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決戦!神祖竜vsタキツ3

遅くなりました。すいません……

バトル成分は少ないです、ご注意を。


読んでくださり、ありがとうございます!

 

「痛つつ……あいつ、自爆を応用したのか?自分の体を消すとか……。」



 森に飛ばされたタキツは特に怪我などはしていないらしい。一体どんな身体をしているのだろうか?



「ふぅ……早く終わらせねぇとな……。そろそろ来る――」


『――グオォォォォォォオ!!!!!』



―――ズシィィィィン…………



「……早ぇな、おい。まぁ、探す手間が省けたがな…………さて、やりますか!」


『ギュァァァア!!!!』



 横薙ぎの尾を地面スレスレで躱す。反撃のために踏み出した瞬間、大木がタキツ目掛けて飛ばされる。それを斬り裂き通り抜けて天祖竜に突きを繰り出す。

 天祖竜は魔力障壁(・・・・)で防ぐ。

 

 

「チッ……最後の神祖竜だからか?相手も操作しやすいのかね?」



 そう言いながらも天祖竜を攻撃し続けるタキツ。天祖竜が爪で切り裂こうと迫るが、刀で防ぎ殴り返す。それは障壁に阻まれるが次の蹴りが天祖竜を捉え吹き飛ばす。



「魔法が使えるようになると厄介だなー。あ……やべ拡大解釈タークリテーションが切れちった。これも要訓練だな。」



 そう。タキツの“固有領域”はまだまだ未熟で実戦で使うべきものではないのだ。それを使わなければならないほど、神祖竜達は強い……というかしぶといのである。



『グルルルル……』


「仕方ない。魔纏だけでどうにかするか。」 

 

『ギュァァァア!!!!』


力反転盾ベクシオルド

 死月光エクトス

 緋色の破壊スカーレイション!」


『……!?カ……ガァ……!』



 《ベクシオルド》はその名の通り跳ね返す盾の魔法。

 《スカーレイション》は熱を集め、対象の内部を焼く魔法だ。



「魔纏・崩震コラクラス

 ……うらあぁぁぁぁぁ!!!!!」


『…………!!!!』



―――バシュァァァァ…………



 《コラクラス》は振動で相手を破壊する魔法だ。タキツはそれを纏い、超振動パンチで天祖竜を見えないくらい細かく粉々にした。



(こんなことしても終わらねぇよなぁ。決め手が無いわけじゃないが……。)

「だが、魔纏で叩けばかなり効くみたいなんだよな。再生遅いし。」



 そう言って徐々に再生している天祖竜を見る。たしかに今までと比べてその再生速度はかなり遅い。



「封印が一番楽なんだが、消してくれって頼まれたからなぁ……。効かないと思うがやってみるか。

 無への回帰レニエンテーション!」



 リリスが最後に使った滅びの魔法が天祖竜を襲う。が――



「やっぱり、か。」


『グルァァァァァア!!!!』



 ――全く効果は無く、天祖竜は再生しきってしまった。



「っと!……はぁっ!!!」



―――バシュァァァァ…………



 またまた粉々になってしまう天祖竜。



「これじゃ本当に埒があかねぇ……。あれやるかぁ。


 補助魔法陣・赤……完全展開


 ………………80%……90%……展開完りょ――」


「――功一!!」


「っ!?!?」



 魔法陣の展開が完了した瞬間、天祖竜を挟んだ向こう側にリリアルが現れた。だが、そのタイミングは最悪だった。



『グルァァァァァア!!!!』



 天祖竜が再生しきったのだ。そしてほとんど本能だけで動いている天祖竜は、強者よりも弱者を襲うことは必然だろう。

 復活した時にはもうリリアルに尾が迫っていた。



「…………ぁ」

 

(ヤバい!……赤・過剰出力!供給源・命!)

「地獄の渦焔ムスペルッッッ!!!!!」



―――ボゴオォォォォォォォン!!!!!!



 《ムスペル》は渦巻くマグマを生み出す攻撃魔法だ。タキツが使ったそれは一瞬で天祖竜を溶かし、動きを止めることに辛うじて成功した。



『……っ!?……ガ……ッ……!』


「ぐっ……ゴホァッ!」



 何故か攻撃したタキツが血を吐く。が、そんなことは気にせずに命を削って天祖竜を消滅させるための魔法を紡ぐ。



「ハァハァ……ぐっ……


 “固有領域”!

 拡大解釈タークリテーション!!


 絶対の消滅バニエテュートッ!!」

 

『っ!グルォォォォォォォオ!!!!!!』


「!!……っぁぁぁああぁあアアア!!!!!!」



 発動出来ないものを無理やり発動した代償に身体を蝕まれながらも、獄祖竜を消滅させた魔法を放つ。しかし天祖竜も黙ってはいない。障壁を重ねて抵抗してきたのだ。


 互いに叫びながら自身の全てをぶつける。そして――



「はぁっ……はぁっ……終わっ、た……。」



 ――タキツがギリギリで勝った。

 《ムスペル》と《バニエテュート》の両方があったからこその勝利だった。その所為で50mほど森が消えたが。



(ギリギリ、だったな。………………それより、リリアルだ。今回はさすがに頭に来たぞ。)


「…………はっ!?功一!!大丈――」


「――第二王女様。」


「……え?」


「何故、貴女がこんな森の奥にいるのですか?見たところ、お一人のようですが?」

(これは、リリアルへの罰だ(・・)。どうやら俺が功一だったことには気付いているみたいだしな。……気付いてほしくはなかったが。)



 血まみれのタキツがリリアルに普段とは違う、目上に対する(・・・・・・)口調で問いかけた。

 実は、これはリリアルが最も恐れていたことで、たしかに罰になることだった。



「ど、どうしたの?ねえ、いつもみたいに話してよ。功一……なんでしょ?」


「……?違いますよ?」


「………………そう。そうなんだ。……なら私にだって考えがあるわ……。」



 タキツがしらを切ると、リリアルは俯いてブツブツと何事かを呟き、何かを決意したかのような表情で顔を上げた。

 タキツは勘違いをしていた。すでにあることを決意していたリリアルは、多少のことで折れる可能性など無かったのだ。



「何故、私がここにいるのか、でしたね?そのような些事、貴方なら理解しているはずです。」


(……ミスったか?むしろ乗ってきちゃったんだが……。)

「い、いえ……わかりませんね。」


「嘘ですね。

 貴方は気付いたはずです。何故、私が神祖竜問題の後のことを聞いたのか。

 貴方は気付いているはずです。私が何を願い、考え、決意したのか。

 貴方なら気付けるはずです。私がここに来た理由も、ね。」



 この言葉にタキツは驚いていた。ちょっと反省してもらおうと思っていたら、逆に押されているのだから。



(リリアルにとって対等な相手(・・・・・)はそれほど大切なのか……。でもなぁ……旅に連れてけって言いたいんだろ?…………無理じゃん。)

「やはりわかりませんね。大体――」


「――貴方を迷宮制覇者だと世間に言いふらしますよ?」


「っ!!」


「旅どころじゃなくなるでしょうね。各国がこぞって貴方を取り込もうとしますからね。魔法陣が必要ないことも――」

 

「――はぁ、降参だ。わかったよ。どうやら逃げ道もないようだしな。」



 タキツは痛すぎるところを突かれて降参した。全てリリアルの言う通りだったからだ。

 特に魔法陣の問題は前にも言ったようにウルも巻き込んでしまう。そんな危険を犯してまでこの無駄なやりとりをする気はなかった。

 いつも通りの喋り方に、リリアルが少し嬉しそうになる。



「……ただし、俺の正体をあいつら(・・・・)には言わないこと。ちゃんと許可を取ること。この二つが条件だ。」



 あいつら、とはタキツの知人全てのことだ。許可はもちろん旅に関してである。



「っ!はいっ!」


 それを聞いたリリアルはとても嬉しそうに返事をした。……王女モードが抜けきっていなかったが。


 こうして後の世で“最強のチームの最悪の二人”と呼ばれる者の歴史が動きだした。



一応今回で神祖竜は終了です。

やっとプロローグまで戻れました。……若干無理やりですが。

明日からは1日1話ずつ投稿していきます。これからもよろしくお願いしますです。


いつも評価ありがとうございます!


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