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【連載版】鳩時計の裏っ側 二次  作者: 滝翔
第五弾 デュエル:ユグドラシルサーガ
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1


最近は保育園でとある遊びが流行っていた

主に男子達が一つのテーブルを囲って 何やら四角い紙を束にしたり並べたり

女の子のミオは対して興味があるでもないのだが ふと気になってその注目される正体を確認する


「何それ?」


「おぉミオ! カードゲーム知らねぇの??」


鼻で笑ってきたのはミオのことが気になってるクセにかっこつけてるシルバー

そんな彼ともう一人の園児が向かい合って何やら場が白熱し合っているのだ


「〝デュエル:ユグドラシルサーガ〟

こう机にカードを配置させて相手とバトルするんだよ」


「楽しいの?」


「流行だぜ!!」


しばらくミオは二人の戦いを見ていた

カードには何やら難しい字も書かれていたが子供達はこういう経験を経て物を覚えるのだろう


先攻シルバー ターン5 魔蛍ラル6 手札四枚 城壁シールド二枚 城種シールドタイプ洛華らっか


「俺のターンドロー!! 燭の若将軍趙炎ちょうえんを召喚!!」


「おっ! 新弾の激レアカードだ 当てたのか?!」


「おうよ! 現()()()()の主戦力だぜぃ!!

趙炎が場に出たとき 相手の場にいる共鳴者:賊を一枚墓地に

さらにフォロワーゾーンから【漢の国】の兵士二体をバトルゾーンに出現させる!!」


到底シルバーの口から出て来ないであろう難しい言葉がバンバン飛び交い

どこまで理解してるのか気になっているミオ


「さらにシールドタイプ洛華の効果により二体の兵が追加で出撃!

これで俺の場は計五体だぁ!!」


「うぅ…… 今回の新弾は〝雑魚呼び〟に秀でている 参りました……」


ミオは置いてかれて周りは大盛り上がり

結局何で勝敗が決したのか最後まで分からないでいた


「ねぇそれ私にも貸してよ」


試しに自分も遊んでみようとシルバーに了承を取ってみたが

彼は舌を出して速攻で断った


「一枚一枚が結構な値が張るんだ 中には超高額の超激レアカードも入ってる

無くしてショック受けるのもあるし 何より母ちゃんにドヤされる」


「…………」


まだルールが何も分かっていないが変に衝動に駆られてしまったミオ

試しに家に帰るなり 母親にカードゲームのことを話してみたら


「ダメ……」


「何で?」


「無くしやすい割に一枚一枚が高い奴でしょぉ?

ミオがこの前ぬいぐるみ一つ無くしたけど 金銭的な打撃がその比じゃないのよ」


「えぇ~~ でも~~」


「流行っているのは男子の間だけなんでしょ?」


「……むぅ」


ミオはむくれながらも素直に自分の部屋へと戻る 母親の言ってることも分かるからだ

しかし自室ではなんと話すネズミと猫が例のカードゲームで遊んでるではないか


「それどうしたの?!」


「やぁミオお嬢さん!! アオ君がゴミ捨て場から漁って来たらしいんだ」



「ちげぇよネズミ野郎 ガキ共がハズレカードをベンチの上に置き去りにして行ったんだ

だから俺が有り難く頂戴してきたのよ 汚ぇ場所の物をミオの部屋になんか持ってこねぇよ」



小さなお手々でカードを持ち上げたり 愛くるしい肉球でカードをスライドさせながら戦う二匹

しかしアオの言う通り シルバーが持っているようなキラキラ輝くカードが一枚も無いので

何故だか保育園で見た時よりも胸の内が熱くならなかったミオ


「まぁでも まずはやり方を知ってルールを覚えるのでもいいのかなぁ」


「どうしましたかミオお嬢さん? ……ってあぁまた負けたぁ!」


「私も混ぜてよチューさん アオ!」


どうやらアオはこのゲームを相当網羅してるらしい

何処で聞いて来たのやらと思うが アオは塀の上でゲームのルールを覚えるくらいだ


さっそく猫ちゃん先生のルール説明が行われる

ミオとチューは正座してアオの肉球の動きを目で追った


「まずはゲームを展開させる為の準備だ

用意する物はデッキ40枚・フォロワー30枚の計七十枚だな」


「うんうん!」


「そして次にするのは配置

まず右端にデッキとフォロワー 山札二種を左右に置く フィールドを覚える上での指標だ

そしてこの右隣 つまりプレーヤーの目の前に城をカードで築く 城壁シールド

シールドはデッキから五枚を裏にして横列に並べる まずまずカードの配置はこれオッケー

あとは実際にバトルして分かることだがワードだけ教えるとしたら

山札の左隣が墓地ゾーン 城壁の前がもしくはバトルゾーン 後ろが魔蛍ラルゾーンだ」


「うぅ…… 難しい……」


「慣れるまではそんなもんだ…… よしじゃぁザコネズミはどけ!」



「くぅ……!! 言い返せない……」



チューはその場から退き 並べられたカードの前にはミオが座る

言われたとおりデッキをシャッフルしてシールドを展開させる

山札から五枚手札を加えると シルバー達と同じような自分にワクワクが止まらなかった


「いくぞ先攻後攻!」


「ジャンケンポン♪」


ミオはチョキを出す 何故ならアオはパーしか出せないから

それでもアオは文句一つ垂れない どちらでも余裕で勝つ自信があるのだろう


先攻ミオ ターン1 魔蛍0 手札五枚 城壁シールド五枚


「先攻はドローしないんだね……

だけどなんか色がバラバラだね シルバー君達は二色や四色だったような……」


「ルール上問題はない まぁ色が複数であるほど戦略の幅は広がるが扱いも難しくなる

だが複数効果のある激レア・超激レアカードを使って混乱するよりかは

こういうハズレクジの単純キャラ達を使いこなしていった方が修行になるぜ」


一人と一匹の闘いはゆったりと しかし着実に勝敗ヘ向けてスタートを切り出した



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― 新着の感想 ―
[良い点] なんとこう来ましたか!!! まさかのカードゲームでちょうえんw まさかのまほたるだーww
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