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やっぱり自力返済かしら。

「・・・大体のことはわかった。で、、、」


「で?」

「お前は一体何者なんだ?」

「は?ブラウ家のナタリーですけど?あ、ナタリア、ってのはイリア語読みです。」

おばあさまに頂いたクッキーがあったかな?食べちゃったかあ、、、

「腹が減ったのか?」

「そうですねえ、、、レディの家に来るのに、花とかお菓子とか持ってくるのが定番なのでは?」

「レディの、、、」

「大体において、新入生の名簿は確認したでしょ?身元も。ね、生徒会長さん。」

「母は、平民。平民?なぜ、国王がお前の母を知ってるんだ?」

「今は、平民なんです。まあ、男爵家に嫁いだので、男爵夫人?」

「は?」

「前は、、、フェイロンのお父様の同腹妹です。仲がいいんです。あの兄妹。身分を捨てて、うちの父のところに押しかけ女房に来たんです。大騒ぎだったらしいですよ。」

「・・・・だろうな、、、」

「ですから、フェイロンは私の従兄弟に当たります。今回も無茶振りされました。びっくりですよ。まあ、特定の女性を連れてくるわけにもいかなかったので。

彼は、一年後に皇帝位を継ぐのを決められたので、後は、正妃を決めなくちゃならないんです。やけになってますね。もう20人ぐらい後宮に綺麗どころが送り込まれているので、その中から選ぶことになりますね。」

「・・・・・でも、納得していないのだろう?」

「立ち位置を考えろ、これは私の家庭教師が、、、ルーが、常々言っている言葉です。」

「・・・・・」


私だってどうにかしてあげたい。


「しかし、、、お前の領にいたら見つけやすいんじゃないのか?」

「木を隠すには森の中、って感じですかね?王命でしたよ。」

「・・・・・」


話すべきことは話した。貴方だって、王太子の身分を隠してたじゃない。

「いや、、、学院はそんなもんだ。」

カップをソーサーに戻す。仕草はいつ見てもきれいだ。


「で?」

「は?」

「・・・お前は、あいつと一緒に栄国に帰ったりしないんだな?」

「行きませんよ。ハル様への借金返済もまだまだですし。」

「・・・そう、か、、、ふふっ、、そうだな。」

ハルはゴロンと横になった。顔は見えないが、耳が少し赤い。あったまったのかな。

膝に乗せられた頭を撫でてみる。大きな猫みたいだ。金色の。

ひじ掛けに置いたブランケットをふわっとかけた時には、もう寝息が聞こえている。

忙しかったんだなあ、昼寝できないほど。


しばらく猫の毛並みを撫でる。


くもった窓ガラスの外は雪になったみたいだ。






*****

「それで?話とはなんだ?」


父の執務室の人払いをお願いした。

「イリア国に行こうかと思います。」

「お前がか?何しに行くんだ?」

「・・・・・」

「・・・あの娘に、、、何とかしてやってくれとでも頼まれたのか?」

父は書類の束から顔を上げて、ニヤリと笑うが、眼は笑っていない。


「いえ、私が即位するまでに、憂いを無くしておこうと思いまして。」

「ほお、、、やれるのか?メリットはあるのか?勝算は?」

「まだ、解りません。つきましては、貴方のお持ちの調査資料と、イリア語が堪能な、腕利きの潜入捜査官と護衛を何名か、貸してください。」

「それだけでいいのか。」

「あとは、、、書簡をしたためていただきますが、それはまた後日。整い次第、お願いにあがります。」

「ふん。後でお前の執務室に揃えさせる。長引かせるな。」

「はい。ありがとうございます。」

書類に戻った父に深々と頭を下げて、退席しようとした背中に声がかかる。


「そういえば、お前、あのウィルに成績で負けたらしいな。」

「はい、、彼は優秀ですので。ゆくゆくは私の右腕となる人材です。」

「ふむ・・・」

顔を上げて、まじまじと息子の顔を見る。


「それからな、、、お前、レディを訪問するときは花か菓子を持っていくもんだぞ?まあ、、あの娘なら、菓子だな。」

「・・・・・」



あいつは変わったな。いい目をするようになった。


さて、、、どうするかな?




*****








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