第16話 魔物とモンスター
「ジジ? この世界には魔物とかモンスターとか居る?」
「そうね。私、ジジは聖獣よ。獣は魔素が溜まると黄色い目の魔物に進化するよ。モンスターはそのまま。よく出くわすのは、猿鬼と猪鬼、犬鬼だねね。ダンジョンの中は、魔物モドキがいる。本当の魔物は魔王の配下なのでダンジョンにはいないよ」
「モンスターは、ゲートから転移してきたレベル1の原始人だそうだ。魂はあるものの人になりきらず、この星で進化の修業をしているらしいよ」
巴に輝いている白色、黄色、青色の3つの太陽には、”光”、”魔素”、”精霊”の光をこの地に届けています。青色の太陽の影響を多く受けると聖獣になり、黄色の太陽の影響を多く受けると魔獣になるとのことです。多く受けると言うことは、獣は長生きしないと魔物にも、まして聖獣にも魔獣にもなれません。
でも、魔獣と聖獣のどちらかになるかの条件は不明らしいです。
獣人族も、時に魔獣や聖獣になるそうです。
「私は、魔女の家で飼われていて、200歳ぐらいになるかな?」
「ほう。そうなんだ。ところで魔獣ってどんなの? それにどこにいるの?」
魔獣は、なぜかトネリコ大陸の北、竜人族の国の北の地域に生息しているそうです。大陸のどこかで魔獣化すると、なぜか北の魔物エリアに移動するらしい。だから魔物エリアには、魔獣が沢山いる??。
巷では、だれも行ったことなし、見たこともないそうです。まあ噂だけかな?。
「魔物の瞳は黄色、聖獣の瞳は青色、魔女の瞳は赤、なぜか魔獣の瞳は赤なんだ??」
今日も、カエルを引き連れて、農道を練り歩いていました。
「こらー。お前の通った跡を見てみろ。折角の畑が台無しだよ!」
「あ・・・。すまん」
私は振り返って、事の惨状をみたのです。犬ほどもあるカエルが群がって、行進した顛末は、畑の作物がなぎ倒され、無残な状況を呈していました。
「アラン!言葉が過ぎるぞ。この方は第4王女のサヤカ様だよ。謝れ!」
「いやだ。苦労して作った野菜をダメにしたのは、こいつだ」アランが指をさして叫んだ。
ゴツンという音がして、アランが吹っ飛んだ。
「すみません。無礼なことを申しまして。あやつにはこの後しっかりとしつけますので、お許しください」
アラン少年の叔父だという人から、謝罪の言葉をもらいました。
いや、謝るのは私の方です。
「いえ、いえ。ちょっと調子に乗りすぎたのは私です。ごめんなさい」
私は、カエルどもを元の大きさに戻して、来た道を戻りながら、畑を魔法で直していきました。
そして、荒らした出発点に来て、ああ・・やっと終わったと思った途端、魔力切れで意識を手放したのです。
目が覚めたら、自分の部屋の布団に横たわっていました。
いたずらが過ぎた。迷惑をかけた。こんなことは止めましょう。
そういえば、アランの瞳が一瞬赤色になったけど、あれは魔獣??
「ジジ、あのアランね。瞳が一瞬赤色に見えたけど、気のせいかな?」
「ああ、あれは魔獣化の一歩手前だね。白狼の血が濃そうだね」
「放っておいていいの?」
「問題ない。聖獣は魔女の僕、魔獣は魔王の僕なんだ。初代魔女ハナの配下に聖獣がつき、初代魔王サクヤの配下に魔獣が付いたということなんだ。で、彼はいずれ、トネリコ大陸の北にある、魔物の国に行くことになるよ」
「仲間にできるかな?」
「できるよ。我々は本来、魔女と魔王の僕なので問題ないよ。彼ならば良い仲間になれそうに思う」




