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シーン13


 俺達を助けてくれた女の人はエターナと名乗った、つまり外国人なんだけど日本語がめちゃくちゃ上手なのが妙だと感じた。 そしてもう一人の黒髪の人のアインという名前には別の意味で驚くけど、普通の考えれば人名としてはあり得るのでこういう偶然もあるんだろうな。 

 助けてもらった事にお礼を言ってそれで終わりかと思ったら、エターナさんは俺達と一緒に遊ばないかと言ってきた。

 「……どうしてです?」

 冬子姉さんが少し不審そうに尋ねると、「まあ、これも何かの縁じゃない?」と屈託のない笑顔で答えた。

 どうやらエターナさん達は友人と二人で遊びに来たらしいのだが、やはり二人だけというのも少し寂しいかなと感じていたところで俺達の騒動と出くわしたらしい。

 姉さんが思案している間に立夏達の様子を見てみると、反対でもないが少し気が進まないという感じに見えた。 俺としても彼女が悪い人にも見えないしいいとも思うのだが、せっかく幼なじみだけで来たのだし俺達だけで楽しみたいという気持ちもあった。

 「あなたは? あたし達と一緒は嫌なのかな?」

 いきなり俺に振ってくるエターナさんは俺を見つめてくる、その彼女の澄んだ蒼い瞳を俺は知っているような気がしたが、「ふむ? お前はどうしたい晴夜?」と言われたらそれ以上は気にしてもいられない。

 「どうって言ってもなぁ……まあ、いいと思う」

 助けてくれた人の誘いでもあるし、断るのも悪い気もした。 一応立夏達の反応も待ってみるが、反対意見も出ない。

 「じゃあ、決まりね~」

 エターナさんは子供めいた無邪気さでそう言ったのだった。

                                          

 砂浜を十数分くらい歩きどうにか空いてる場所を見つけた俺達はレジャー・シートを広げるとみんな腰を下ろす。 俺は肩継いでいたクーラー・ボックスを置きそこから全員分の缶ジュースを出して配り、それから立夏の隣に座る。

 「ところで、みなさんはご家族なのですか?」

 アインさんが尋ねると、「いや、幼なじみって奴ですよ……まあ、教師と生徒でもありますけどね?」と冬子姉さんが答えた。 エターナさんは見た目より子供っぽい勘だけど、アインさんはその逆って感じだ。

 「ほう、幼なじみですか?」

 アインさんが意味深そうに俺を見てくる、その紅い瞳は同じ名前の黒猫を思い出させるけど、もちろん同一の存在なはずはない。

 「……何です?」

 「いえいえ、この中の誰が君の彼女さんかと思いましてね?」

 俺は思わず吹き出してしまう、幸いジュースは口の中になかったが。

 「ななな……何を?」

 揶揄うように「ん? そうじゃないの?」とはエターナさんだ。

 「違いますよ!」

 助けを求めるように立夏を見ると「……まあ、残念ながら……ね?」と肩を竦めながら言ってくれば、「ええ、まだ……ですね?」と春香も言った。 おいおい……その言い方はまるで……。

 「ふむ? 私が晴夜の彼女になれば教師と教え子の禁断の恋愛か?」

 「あーずるい! 千秋も晴夜兄ぃの彼女さんになりたい~~!」

 姉さんと千秋まで言い出す、千秋はともかく姉さんは完全に流れに便乗して俺を揶揄っているだけだろうけど……そもそもの立夏達は俺を揶揄ってるにしては表情や口調が真剣だったように見えたが……。

 どうにも居心地が悪くなってきたので残っていたジュースを一気に飲み干すと立ち上がって缶を姉さんに渡す。

 「……ん? どうした?」

 「……俺、先にちょっと泳いでくる!」

 言うと同時に俺は歩き出した……。


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