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白い彼岸花  作者: ばるる
21/42

酔っ払った中西を控室に運び、俺は未酔夜を後にした。

もう夜中だ。腕時計を見ると11時が過ぎていた。

だがまだ終電には間に合う。

俺は火照った頭を冷やす為ゆっくりと駅に向かって歩きはじめた。


(…中西の奴もなんかいろいろあるんだな…)


(ノー天気で何にも考えてないみたいに思ってたけど…そういや…最初から静を随分気にしてたもんな…

ちゃらいけど…良い奴だよ、あいつは…)



そこでまた、中西の言葉がぽっと頭に浮かび

俺の頭から首筋まで火照りが降りて来て…体がカッカしてきた。


(…夜中で良かった)と、ホッと溜息をはく。



(なんか…無性に静に会いたい…あって…ムギュ~っと抱きしめてぇ…かも……俺って変態…)


「あ”~~っ」と片手で頭を掻き毟る。


そんな事より…静の不安をなんとかしないと…



(…あのくそ野郎をぼこり倒して、静の前で土下座させてぇ……まぁ…もう逮捕されたのだから…何らかの法的社会的罰は受けるだろうが…)


それにしても…なんで日本にハムラビ法典がないんだ…とムカムカする。


あいつも同じめにあえば、ちったぁ、人の痛みが解るのに…


俺が神なら倍返しだ…



はぁ…とまた溜息。



(…でもきっと…あいつをボコボコにしても…)


(…静の深い心の傷はなおらない…)



好きだった奴を自分の過失で失って…ずっとずっと自分を責めて生きてきた…

せっかく…前を向いて立ちあがった時だったのに…

あいつは、また自分を責める…


ずたぼろの魂で…いつまでも闇に囚われる。


「どおすりゃ良いんだよ…」


俺は…どうすれば…

消化しきれない怒りと不安と戸惑いが…俺の腹の中でゴチャゴチャ揺れ動く。


俺は暗い夜道…駅の明りを目指して足早に歩き出した。










































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