ライラとの甘い生活(1)
「スイッチがたくさんある~。お風呂も自動。うらやましい~」
「さわぐな。うるさい」
「これが、日本のガールズの住みかか。いい匂いがする」
「変態!」
私たちを助けてくれた女の子が来てくれた。
家で女の子の話を聞いた。
「私は、16歳。名前は『ライラ』。異世界から来たの。あっ、ちなみに彼氏はいないわ」
どうも異世界のガールって、オープンなのね。
「ん?」
「どうしたの」
「ううん。なんでもない」
ライラ・・・どこかで聞いたような。いや。気のせいだろう。
私の貸したピンクのしましまパジャマを着る、お風呂上がりのポカポカのライラと、食卓で向かい合ってオムライスを食べていたら、
私の十八番半熟オムライスに、
「これでもか!」
と、ケチャップをかけまくるライラ。
「あーあー、そんなにかけたらケチャップの味しか、しなくなっちゃうじゃない~」
「何を言うか。7対3のバランスが絶妙なのよ」
ケチャップを取り上げたら、つかみ合いになった。
そして、私は、見てしまった。
・・・ライラの頭から、犬耳が生えているのを・・・。
「ライラ。それは?!」
「見たなー」
ライラの顔が狂気に変わった。
「ヤバイ!」
マルチーズになったライラは、私を襲わず、そのままの姿で会話を続ける。
「私は、あなたに恩返しをするために来たの」
要約するとこうだ。
回想シーン
★
「あら、かわいい。どうしたの。捨てられてしまったのね」
ある日、段ボールに入った捨て犬を見つけた私。
「あら、首輪のところにネームプレートがあるわ」
見れば、「ライラ」という名前だけは読めた。
私は家に連れ帰り、飼うことにした。
でもかなり衰弱していて亡くなってしまった。
★
そのときのマルチーズが、今、まさに私の目の前にいる。
「それでライラ?」
回顧を終え、目の前のマルチーズを見る。
「あのときの、マルチーズ?」
「そう、その節はありがとう」
マルチーズもといライラは、喜び勇んで私の前をグルグル回っている。
あれから3箇月・・・。
マルチーズは死んだのだ。
・・・ということは、今、私の目に前にいるのは、
「幽霊・・・ひっ、え~い。お助けー」