シーン16
――???――
ほぼ真ん丸の月が頂点へと届こうという時刻、常坂家の瓦屋根の上に人影があった。
月明かりに照らされ長い銀髪を輝かす女性の年齢は二十台前後くらいだろうか、白いローブのような服を纏う姿はどこか神秘的である。
「……そういうわけだったんだぁ……」
比較的新しい知り合いである少年の家を見つめながら女性は呟く。
前々から今抱えている問題の解決策を前から自分の師匠である人物に相談していたのだが、その返事が先ほど届いたのである。 いろいろと調べてくれて出してくれた仮説は絶対とは言えないまでも、かなりの信憑性はあるように思えた。
「今すぐに何とか出来ないわけでもないけど……まだその時じゃないか」
そもそも、まだ仮説と言っていい段階であるから、自分でもきっちり調べてみる時間も必要だ。 だから、まだ四季に話すわけにもいかないだろう。
「それに……まだ冬子の答えが出てないみたいだしね……」
この問題を解決するためには、確かに自分の持つ魔法の力は必要になるだろう。 しかし、それだけですべてを解決は出来ない、ヒトの心の問題は当事者達の力でしか解決できないのだ。
「この物語は決して最高のハッピー・エンドになんて出来ないけど、バッド・エンドになんてさせない……ううん、四季や晴夜達なら絶対にそんな事にはならないって信じてるからね?」
秋編 終




