第4話 魔女候補(転生者)を発見
ここは、魔女の家。
「サナエさん。神様が召喚した転生者を発見しました。ミズホ王国の王城の中です」
「そう、やっと見つかったのね。猫の聖獣を呼んでくれる?そうね。女の子のジジが良いわね」
「お呼びですか?サナエ様」とジジがやってきた。
ジジは、猫型の聖獣で、大きさは家猫から虎まで変化できる。人との会話もスムーズにできる。
サナエは、魔女の家の管理人。
「ジジ、ミズホの城に行って、召喚した魔女候補の様子を見て来てくれる」
「了解」
一年前、神様から魔女候補を召喚したので、探して面倒を見るように仰せつかっていたが、やっとミズホ王国の治安維持部隊のアオシから大きな魔力を検知したと連絡があった。
ジジは、早速飛行艇でミズホ王国の王都、白金の都に向かった。神殿の広場に降ろしてもらって、周りを見ながら、魔力の大きな方向へ近づいて行った。
うん。ここが王城だな。
この世界は、滅多に戦争がない。だから、王城と言っても高い城壁がない。目隠し程度の2メートルほどの生け垣が巡らされていた。まあ、私の身体は家猫程度になっているので、隙間から侵入した。
縁側の椅子に少女が座っている。銀髪に赤い目。魔女候補だ!。
よしよし。黒い家猫、問題なし。
「ミャー」と近づく。
「あれ!どのこの猫ちゃんかな?」
魔女候補の少女が手を向けてきた。
と、あごの下をさわさわと。
おぉぉ!しびれる!ゴロゴロ、ゴロゴロ。
「まあ、可愛いわね」
と言いながら、私を膝の上に持ち上げた。至福の時が・・時が・・。
「まあ、寝てしまったようね。可愛い」
はっと、私は意識が戻ってきた。
気が付くと、魔女見習いも、うつらうつらと寝ていたようだ。
「ミャー、ミャー、ミャー・・・」
「うーーーーーん。あれ!、ちょっと寝ちゃったみたい」
「ミャー」
しめしめ、これで居座りできそうだ。
侍女のイネと言う人も、あらあらと言って、私を可愛がってくれそうだ。
魔女見習いの名前は”サヤカ”と言う。また、アンズちゃんと言う姉が居た。
アンズちゃんは、私をじっと見つめて、『まあ良いか』って、言いながら撫でてくれた。やさしい人だ。それに、私の正体も分かったみたい。不思議だ。
ここは魔女の家。
「ジジご苦労様。魔女候補は、どのような人でしたか?」
「1年前は病気で寝たきりだったと。その時に入れ替わったみたい。前世の名前は宮之前・紗耶香、今はサヤカ・ミズホ。ミズホ王国の第4王女だったね。優しい目をしていたよ」
「わかりました。こちらの話をするには、もう少し時間を取りましょう。幼い時間を楽しんでもらいましょう。話せた方が何かと便利でしょうから、猫の真似を続けるかどうかは、あなたに任せるわ」
「了解。それとアンズちゃんという姉がいたけど、彼女には、私の正体がわかったみたい。不思議な人だ」
(恵さん。可愛い猫ちゃんが、私のそばで転寝をしています。誰かの飼い猫ではないようですので、居候させています。何かしゃべっているような、変な猫です)