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シーン5


 

 自分のベッドに腰かけた晴夜は、小さく息を吐くと床に腰かける少女三人を見回すと、どこか緊張した面持ちであった。

「……改めて考えると……なんだか、すごい事になったよね……」

 春香が苦笑いをするのに、立夏と千秋も同意する。

「ずっとお隣さんだったおばあさんが本物の魔女で……四季も一緒でって……悪い夢でも視てるって思いたい……」

「……だよねぇ……」

 立夏が肩を竦めると、「でもさ、本当の事は本当の事なんだよね?」と千秋が言うのに、一番の年下が一番しっかりしているように思う晴夜だ。 あるいは、魔法だとか超常現象を純粋に信じられる歳ゆえなのかも知れない。

「……だな? それで……その四季のために俺が出す答えか……」

 その瞬間にゾッとする寒気に襲われるのは、自分の中にいるというもう一人の四季の心のせいだろう。 死者がずっと心の中に……というのが比喩とかではなく、本当に居続けたというのも、とんでもない話だろう。

「四季ちゃんは自分が晴夜君をいつまでも縛っていたくない……そう思っている」

「だけど……ずっとせーやと一緒にありたいとも願っているよね?」

 答えとは、自分がどちらを選ぶかという事なのだ。 単純な二択であるとは言えるが、簡単に選べるというものでもないのも事実だ。

 どちらかの四季だけであったら、あるいは迷いなく四季の願いを叶えようとしただろう。 しかし、この考え方は単に状況に流されようとしてるだけで、自分で答えを出したことにならないのだろうとも思う。

「せーやは四季ちゃんの願いに応えたいんだんだね……」

「だけど、四季ちゃんの願いは二つ、それもまったく真逆の願い……だから晴夜君は迷っているんだよね?」

 伊達に長く付き合っている間柄ではないようだ、自分の心のうちなどお見通しらしいと感心する。 そんな少女たちにだからこそ、晴夜は素直な気持ちを口にすべきだと思う。

「どっちが賢い選択かは分かるんだ……どうあれ四季は俺を恨んでいなかった、それだけでも救われたと思う。 だからこそ……なんだ」

 その瞬間に寒気が強くなったのを我慢しながら、どっちの四季の願いも無下にできないんだと晴夜は語る。

「晴夜兄ぃ、だいぶ落ち着いた?」

「ん? ああ、そうだな千秋」

 言われてみて、そうだと自覚出来た。 これだけ非現実的な出来事に混乱しながらも、少し時間を置いただけでこうも落ち着ける自分を不思議にも思えていた。

 


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