表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王女サヤカの思い(幸せな星)  作者: 藤村 次郎
10/61

第10話 神様に魔法使いになりたいとお願いしました

 8歳になったある日、巫女衣装の人の夢を見ました。

「汝、異世界より転生せしもの。これより能力を授ける。能力は王、戦士、魔法使い、神官のいずれかをモデルにして与えられる。汝がなりたきものを示せ。すぐには難しいであろうから、3日後に望みを聞こうぞ。」

と、言って消えたの。そして目が覚めました。

(夢なのか?。本当ならば、私はこの世界を楽しめるのでしょうか?)


 つい、ニマッとしてしまいました。


(そうね。『王』は自由が無い。家臣を無碍にすると反乱が起きるし、付き合いも面倒くさい。何でもできるなんて思う人もいるが、あんな窮屈そうな役目は嫌だ。まあ御免こうむりたい。


『戦士』はかっこいいな。でも仕える身も上役が良ければと思うが、自由が無い。それに、毎日稽古だ、実践だ、魔物狩りだなど、死と隣り合わせだ。死にたくないし、とにかく痛いのは嫌だ。


『魔法使い』。これはちょっと興味があるな。自由気ままな人生が過ごせそうね。ただ、魔力量の制限や難しい呪文は勘弁してほしいわ。


『神官』、これはないわ。場合によっては人の上に立って説法をなんて、そんな柄じゃないし、面倒なのはいや!。


ということで、『魔法使い』にしよう。付加能力など整理しておこうかな)


4日目の朝。

「何になるか、決まりましたか? 4つとも選ぶこともできますよ。王であり、戦士であり、魔法使いであり、神官でも。それと、私の横にいらっしゃるのは神様です」

(いや! 待ってー。確かにモデルであって、一つしか成れないとは言わなかったっけ・・・?)


「魔法使いで、お願いします」

「あいわかった。欲がないのお! まあ良い。それでは魔法使いの能力を与えよう」と光る物体が言った。

「あのー。いくつか希望を聞いていただけますか?」

「いいよ。 何でも聞いちゃうよ」

(軽そうな神様なのかな?。まあ良いか) 


「では、思いつくことが、魔法で出来るようにしてください」

「おぉ・・それは、おもしろい。叶えよう! *****。これからはこの星の者たちを豊かに、そして安寧に努めなさい。では、また逢う日まで」

ということで、一段落しました。


 私は、ひょっとして、とんでもないことを叶えてもらったのでは?。

巫女衣装の人が、

「とんでもないことを、お願いしたのですね。でも、神様が見かねたら、排除されますから気をつけてくださいね」

「あのー。『神様が見かねるかも?』と思われたら、連絡貰えますか?」

「良いですよ。では、モニタリングするために従者を付けます。ごきげんよう!」

と、目が覚めました。


 そして、横には2年前に迷い込んできた黒い猫が、じっとこちらを覗きこんでいます。

ああ・・・この猫が従者なのか。

「きみ、名前は?」と一応聞いてみました。それまで『クロ』と呼んでいましたので。


「ジジと呼ばれている。今まで通りクロでもいいよ」と猫がしゃべったのです。

「うん。じゃあ、ジジでお願い。それにしても君はずっと私の側にいたよね」

「うん。それが使命だったので。名前はジジでOKだよ」と言いました。


 私はファンタジーものが好きで、本を買い求め、映画もしらみつぶしに見てきました。ところがラノベというジャンルが出来てインターネットで、誰でもが作って、読めてという時代がきたのです。中でも異世界物は、面白く想像を掻き立てられるものでした。それまでは小説家と呼ばれる人の作品が当たり前で、もう年寄り臭いものでしたね。そのところ確かに素人で、まったく文章も下手、整合性もちぐはぐのものもありますが、発想が面白いのです。どろどろ、ぬるぬるしたものをスライムと称して、取り扱った冒険ものは面白かったですね。


 さて、そういう世界に、わたしは転生してきました。魔法が使える世界なんです。そして、私は王女様。今までの、普通の女の子ではありません。容姿端麗、魔法使い放題。でも、悪いことはしませんよ。


これからの展開にワクワクします。


 魔法少女って色々ありました。子供の時は憧れました。

あっ! 今でも子供です。やりたい。呪文を唱えて、くるくると回って、杖で”えぃ!”って。

精神年齢18歳なのに、恥ずかしい。でも、身体は子供。恥ずかしがることもありません。

うん!。ない!。ない!。


「ジジ、魔法を唱える時は、決まった呪文とか形、杖、服装などある?」

「ないよ!。自由にどうぞ」


 そう、星型のエンブレムを先端に付けた、スティックを作ったのです。そして呪文も。

「ジジ、見てくれる!」


スティックを掲げて、変身を唱えると、真っ白なワンピース風で背中には小さな白い羽が生えてます。そして、くるっと舞いながら

「タマスカール ハルマカール 大きくなーれ! ニャン」

と唱え、ジジにスティックを向けました。


おっー。何とジジが子牛ほどの大きさになりました。

「サヤカー・・、戻してよー、早く」


「ねえ、ジジ どうだった。素敵と言って!」

「・・・・・」


その後、何度か練習したのです。


まあ、”大きくなあーれ”と、頭の中にイメージを描けば、それで発現できるのだけども。

可愛くやりたいのです。


(あのー、本当に精神年齢は18歳なの?)


(恵さん。今日はとんでもないお誘いがありました。王、戦士、魔法使い、神官のいずれかになれると夢の中で巫女風の人に言われたのです。答えは魔法使いにしました。それと、猫がしゃべったのです。まあ、この世界はファンタジーだと思いましたが、これは事実でラッキーなことですね)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ