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王女サヤカの思い(幸せな星)  作者: 藤村 次郎
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第11話 コロネ教の神殿前で草滑り

 そう、この世界には宗教があります。コロネ教です。

初代魔女ハナの時代に、神殿と、他の宇宙からの転移ゲートがセットで建てられました。ゲートは現在も機能しており、たまに異世界人が転移してくることがあるそうです。私、サヤカはまだ経験しておりません。


 今日は、アンズちゃんとメグちゃんの3人で神殿にやってきました。一応王女様なので、侍女のアカネさんと警備のおじさんが3人就いてきてます。


 参道に入ると大きな狛犬が左右を鎮座しています。そして、広場を100メートルほど進むと石段があって、その先は円形の神殿が見えます。神殿は、直径30メートルぐらいの円形で2階建になっており、一階の正面にはコロネ様の像が立っていました。


 石段の右脇には石の円柱があって、『生あるものは魂を捧げよ』、左側は『生無きものは魂を望め』と刻まれています。そして、その下には5メートル四方の大きな大理石のテーブルがあります。


 参拝者は、右側に供物を捧げ右からテーブルの後ろに回り、神殿の正面に来ると、2礼4拍手2礼します。左側に移り、左のテーブルから撤饌てっせんをいただき帰路につくそうです。


 私たちも、一般の参拝者に交じって、お参りをしました。王族だからと言って横入りなんかしません。


 この世界では、神殿で魂をいただくことになっており、産まれた子供は、必ず神殿に参って、魂をいただく。初参りです。一方、死するものの魂は、この神殿に戻ってきます。輪廻だそうです。


 そうそう、コロネ教の謂れは、むかしコロネという狐人が神殿の横に家を建てて住んでいたことから、そう呼ばれるようになったそうです。今もその住居跡があります。

彼女は、初参りの祝福と、魂を還す人々を迎えていました。人々は、コロネ様と言って、親しみを持って接していましたが、いつの間にかいなくなったそうです。なぜでしょう?。

人々は、彼女を慕って、石像を奉納しました。それがコロネ像だということです。

 

 神殿の奥に、他の宇宙からの転移ゲートがありました。木が生い茂っており、その奥に石組みらしきものが見えました。ここ500年は何も転移してきたことは無いそうです。


 さて、神殿の話はこの辺にして、いたずら大好き、元気いっぱいのサヤカは、神殿の前に広がる芝生のスロープに目が行った。

(うん。これは大きな滑り台だよ。前世では川の土手でよく滑ったものだ)


 お尻に敷く段ボールは?と。そんなものはありません。では代替品を見つけましょう。

おっと。先客がいましたよ。


「ちょっと、ぼく。それどこに売っているの?」

「うってないよー、てづくりだよー」


 ちょっと、見せてもらいました。木の皮を敷物状に繋ぎ合わせているようです。

よし、これなら作れますね。


早速、城に戻ると、庭師のゲンさんを呼んでもらいました。あれこれと説明していると、

「へい。お嬢様。わかります。早速作ってまいりますので、ちょっとお待ちを」とゲンさんが受けてくれました。


翌日、ゲンさんがやってきました。

「おぉぉ! これこれ! ゲンさんありがとう」


午後から、アンズちゃんとメグちゃん、私の3人で初滑りに興じました。

「ジジ、肩に乗って!。さあいくよーー」

楽しかった。


 私の精神年齢は18歳。花も恥じらう乙女なんですが、身体は8歳の子供。

毎日が子供の身体なので、どうも精神年齢が8歳になっているようです。毎日、いたずらをして楽しんでいます。


こんなのでいいのかな?。

”なんしに、ここにいるの?”


(恵さん。今日は神殿に行ってきました。石柱があって右側には『生あるものは魂を捧げよ』、左側は『生無きものは魂を望め』って刻んでいました。それは初参りと魂返しの意味のようです。まあ輪廻の教えですね。そして、それはコロネ教と呼ばれています。神殿は、この星の魔女が管理しているそうです。

それから、神殿の前に広がる芝生のスロープで、土手滑りをして楽しみました。元気いっぱいなのです)

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