シーン4
……声がする……もう何年も聞いていない、しかし良く知っている女の子の声だ。
「……めだよ……」
怖い声だ、俺の事を責める……咎める……断罪でもしようというかのような声は再び聞こえる。
「……ダメだよ……晴夜君は僕だけのものだからね?」
懐かしさは一切感じさせない、ただただ恐怖だけを感じさせる声だ。
「……四季……」
声の主の名を口にすると、不気味な笑い声が返ってくる。 彼女の姿を探して視線を巡らすものの、どこまでも続くかに思える白い空間しか見えない。
「……約束したよね? 婚約したよね?」
前方から聞こえてきているようにも、後ろからとも感じられる。 あるいは、俺の周囲をグルグルと回りながら話しかけてきているのかも知れない。
「いくら晴夜君でもね? 約束を破っちゃ嫌だよ? 赦さないよ?」
再び笑い声の後に、「でも、大丈夫。 僕は晴夜君を信じているからね?」という言葉は耳元でささやかれた。 その声の低さと凍り付きそうな冷たさにゾッとする恐怖を覚えた。
「……四季……俺は……」
最後まで言い切る前に、俺の意識は薄れて消えていった……。




