す上着を羽織り、上着の下にトカレフを仕込んだ。
さあ。
狩りの時間だ。
――Amber――