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地獄の中の希望

気配を殺し、息を断つ。


そして、一手で決める。


寝ている金髪の男の首筋に一撃。

包丁にスナップをかけ、

えぐるようにして

確実に首を絶つ。


もうこれまでになんど同じことをしたか

わからなくなっていた。


最初は人の命を終わらしてしまった絶望と

手に残る、返り血の感覚で

気が狂いそうだった。


けど生きるためには、そうするしかなかった。


今となっては慣れたことだが

人を殺せば殺すほど

自分が何をしてるかわからなく

なっていた。


「ハデス、目標制圧。家屋内もクリア」

ヘッドセットを改造して作った無線機に連絡すると、

仲間が答えた。


「りょうか〜い!お疲れさまぁ」


「セインは周辺を警戒中。特に異常なし」


「じゃあ、補給物資を確保次第、離脱してねぇ〜。

美味しいのを期待してるよぉ!」


「りょうかい」

「わかった!」


いつものように、朝方の4時ごろに目標の家に進入し

目標を無力化した後、物資を探していると


「何かいい食べ物あったか?」


コードネーム、セイン

サバイバル化前からの知り合い。

剣道、武道の達人でよく大会では優勝していた。

今ではそのスキルを活かして、

俺と先行部員としてよくタッグを組む。


「今回は、缶詰とパンがあるな」


「なにもないよりかましか。

おっ!スマホあるじゃん。ストス喜ぶだろーなー」


20分ほど物色して

「そろそろ帰ろう。あんまり長居はできないぞ」


「そーだな。じゃあ警戒しつつ帰りますか」


「うん。いつもサポートありがとう」


「へいへい、ハデス様」


朝日に照らされた街には荒廃したビル群。

ひび割れた道路には人の屍が積み重なっている。

異臭もひどく、さっさと帰りたい。


でもこんな地獄でも、

未来に希望があることを信じて、生き続ける。


「帰ろう。ホームへ」

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