どんな道
驚きのあまり…俺の口から、辛い液体が少し垂れた。
「あ、カレーでてるよ^^」
「いや、なんでっ……お前、知ってるのっ?」
俺は動揺したまま、目の前のチャラ西に問いを返した。
「え~、だって俺、あいつと同じ高校だし~話した事ないけどさぁ」
(そ、そうか、同じ出身校なら、そりゃあいつはあんなに目立つ奴だし)
「で……でも、その……」
聞きたいような聞きたくないような、聞いてはいけないような。
わずかな葛藤が俺の心で渦巻いたが、好奇心がしゃしゃり出た。
「同じ高校なら皆知ってんのか?」
「ん?どうかな?まぁ、だいたい知ってるかもなぁ、けっこう噂になったし」
「そうか」
「なぁに~?心配?」ととんでもない事を口にした。
「ばっ、そんな、関係ねえじゃん」
俺ってば、言葉が上手くでなぃ。中西はニヤニヤして煙草を1本取り出して、その煙草をもてあそびながら、ツンツンと俺の指先をつついた。
「え~あんな、ヒーローちっくに助けといて関係無いの?」
「ねぇよっ!!」
「ま、でもさ、あん時よく身体すぐ動いたよね~。なかなか自殺なんて止めに入れないじゃん」
「え?自殺??」
「自殺でしょ?あれ、入水でしょ?」
(あ……そっか……自殺……確かに)
俺は急に唐突に悟り、どよ~んとした空気を醸し出した。
「なに?哲ちゃん、自殺と思ってなかったの?」
「うむ、思いつかなかった」
でも確かに俺はあいつに咄嗟に「死にたいのか」って叫んだか。
(でもまさか本当に死にたいなんて)
「哲ちゃんって、ちょっと抜けてら(笑)」
「ぐっ」
「普通、自殺しかけたやつ、意識ねぇからって置き去りにしないだろ?びっくりしたよ~気付いてなかったの~?おっもしろいなぁ」
(いや、面白くは無いっ、全然っ)
「なんで、あいつ……自殺なんか」
「だから、こっちが聞いてんじゃん?」
そうだな、そりゃ聞くわな。
「だってさ、静ちゃんあんなに別嬪さんなのにもったいないじゃん」
「え?」
「可愛いだろ、めちゃくちゃ、静ちゃんさ、もっとこう視野を広げたらきっと人生楽しくなると思うんだよ~本当にもったいない」
「ん?」
「だからさ、俺達で、静ちゃんをもっと楽しい道へ導いてやんない?」
「いや、俺は関係ない……し……」
「関係なくないでしょ^^。さっき庭で話ししてたじゃん」
「!!」(このやろ~見てやがったな!!)