26.生存者がいるらしい
慌てて駆け出したものの、方向的に住宅街を進まないといけなくて、ふと冷静になった。
最近ゾンビを見てないとはいえ、警戒しないで進むのは流石にまずいと思いとどまる。
「いったん落ち着け私。ケアパケはすぐになくならない」
ちょっと冷静さを取り戻し、落ちたであろう方を見ると赤い煙が上がっていた。
本当にああいう感じなんだってゲームの知識と合致する。
あと住宅街の方に落ちてくれて助かったと思う。
ビル街だと煙を見ながら移動できないし。
迷子にならないように来た道を地図で確認しながら進みようやくたどり着いたところには真四角の大きな鉄の箱が落ちていた。
もう煙はほとんどで無くなっていて、見る限り私以外にこれを見つけた人もゾンビもいなさそう。
「で、どうやって開けるのこれ?」
ちょっと開け方がわからない。
まず邪魔なパラシュートの紐を類を外したいけれど絡まってて難しい。
念のためリュックに入れてたカッターナイフで無理やり切って外していく。
で、パラシュートを外したら、深緑いろの布っぽいので包まれた四角い箱が出てくる。ただ、それも太い帯みたいな紐でがんじがらめだった。
箱の周りをぐるぐる見回してみると、金具みたいなのがあってそれを引っ張ったり押したりしてみたら緩んできたから頑張って外していく。
で、ようやく周りを覆っていた布も取り除けて蓋を開けることができた。
中にはサツマイモとかニンジン、水のペットボトルがいっぱい。あと医療品みたいなのが入ってた。
「サツマイモとかニンジンは今貰っても困るかな……」
調理ができないもん。やろうと思えば鍋ぐらいできるかもしれないけれど。
ただ痛み止めとか包帯はもらっておく。
しばらくあさってると1通の封筒が出てきた。
「伊豆大島で生存者が生活しています?」
そこには、このケアパケが伊豆大島の飛行場から自衛隊の機体で運ばれてきたこと、生存者がいてこれを読んでいるなら伊豆大島に来てほしいという事が書かれていた。
あと1枚の写真。
昔両親から見せてもらった写真みたいに右下に日時が書いてある自衛隊の人と普通の人たちが映った写真だった。
日付を見る限り、一昨日撮られたものらしい。
「生きてる人がいたんだ、私以外にも……」
なんだか胸がちょっと熱くなって目がウルウルしちゃう。
ずっと考えないでいた。もう私一人しかいないかもしれないって。
でも、どうやらそうじゃないみたい。
もしかしたら学校でからかってた先輩もいるかもしれないし、見知った顔も一人ぐらいいるかもしれない。
私は少しの医薬品と水とすぐ食べれそうな缶詰となんかビニールパックに非常食って書いてあるのをもっていったん家に戻ることにした。




