決戦!神祖竜vsヒルダ
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誤字を修正しました。
功一がクライスの神祖竜を感知して転移した頃。ヒルダは――
「…………ふむ。なんでしょうね、この異常な再生力は。」
――意外と苦戦していた。なにせ幾度も首を折り、頭を割り、胸を貫いても一向に死ぬ気配が無いのだ。
『グルルルル……ガアァ!!』
「無駄ですよ。」
―――ドゴッ!……ズシャァァァア……
「私と同等の回復力ですか……。魂を直接叩ければよいのですが……こうなるとカルマが羨ましいですね。」
『グルルァァァアア!!!!』
「滅びの黒風。」
『………………!!!!??』
「……これでも駄目なら、塵も残さずに消し去るしかありませんかね?」
そう呟くヒルダの視界では壁に叩き付けられてなお黒い風に襲われ、身動きも呼吸も出来ない神祖竜がもがいていた。
当然、この風もただの風ではなく、見る見るうちに神祖竜の身体が崩れていく(・・・・・)。
この魔法は相手を骨だけの死体へ変えて、ボーンアンデッドとして使役する為のものなのだ。
神祖竜が完全に骨になり黒い風が止む。 しかし――
「……やはり、駄目でしたか。」
『グオオォォォォォオ!!!!』
――瞬く間に肉が再生して命を取り戻す(・・・・・・)神祖竜。 対するヒルダは言葉ほど残念に思ってはいないようだ。
「次は血を吸い尽くしてみましょうかね。……あまり美味しくはなさそうですが。」
――転移。そう言うとヒルダは神祖竜の背に出現する。
そして血を吸うために拘束魔法を使う。
「不滅の血鎖。」
『ガアァァァア!!?!?』
絶大な魔力が込められた赤黒い鎖が神祖竜を縛り付ける。早速ヒルダは血を吸うが……
「……ゴクッ。これも駄目ですか。隷属化も出来なければ血も減らないとは。まあ、魔力の補充が出来たので良しとしましょうか。」
(しかし、本当にこの生命力……いえ、確実に死んではいるのでやはり回復力ですか。この回復力はなんなのですかね?……タキツ様はこれを想定して“確実に殲滅しろ”と言っていたのですか。たしかにこれは塵一つ残せませんね。)
実はヒルダは気付いていないが、神祖竜には常時魔力が供給されているのだ。
かなり高位の存在に秘匿されている為に、魔力に関しては使い魔三人の中で一番下のヒルダでは気付けないのだ。
……それでもユピテルの人間には到達し得ない領域なのだが。
『グルゥゥゥ……』
「ふぅ……縛っている間にいろいろ試してみますか。
破滅の血雨。
更に、夜神の鎮魂歌。」
連続で魔法を放つ。先ほどから使っている魔法はこの世界では間違いなく禁呪指定されるものだが、ヒルダに疲労の色は無い。
それも当然で、今まで血を吸って吸収した魔力がそのまま溜まっているのだ。その量はリリスやカルマの50倍はある。
「うーん……これも効き目無し、ですね。一度、しっかり考えてみましょう。何故何度も生き返るのか。」
ヒルダは考える。生き返るその方法を。しばらくして出た、いくつかの可能性を頭の中で整理してみる。
(一つは命のストックがある可能性。これなら殺し続ければその内死にますね。
次に魂を複数持っている可能性。これだと打つ手がありません。たしかに、殺すことで魂を摩耗させることは出来ますが、それだと膨大な時間が掛かってしまいます。
三つ目は、実は命が最初から無い可能性。ですがこれは《ナイエム》の効果が全く無かったので違うでしょうね。
最後に、神祖竜は生命体ではない可能性。これだとすると少し厄介ですね。ただの回復魔法では普通に回復してしまいますし。生命力を注ぐ魔法は手持ちでは…………いくつかありますね。ちょっと試してみますか。)
未だに鎖から抜け出せない神祖竜に向かって、ヒルダは先ほどまでの魔法とは明らかに用途が違う魔法を放った。
「生命の聖光。」
力強いが優しい光が神祖竜を照らす。この魔法は光系統に属しているもので、ヒルダが苦手としている魔法だった。
だがそんな魔法を浴びた神祖竜は――
『……!?グルアァァァ!!!!ギャォォォオ!!!!!!』
――今までにないくらい苦しみだした。
「やはりですか。これなら早く片付きそうですね。では次に……っ!?」
それを見てヒルダは予想が正しかったことが証明出来て少し嬉しそうにしていたが、
―――ドォォォォォォォォン!!!!!!
突然の爆発に巻き込まれ、灰すら残らずに消滅してしまった。
だがヒルダは次の瞬間には爆発前と同じ状態で立っていた。
そして辺りの光景を見て驚く。
「なっ……そうきましたか。まさか自爆するとは。大した威力でしたが私は殺せませんよ。」
そう。なんと神祖竜は自爆したのだ。体内で魔力を超圧縮し、一気に暴発させることで。
その威力は直径約1kmを焼き尽くし、焦土と化してしまうほどだった。
『グルルルルル……!』
「鎖も無くなってしまいましたか。まあ弱点はわかったので関係無いですが。」
『……ギュアアァァァ!!!!!!』
「五防反射。
善なる蘇生。」
再度、襲いかかってくる神祖竜。それに対しヒルダは冷静に防御と反射の複合魔法で対応し、更に過剰な生命力を注ぐ魔法を放った。
先ほどとは違い、淡く柔らかい光が神祖竜を包み込む。
『…………!!……グ……ガァ……!』
「どうやらその身体には生命力がないようですね。いえ、生命力を受け付けられないのでしょうか?それが原因で生命力を注ぐ魔法を受けて、肉体を保てなくなってしまうのですよ。まあこんなことを竜に話しても意味はないですが。…………それにしてもこれを造ったのは一体……?」
光に包まれた神祖竜は、崩れ落ちて光になって消えていく。
こうして最後は呆気なく、ヒルダと神祖竜の戦いは終わった。
この時のヒルダの疑問はしばらく経ってから解決されるが、それはまだ誰も知らないことである。
普通はヒルダのように名前だけで魔法はほいほい使えません。
次回はリリス回。
低くて構いませんので、評価をよろしくお願いします。




