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初恋は叶わないものなのでしょうか?  作者: YM
1.幼馴染という関係
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女子トイレでの秘密の話


「ゆりあーっ!ちょっといい?ってか、藤崎!ゆりあ借りる」


「あー、うん。どうぞ」


私たちが話していると、突然嵐のように現れた女の子。それは、同じ学年で同じクラスの私の親友である新島紗江子。


「ほらっ、ゆりあ!行くよっ」


そういって、紗江子が私のことを引っ張って行ったのは女子トイレだった。



「え?何、どうしたの?何かあったっけ、紗江子」


「何もないわよ。ただ、なんか藤崎といるのにゆりあが全然楽しそうじゃなかったから。何かあったのかなって思って」


さすが、紗江子。人のこと良く見てるマネージャーだな。とっても鋭い。直人もこれくらい鋭かったら…って思うけど、そしたら私が直人のこと好きなのもバレちゃうか。


「さすが紗江子」


「ってことはあたりなわけね。もしかして、藤崎に彼女でもできた?」


「…違う。彼女できたなんて言われた日には、学校来れない。大泣きだよ、それ」


「じゃあ、好きな子?」


なんでこう、ドンピシャで当ててくるのかな。


「無言ってことは肯定だと思っていいの?」


「そうよ、そう。で、しかも…私とは真逆な子。さらさらの黒髪のストレートの女の子で、佐野麻由って子」


「たしかにそれは真逆かもしれないわね。…違う人だったらいいんだけど、私佐野って子に朝すれ違ったんだよね。制服の名札に佐野って書いてあって、その子バスケのキーホルダーつけててさ…。私ついつい、バスケに興味あるの?って聞いちゃって、そしたらマネージャーやりたいって。だから、是非って言っちゃったんだよね……」


それもう、直人の望み通りじゃん。バスケ部のマネージャーになるって。

なんで、直人の勘がこんな時に当たるの?

…勘っていって道を選べば迷子。

…勘で賭すれば、絶対に負ける。

そんな直人の使えない勘がどうして、こんな不必要な時に当たるわけ?


「それ、本当だよね?」


「う、うん。名前も聞いた、佐野麻由って。でも、もしかしたら…同じ名前の似たような子が…」


「佐野麻由って子は、一人しかいなかったよ…」


あれだけ気を張って、点呼聞いてたんだから間違えない。


「ほら、大丈夫だよ!まだ女バスってことも」


「ないよ、女バスは今年もマネの募集かけないって言ってたもん」


女子同士で揉め事は多いうえ、女子のマネージャーなんてやりたい人はこの学校にはいないからって、部長さんいってたし。


「あちゃ…、でも近づけなきゃ」


「協力するみたいになっちゃったし。あの直人だよ?絶対に自分から近づきにいくでしょ」


それにもし、佐野さんが直人好きになっちゃったら?もう、私にはどうしようもないでしょ。


「まっ、ほら見た目だけがタイプだったってこともあるからね?」


お願いです、佐野麻由さん。性格ブスであってください。



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