決戦!神祖竜vsタキツ2
遅くなってしまいました。すいません。
いつもより少し長いです。
応援ありがとうございます!
『グオォォォ「ハァッ!!!」っ!?』
天祖竜が咆哮した瞬間に、タキツは空中を駆け、その頭を蹴り消す(・・)。
―――ビュオッ!ザシュズチャッ!!!!
そのタキツを狙った獄祖竜の尾をカルマが音速を超えて斬り壊す。
「うらあぁぁぁぁ!!!!」
―――バアァァァァァァンン!!!!!!
獄祖竜のことなど気にせずに頭が再生しつつある天祖竜の胸を全力で殴り、上半身を消し飛ばす。
だが瞬時に再生してタキツを前脚で襲う。
それを蹴り落とし、反撃の拳を放とうとするが獄祖竜の翼がそれを邪魔した。
タキツに向いた獄祖竜をカルマがバラバラにする。その隙に天祖竜が尾で叩きつけるが、タキツが受け止め、天祖竜を投げた(・・・)。その間に獄祖竜は再生して天祖竜の横に並ぶ。
「通常の打撃じゃ埒があかないな。」
「…………あの竜達は回復力がヒルダと同じくらいある。」
「マジか……カルマは何回斬った?」
「…………たぶん700回くらい。」
「チッ……相手も本気みたいだしな。身体だけじゃなく魂まで回復させてるみたいだ。」
「…………そうなると、ボクには打つ手が無くなる。」
「…………………カルマ。ヒルダとリリスと合流して、ここいら一帯に全力で結界を張れ。……来るぞ!早く行け!!」
「…………(コクリ)……転移。」
『ガルァァァァア!!!!!』
『ギュァァァァア!!!!!』
「おらぁぁぁ!!」
―――ズガァァァァァァァァン!!!!!!
竜達は尾を重ねてタキツを押し潰そうとする。それを正面から迎え撃ち、地面が耐えられずに罅割れる。
「素手じゃ無理か……。久々だがあれを使うしかねぇな。」
『ガァァァア!!』
『グォォォオ!!』
「ハッ!……ダァッ!!!」
―――ゴスッッッ!……バゴォォォォォォン!!!!!
獄祖竜を殴って吹き飛ばし、天祖竜を踵落としで地面に叩きつける。
一時的にタキツから竜達が離れた。
「今しかねぇ!神器展かっ!?」
―――ドオォォォォォォォォォン!!!!!!
「っぶねぇ!あいつ自爆しやがった!!」
地面にいた天祖竜がタキツが何かしようとしているのを見て、自爆でそれを妨害したのだ。タキツはその捨て身の攻撃をギリギリでなんとか回避した。
「クソッ!それはやらせねぇってか?だが連発しないところを見るに魔力消費がデカいのか、それ以外の条件があるのか知らんが、あまり使えないようだな?」
『『グルゥゥゥゥ……』』
「まあいいか。結界が張られれば……なにっ!?」
―――キュアアアアアァァァァ…………
「ブレス(・・・)使えたのかよ!!なんだ今のレーザーみたいなやつは!!!」
タキツはその新たな攻撃手段も回避していたが、内心冷や汗ものだった。
とにかく速いのだ。タキツは雷をギリギリで避けたことがあるが(ツッコミは受け付けない)今のブレスは雷よりも少しだけ速かった。見切るのも厳しいスピードなのだ。
『グルァァ!!』
「チッ!……うらあぁぁ!!」
―――バキィッッ!……ズズゥゥゥゥン…………
『ガルァァァァア!!!!』
「っと…………シッ!!はぁっ!!!!」
―――バシュッッ!!ドゴォォォォン!!!!
先に突っ込んできた天祖竜を遠くへと蹴り飛ばし、次に上からダイブしてきた獄祖竜を受け流しつつ手刀で首を落とし、地面に頭から叩きつけ再生しにくくする。
(たぶんあのブレスは主とやらが焦って新しく造ったんだろうな。上手く使えていないし、反動がでかすぎる……ってそれより!)
「今度こそ!
神器展開!
全てを飲み込む悲刀〔グリネスワレット〕!」
『『グルァァァァァア!!!!』』
―――キュァァァァアアアアアアアア!!!!
―――チュドォォォォォォォォオン!!!!!!
少し遅かった二本の光線は、何かを出していて反応が遅れたタキツに直撃してしまった。
「ゲホッ……あ、危なかった……速すぎるだろ!空気抵抗とかどうなってんだ!?」
『『グルルルルゥゥゥ…………』』
魔法なんていう不思議現象が存在する世界で、空気抵抗を考えるのは無駄なことである。
「はぁ…………この刀がなかったら俺が消し飛んでたな。あの光線も斬るとは……やっぱすげぇなこれ。」
そう言って装飾は無く、光を反射しない黒刀を見るタキツ。
凄いのは当然だ。この刀は過去にタキツにいろいろあって生まれたものだが、その生まれた経緯に問題がある。
タキツは、ある人物が異世界に連れ去られたのを助ける為に、その世界に単身で飛んだのだがこいつはブチ切れていた。
世界ぐるみで誘拐していたこともあって、その世界の九割近い人を殺したのだ。
その時に使っていた普通の日本刀にタキツの様々な感情と世界の絶望や、数多の生命と魂が染み込み、いつの間にか黒く染まり鞘に銘が刻まれていた。
それが、全てを飲み込む悲刀〔グリネスワレット〕なのだ。
「“センジン”の由来を見せてやんよ。…………ハッ!」
『…………!?』
一瞬で1kmはあった距離を跳び、天祖竜をバラバラにする。当然のように魂も切り刻む。しかしまだ回復力の方が上なのか再生が始まる。が――
「……っぁぁぁぁぁあ!!!!」
――再生する肉片を片っ端から粉々にしていく。だがそんなことを獄祖竜が黙って見ているわけがない。
タキツよりは遅いが、かなりのスピードで飛び、タキツに全身でぶつかる。
『グルァァァァァア!!!!』
「っるせぇぇぇぇぇえ!!!!」
―――ヒュッ……ズババババババババ!!!!
しかしこちらも切り刻まれ肉片と化してしまう。
……獄祖竜はわかっていた。普通に突っ込んでも効果が無いことに。だから――
「なっ……!?」
―――ドオォォォォォォォォォン!!!!!!
――至近距離で自爆することにした。たしかにこれは有効だった。タキツがその場に留まれるほど甘い攻撃ではないのだ。文字通り、命を懸けた特攻なのだから。
「くっ……さすがにあれは斬れないか。回復力を上回るダメージを与えりゃ、消滅すると思ったんだがな。」
『『………………』』
「……?あいつら何黙って……!?またかよ!!」
―――キュァァァァアアアアアアアア!!!!
「ハァッ!!!!!」
―――ズバズバンッッ!!!!!!
「ふぅ……ブレスは厄介だな。毎回見切るのに集中しないといけねぇし…………結界はまだか?結構経ったと思うんだが……。」
『『グルゥゥゥゥゥ……』』
「……まだまだヤル気十分って感じだな。」
『『ギュァァァア!!!!』』
「…………ふっ!」
上空から落ちてくる天祖竜を回避。地面が割れたところで、獄祖竜の尾が迫るが斬り飛ばし防ぐ。更に刀を振るい衝撃波で天祖竜を粉々にする。
そこに獄祖竜の顎が繰り出される。しかし蹴り上げられて不発に終わり、続けて胴を蹴られ体が消し飛ぶ。
その間に再生した天祖竜が前脚で切り裂こうとするがタキツは刀で受け止める。そこに自らの脚を犠牲にブレスを放つ。
これにはタキツも焦り、飛び退こうとしたところで背後から横薙ぎに獄祖竜の尾が迫ってきた。そこでタキツは回避を諦め、脚とブレスをなんとか斬り消し、尾を食らって吹っ飛んだ。
「ぐっ……なんて面倒な回復力なんだ……。殺すだけなら簡単なのに……!結界が張られた!?やっとか!!」
ここでカルマに頼んでいた結界が張られた。直径5kmの円柱で高さは10kmほど。天井は無いが、それは関係ないだろう。
「……っし!本気で行きますかぁ!!
“固有領域”
魔纏牢!
“固有領域”
拡大解釈!」
“固有領域”を二つ使うタキツ。これは普通はありえない。何故なら使用者に最適な(・・・)空間に変えるものだからだ。
これにはタキツの性格と性質が関わっているのだが、それはまた今度。
今は二つの“固有領域”について説明しよう。
魔纏牢は、その名の通り魔法を纏う(・・・・・)ことが出来るようになる。
例えば、リリスの《レニエンテーション》を纏って殴れば存在を消す拳になる。
拡大解釈は、結論から言うと屁理屈を正当化することが出来る。
どういうことかと言うと……水を操れる。なら液体だって操れるだろ?じゃあ相手の体液だって……と、連想ゲームのように出来ることを増やすのだ。凶悪である。
「まずは獄祖竜から消すか。たぶんしばらくは自爆出来ないだろ。
魔纏・神雷」
―――バチバチバチィッッ!!!!!
タキツは早速魔法を纏うと、獄祖竜の目の前に出現する。
「はあぁぁぁっ!!!」
『っ!?!!?』
―――バリバリバリバリバリィィィ!!!!!
斬り刻まれ肉片になった獄祖竜を更に雷が襲う。その威力に肉片全てが炭化する。
その余波だけで結界内の地面が割れてしまった。
獄祖竜はすぐに再生……とはいかなかった。今までとは桁の違うダメージに回復が追いつかないのだ。一撃で魂もボロボロになってしまったほどだ。
『!?……ガアァァァァアア!!!!!!』
「っ!……でやぁぁぁ!!!」
―――ドゴッッ!!……ドォォォォォン!!!!
再生の遅い獄祖竜を見て天祖竜がタキツに襲いかかる。タキツは反撃するが何故か刀も魔法も使わない。天祖竜は3kmほど吹っ飛び結界に衝突したが。
「チッ……やっぱし魔纏は不完全だな。持続時間は短けぇし、冷却時間は長ぇし……。
それよりも……サヨナラだ、獄祖竜。
絶対の消滅」
―――シュゥゥゥゥゥゥ…………
まだ再生しきれていない獄祖竜を白い風が包む。すると徐々に、徐々に消えていく。まだ再生し続けてはいるが消滅する方が早いようだ。
実は《バニエテュート》は存在しない魔法で、《タークリテーション》により拡大解釈して新たに作った魔法なのだ。だが、そのまま使っても神祖竜には大した効果はない。大ダメージを与えて初めて消滅させることが出来たのだ。
『ガ……!グル……ァ………………』
「…………お疲れさん。お前の『ギュァァァア!!!!』……チィッ!!」
獄祖竜が完全に消滅し、願いを叶えたことを伝えようとした瞬間。天祖竜が尾を振り下ろしてきた。当然タキツは避ける。
「少しは空気を読めよ!今の雰囲気でそれはないだろ!!」
『グルルルルゥゥゥ…………』
「はぁ…………お前もすぐに消してやるよ。」
『ガァァァァァァア!!!!』
「よっ、と……ぶっ飛べ!!」
天祖竜の顎を避けて、前脚を弾き、胸を叩いて吹き飛ばす。
「ランク下げればいけるか……?
魔纏・聖炎
……うん。大丈夫みたいだな。」
『グルァァァァァア!!!!』
「……っせいっ!!」
―――スカッ……
「なっ!?」
初めてタキツの攻撃を天祖竜が避けた。というか自分から斬られる部分を消滅させて斬撃をやり過ごしたのだ。
『ギュアァァァァァァァァアア!!!!!!』
―――キュァァァァアアアアアアアア!!!!
そして至近距離からブレスを放つ。タキツは刀を振り切り死に体で何も出来なかった。
―――チュドォォォォォォォォオン!!!!!!
「~~~~っ!!!!」
直撃してしまったタキツは爆風に飛ばされて、森の中に落ちてしまった。それを追いかける天祖竜。
それを一人の少女が見ていた。
「……っ!功一ぃっ!!!!」
リリアルだった。タキツの殺気を受けても逃げずにずっと見ていたのだ。
ちなみに、タキツが功一だということは気付いているが名前はまだ知らない。
「ど、どうしよう……功一がやられちゃう!……行かなきゃ……行かなきゃ!!」
リリアルは森へと走って行く。
こうして殺し合いは終わりに向かって加速していくのだった。
次回か次々回で神祖竜のくだりは終了する予定です。
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