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シーン2



 俺の生まれ育った春華しゅんか市にある柊東しゅうとう学園、敷地の中に中学校と高校が並ぶこの学園が俺と春香の学び舎だ。 

 千秋の通う柊東小学校へより彼女を見送ると多少遠回りにもなるが、遅刻ギリギリで登校してるわけでもないので問題ない。

 ちなみに中学を卒業すると基本的にはそのまま高等部へと進学になるのでじきに三年生になるにも拘らず受験の心配をしないで済むというのは気楽ではある。

 俺達と同じ制服を着た生徒達の流れに入り校舎二階の教室へと向かう、今日が終われば春休みだからか、みんなどこか浮かれてもいるようの見えた。

 「よう! 相変わらず仲良く登校か?」

 教室に入るなり友人の当麻とうま 快斗かいとが冷やかすように声をかけてくる。

 「あはははは……まあ、お隣さんだしね?」

 春香が苦笑するのに「そういう事だよ」と相槌を打つ、何だかんだとこの手の事には慣れたものだった。 年頃の男子としては快斗や他の連中の思うところも分からなくもないが、誰にだって昔からの友人の一人や二人はいるはずだ、俺にはそれが春香達であるというだけだし、ましてやそれが男子か女子かは大した問題ではないだろう。

 「やれやれ……もてる男の余裕って奴か?」

 「別にもててないだろう……」

 多少は話をするような女子の友人もいる程度で俺は決して女子に人気があるわけでもない、春香や千秋に関しては付き合いの長さを思えばあれが普通だろう。

 「主人公って奴はみんなそういうんだぜ?」

 快斗の言うのは、いわゆる美少女ゲームの主人公の事だ。 こいつはどちらかと言えばアクションやRPGより恋愛系のアドベンチャーゲームを好む、もちろんまだ中学生なので一般向けだけではあるが。

 「まあ……確かに晴夜の周りには他の男の子に比べて仲の良い女の子が多い気はするけど……」

 「お前まで言うか……てか、お前も千秋も冬子姉さん……冬子先生も家族みたいなもんじゃねーか」

 実際のところは少し違う気もするが、俺の感覚だと概ねそういう認識だ。 少なくとも恋愛対象というような事はない。

 「家族ねぇ……」

 快斗がまだ何か言おうとしたが、その瞬間にチャイムが響き俺達の会話はそこで中断された。

 しばらくして先生が入って来たが、クラス担任の冬子先生・・・・ではなかった、どうやら冬子先生は少し用事がるので代理で来たらしい。 確かにまったくありえない事でもないが、俺にはどうしてもあの人が何か企んでいる気がしてならなかった。

 しかし、今の俺に出来るのはこの朝礼が終わったら終業式のために体育館に行くことだけしかないのだったが。

   

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