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イケメンが現れた
それは、学校の帰り道のことだった。
「すみません」
私の着ている制服とは違う制服を着た男の子に声をかけられた。
「はい」
「市役所への道は、ここで合っているかな?」
スマフォの画面を見せられる。私が覗く。
「え~と、・・・合ってます」
「どうもありがとう。助かったよ」
「いいえ。どういたしまして」
「また会えるといいね」
白い歯をキラリと出して、ニコリと、笑って去っていった。
それは無理だろう。制服も違うし接点もないのだから。
な~んだ。新手のナンパかと思った。
日常なんてそんなもん。
人生なんてそんなものである。