登録と説明と
「立派な造りの建物だなぁ~」
教わった通りに道を進み、冒険者ギルド前へとたどり着いた龍弥は2階建てで頑強そうな造りの建物を前に呟いた。
そして入口から建物内に入ると、そこは外と変わらない明るさの広いロビーだった。眼前には横長のカウンターがあり、受付だと思われる。
様々な書類をさばいたり、依頼者と思われる者から調書をとる等の仕事をする者や、依頼を終えた冒険者と思わしき者達が報告をする為だろう、それぞれのカウンターに並んでいた。
それらの様相を眺めていると…
「こんにちは。本日はどの様なご用件ですか?初めてご利用になられる方ですよね?」
モノクルをして髪を片側に纏めて流した穏やかな雰囲気の女性に声を掛けられた。
「はい。先程遠方からこの街に来たのですが、こちらでの身分証が無いのを門番の兵士の方に話したらこちらで登録することを薦められたんですが、どの様にしたらいいでしょうか?」
「新規の登録の方ですね。それではこちらに…」
「それとこの子の登録も同時にお願いします。」
「あら…。わかりました。では個室にて手続きを致しますのでついてきてください。」
自分とウィルの登録の事を話すと、どうやら龍弥の影になっていて気がついてなかっようだ。ウィルの姿を認めると一瞬驚いた表情になったが、直ぐに元の雰囲気に戻り微笑みながら女性は案内をしてくれた。
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「では、この度の登録を担当させていただきますギルド員のティナと申します。」
「龍弥です。よろしくお願いします。」
「それではまず、こちらにご記入いただけますか?」
個室に入り、ギルド員のティナから渡された用紙を受け取り目を落とす。
会話は出来てはいたが、字か読めるのかは分からなかったが、問題なく読めたことで確認ができてた。これにより書くことも問題がないと思い書類に記入していく。
「…はい。これで問題ありません。申告していただいたスキルに多少の不安を感じはしますが、グリフォンを従魔としているので戦闘もある程度までは問題がないと思います。」
「やはりそうですよね。」
「はい。グリフォンが戦えるとしても従えてる主人を狙われてしまえば防ぎきれないと思います。ですので…」
ティナは冒険者ギルドの規約等の説明と合わせて、訓練施設の利用についても説明を始めた。要約すると次の通りである。
冒険者ギルドには階位が存在し、依頼達成の内容や数、またギルドからの緊急依頼に対する貢献度等の判断により11の階位に分けられる。
J、I、H、G、F、E、D、C、B、A、S
Jは初心者。Sは特級とされ、IからA迄は3階位毎に初級、中級、上級となっている。
違反などを起こした場合罰則も勿論あるが、依頼の規約内容に含まれていなければ王国法に基づいて罰せられる。
冒険者ギルドに所属する者は訓練施設の利用や提携している宿での割引を受けることが可能である。
発行されるギルド証は紛失の際、階位毎に定められた罰則金を支払うことにより再発行が可能である。
「…とまぁこのような感じですね。タツヤ様はこの辺りの出身ではないとのことでしたので、ギルド施設内にあります資料室にて色々とお調べになると良いと思いますよ。」