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シーン4


              ――4月13日―― 

 

 朝の教室、俺と春香、それに立夏で先に教室に来ていた快斗にボードゲーム部の事を話し部員になってくれないかと誘ってみた。 

 当麻とうま 快斗かいとは中学になってから知り合った俺や春香の友人だ。

 それだけにボードゲームになんて興味なさそうなのが分かり切っているので、正直に言えば無駄ではないかという気がするのだが、春香がダメ元で聞いてみようと言ってきたので、やるだけはやってみようとは思った。

 「ボードゲームったてなぁ……俺そういうのには別に……」

 快斗が言い切る前に「快斗いる~~~!!」と大声が響き、そちらへ視線を向けると、そこには知ってる二年の女子生徒の姿があった。

 「瑞樹? どういたんだよ……」

 唖然となる快斗に近づいて来て「あんたの弁当を届けっておばさんに頼まれたの!」と言う少女の名は小石川こいしかわ 瑞樹みずきといって快斗の向かいに家の子だ。 要するに快斗の幼なじみであり、俺と春香ともそれなりに交流はあった。

 「……あ……家に忘れてきたのか、わりぃな瑞樹」

 礼を言う快斗に弁当の包みを渡した瑞樹さんは次に俺の方を見て、「おはようございます晴夜先輩、春香先輩」

 「ああ、おはよう瑞樹さん」

 「瑞樹さん、おはよう」

 俺達も挨拶を返す。

 「……ったく、いつもだが俺と晴夜達じゃ扱いが違いすぎねえか? 俺だって一応は先輩なんだぞ?」

 面白くなさそうに言う快斗に「快斗は快斗だから良いの!」と言い切って来るのに更に面白くなさそうに鼻を鳴らすが、何だかんだと仲は良いように視える。 幼なじみ故に遠慮なく付き合っていられるのだろう。

 「……あっと……先輩は……この先輩どなたでしょう?」

 立夏の存在に気が付いた瑞樹さんが俺に聞いてきた、そういえば立夏と会うのは初めてか。

 「こいつは雨空 立夏、俺や春香の幼なじみで、この前転校してきたんだ」

 「雨空 立夏だよ。よろしくね瑞樹ちゃん」

 「はい、こちらこそよろしくお願いします雨空先輩」

 丁寧にお辞儀をする瑞樹さんに、立夏は「立夏でいいよ」と言う。

 「せーやや春香ちゃんも名前で呼んでるんでしょう? だから僕の事も立夏でいいよ」

 「はい、では立夏先輩」

 快斗以外には礼儀正しい彼女だが、こういうところで変に遠慮はしない、そういう性格を俺は好ましく思っている。 

 「……で、みんなして何を話してたんですか?」

 「あー……」

 そういえば瑞樹さんにも話をするのを忘れてたなと思い出した、こっちも忘れてたというよりボードゲームとかしなさそうっていう先入観だな。 なので、時間もないので簡単に説明した。

 すると、「へ~面白そうですね?」と興味ありげな反応をした。

 「私達も別に部活とかやってませんし、とりあえず試しにって感じならいいですよ。 ねえ、快斗?」

 「……おい、何で俺に振るんだよ?」

 「だって快斗も部活やってないでしょ? それにあんたもエッチなゲームばっかしてないでそういうのもやってみたら?」

 「んなもんやってねーよ! そういうのを偏見だって言うんだよ!」

 確かに美少女ゲーム=18歳未満お断りなゲームというのは少し偏見があるとは俺も思う、しかしこの場合は瑞樹さんに味方するべきなんだろうな。

 「まあ、エッチかどうかはともかくだ、美少女ゲームばっかりっても実際どうかとは思うぞ?」

 「あ? おめーまでそんなこと言うのかよ!?」

 「いろんなゲームをやるのも良いって事だよ」

 「そういう事だよ快斗? てわけで決まりだね?」

 当然不満げな顔の快斗だが、こういう時は瑞樹さんの押しの強さに負けるというのがテンプレだが、どうやら今回もそうだったようだ。




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