決戦!神祖竜vsカルマ
またまた遅れてしまいました(汗)
今回は何故か説明回に……。
皆さんも、もうおわかりかと思うが、功一が転移したその頃。
ヒルダやリリスは“カルマは楽勝だろう”と予想していた。
では実際はどうなのかというと――
「…………?」
――その通りだった。
カルマは神祖竜が想像していたよりも弱くて困惑していた。
「…………タフさだけが取り柄?」
『グルゥゥゥゥ……』
何故ヒルダやリリスが対処に困った相手なのに、カルマは余裕なのか。
それはカルマの種族に理由がある。
死神には二種類の役目がある。
一つは役割を終えた命を刈り取り、冥府へ送ること。
もう一つは生き物全般を霊的な脅威から保護すること。こちらの役目を可能にする死神固有の能力が今回の問題点だ。
霊的な脅威とは普通の人には見えない存在からの、魂への直接干渉のことを指す。
そして魂への直接干渉が出来る存在のほとんどは肉体が無い。あっても身体的ダメージだけでは殺せない。
だからそれらを確実に殺す為に死神は魂へ直接ダメージを与える力を生み出した。
その力が、際限なく“命”を取り戻す神祖竜の“魂”を削っているのだ。
神祖竜の魂は一つしかない(普通はそうだが)。それを削られてしまうと、このしぶとい竜でも回復出来ないダメージを負ってしまうのだ。
だが――
「…………しぶとい。ボクが(・・・)何回斬っても死なないのはおかしい。」
――神祖竜のしぶとさはハンパなかった。
たしかに、この竜の魂は削れてきているのだが、その量(大きさ)と質が物凄いのだ。
数字にすればわかりやすい。
カルマが一回斬ると魂を20~30削れるとする。対する神祖竜の魂は大体2万くらいあるのだ。最低でもカルマは700回ほど斬らないといけない計算になる。
「…………面倒。どうせ斬り続けられれば死ぬんだから早く死ねばいい。」
『ギュァァァア!!!!』
「…………ふっ!」
―――ズバッ!……ドシャァァァ…………
神祖竜の突進を難なく避けて、反撃に大鎌で翼をまた斬り落とす。
『ガアァァァ!』
「…………しつこいしうるさい。……もうあれ使おう。ご主人様がくれた技。
魔闘技展開……【シュバルツ】。」
そう呟くとカルマの全身が漆黒の渦巻く魔力に包まれる。
魔力が霧散して姿が見えるようになったカルマは、まさに戦闘装束という感じの格好をしていた。
ローブ・ガントレット・ブーツ……他に身に着けている物も全て黒で、暗殺者のように見える。
「…………久々だったけど成功。……じゃあ、いくよ?
【雷纏】【鋭刃】【轟撃】【金剛】【震壊】【襲踏】【幻武】」
そう言っていきなり複数の自己強化を施す。
この強化こそが魔闘技の特性だ。これは魔力を使ってはいるが魔法ではない(・・・・・・)のだ。じゃあなんだと聞かれると魔闘技としか答えられないのだが。
魔法とは魔力に属性や特性を与えて放出するものだ(自己を補助・強化する魔法も一度放出してから自分にかける)。
だが魔闘技は魔力に属性や特性を与えるところまでは同じなのだが、放出せずに使うのだ。
何故、そんなことが出来るのか。それは先ほど紹介したカルマの装備が理由だ。
今カルマが身に着けているものは全て魔力で出来ている(これだけは魔法で作っている)。
そして、この装備があると魔力の放出が出来なくなるのだ。詳しいことは省くが、あの黒い装備が魔力の蓋のような役割になっているというわけだ。
じゃあ普通の強化と何が違うのかというと、効果と魔力効率が全然違うのだ。
理由は簡単で、一度放出すると多かれ少なかれ魔法は減衰してしまうが、放出しない魔闘技にそんなことは全くないからだ。
さて、そんな凄まじい強化が施されたカルマは――
「…………はぁ!」
――音より速く神祖竜を切り刻んでた。
『グ……ガ……ガァァァアア!!!!』
「…………遅い……!」
―――ズバズバズシャバスビシュッ!!!!
音より速く斬っているので鎌の先端から衝撃波が発生し、斬られる以上のダメージを受ける神祖竜。その速度に反応すら出来ずに刻まれ続けている。
「…………ふぅ。結構斬ったけど、いつ死ぬんだろ?」
『ガ……ギィ……グルルゥゥゥ…………』
「…………ホントにタフ。だけどそろそろ限界のハズ。」
カルマの言う通りで、もう神祖竜はボロボロだった。もちろん魂も。
事実、あと50回ほど斬れば神祖竜の魂は消滅するくらいにまで削れているのだ。さすがにここまで魂が減ってしまうと、しぶとい神祖竜ですら何も出来なくなってしまう。
『グルゥ…………ガアァ……ァァ……』
「…………終わり。」
―――ザシュシュシュシュシュッ!!!!
『……ガ…………』
「…………はぁ、お腹減った……。」
ヒルダとリリスの予想通り、呆気なく簡単に勝負はついた。
近接戦闘特化のカルマは最後まで神祖竜の正体には気が付かなかったが。
魂を攻撃可能でも最強ではありません。
次回、俺のターン!
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