これは異世界なのか、それとも同じ退屈な企業日本なのか?
これは私が創作中の新しい物語です。皆さんに応援していただければ嬉しいです。
目覚めた場所には、神はいなかった
ある朝、
日本の企業社会で働くすべての労働者たちは、異世界で目を覚ました。
それは、人々が想像するような異世界ではなかった。
城はない。
迷宮もない。
ドラゴンも、エルフも、魔法の力も存在しなかった。
そこにあったのは、果てしなく広がる草原と、風に揺れる濃密な植生だけだった。
遠くの地平線には、黒く口を開けた鉱山が点在し、内部には未知の鉱物が眠っていることが、直感的に理解できた。
理由はわからない。
説明もない。
誰かに呼ばれた記憶すらなかった。
突然そこに「在った」だけだった。
混乱は即座に広がった。
会社員たちは互いに叫び合い、走り回り、地面を叩き、空を見上げた。
出口を探し、境界を越えようとし、何度も試みたが――どこにも帰る道はなかった。
この奇妙な世界から、出ることはできなかった。
説明不能な状況に耐えきれず、その場で意識を失う者も多かった。
中には、泣き叫びながら崩れ落ちる者もいた。
日が経ち、週が過ぎ、やがて月が流れた。
混乱は収束しなかった。
むしろ、より静かで、より深刻な形へと変質していった。
ある者は、自分たちが正気を失ったのだと信じた。
ある者は、すでに死んでいるのだと考えた。
ここは死後の世界であり、これは罰なのだと。
しかし――数か月に及ぶ混沌の末、
日本の企業社会を支配していた者たち、すなわち社長たちが動き出した。
彼らもまた、何一つ理解してはいなかった。
ここがどこなのか。
なぜ来たのか。
いつ、あるいは本当に帰れるのか。
それでも彼らは、強く信じていた。
不確実な時代に必要なのは、
自由でも、感情でもなく――
秩序と調和であると。
そうして、異世界においても、
企業は再編され、指揮系統が敷かれ、役職が復活した。
この世界に、再び「日本の企業社会」が根を下ろした。
数年後、すべては一変していた。
簡素な工場と建物が建設され、
サラリーマンとOLたちは、休むことなく働き続けていた。
地球にあった頃と、何一つ変わらない。
違うのは、空の色と、帰る場所が存在しないことだけだった。
過労死――
**過労死**は、この新しい社会においても、依然として珍しいものではなかった。
若いサラリーマン、マコトは、かつて異世界に行くことを夢見ていた。
だが、彼の目の前にあるのは、
夢見た異世界ではなかった。
それは、
彼の大切な異世界を破壊する――
過労死の日本そのものだった。
誰も知らなかった。
このすべてを、
空の彼方から静かに観察している、
奇妙な存在たちがいることを。
歴史は、すでに記録され始めていた。
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